【感想・ネタバレ】人物で読み解く 「日本陸海軍」失敗の本質のレビュー

あらすじ

明治維新の躍進から日清・日露戦争の勝利を経て、なぜ日本は「敗れる戦争」へと突き進んだのか? 政治の迷走、軍部の独走に翻弄され、なぜ日本の国策は「一元化」できなかったのか?本書は“近代未満の存在”に終わった「日本陸海軍のキーパーソン」25人の理想と挫折をたどり、戦前日本の“失敗の本質”を読み解く――。「文官」と「武官」で教養知識が分断され、総合的な「発想力」が欠如したままの国家戦略。国民の統制は必要不可欠と考え、他者の「自由・独立」を理解できなかった帝国陸軍の「統制派」たち。金科玉条の「対米艦隊決戦」に引きずられ、なぜ文民が軍縮条約を決めるのかと強硬に反対した帝国海軍の「艦隊派」たちなど、最優秀の人材を集めながら、戦前の日本が敗れた理由が見えてくる。今も変わらぬ日本の「パワー・エリート」の限界と陥穽を鋭く衝いた一冊。

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Posted by ブクログ

陸軍中心に記述。石原完爾論に相当の頁を費やしている。
石原完爾と言えば、言わずと知れた満州事変の計画立案・実行者。背景には日蓮宗思想からの日米決戦論があると論じる。
石原が失脚しなければ、日米戦はあの時点ではあり得なかっただろう。満州にアジア人の知恵を結集して、対米戦に備える。八紘一宇により、満州で五族協和を実現することが必須で、それを遂行できるのは日本のみで、そのための場所は満州をおいて外にあり得なかった。
そういう脈絡からは、長城以南の漢人の土地に、幾ら挑発されたからと言って手を出すのは間違いであり、その点から河本大作の所行は非難されるべきと思うが、その辺がちょっと調子外れだった。

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2014年06月07日

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