あらすじ
百花繚乱! 心ときめく和歌の世界へようこそ!恋の喜び・切なさ、四季折々の美に触れる感動、別れの哀しみ、人生の儚さ、世の無常・・・・・・わずか三十一文字に込められた、日本人の“今も昔も変わらぬ心”。 王朝のロマン溢れる、ドラマチックな名歌を堪能!*稀代の色男の“元恋人”へのメッセージとは?――在原業平*自らの美貌の衰えを、桜に重ねる――小野小町*美しい紅葉を、神への捧げ物に見立てた――菅原道真*暴君の詠んだ、驚くほど“清らかな恋心”――陽成院*浮気をされてプライドはズタズタ――藤原道綱母*月を見上げて詠んだ、切ない“望郷の念”――安倍仲麻呂*一度は離れても、必ず再び逢おうと願う――崇徳院*深窓の内親王の“内なる激しい恋心”――式子内親王あなただけの“お気に入りの一首”を見つけてください。
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Posted by ブクログ
王様文庫の「眠れないほど面白い」シリーズ。
著者が編纂者である藤原定家に扮し、和歌や詠み人について、その背景にあるエピソードを交えながら解説しています。
この本は、
・古典や和歌に興味があるもののなかなかとっつきにくいと感じている人
・最低限の教養だけでもいいから知っておきたいという人
・百人一首を勉強したい、あるいは授業で今まさに習っている学生の人
などにおすすめです。
おすすめのポイントは、
・藤原定家がざっくばらんに語りかけてくる方式であるため、文章は非常に平易で読みやすい点
・枕詞、序詞、本歌取りといった和歌の修辞法について基本的な説明が付されており、学生時代学んだ気がするけど覚えていないなぁ…という場合にも安心な点
・一首から百首まで順番どおりに並べられておらず、「厳選!『有名歌人』たちの“究極の一首"」「心ときめく!雅でドラマチックな恋の歌」など全8章に振り分けられているため、気になった項目だけ拾い読みできる点
是非手に取ってみて、共感できる一首を探してみてはいかがでしょうか。
Posted by ブクログ
競技かるたに憧れを抱いていた中学時代に読んだが、その後実際に競技かるたを始めた時にも、札のイメージとして強く印象に残っていた。
イラストがついているなど、分かりやすく読みやすい。
Posted by ブクログ
本としてはもっと詳しく語の意味を解説して欲しかった。
単純に百人一首、短歌がめっちゃめっちゃいい!
昔の人の感性ハンパない。
ホトトギスが鳴いた方を見ると、ホトトギスの姿はなく、月があった。 これだけのことを切り取って美しい言葉にするのは天才
Posted by ブクログ
その歌の詠まれた背景、作者の人となり、歴史の裏話、秘めたる想い。
撰者の藤原定家になりきった「ボク」が解説する。
子供の頃、お正月になれば、家族全員で「百人一首」のカルタ取りをしたことを思い出す。
子供の頃なので、意味はわからないまま、「変な言葉」としか受け止めなかった。
大人になり、意味も理解し、百人一首に魅せられ、ひたすら覚えたものだ。
私が子供の頃、言葉の流れから、大好きだった一首。
秋風に たなびく雲の 絶え間より
もれ出る月の 影のさやけさ
左京大夫顕輔
Posted by ブクログ
古典に苦手意識がある人はこの本なら、百人一首のことをもう少し身近に感じることができるかもしれない。
私自身、以前ほど古典への抵抗感が少なくなったように思う。
31文字にこれだけの工夫と気持ちが込められていると知ると非常に面白いなと感じた。
Posted by ブクログ
歌かるたとして有名な百人一首を紐解くと、当時の人々の生活様式や恋模様、時代性などが見えてくる。
雅やかな世界の住人に見えた歌人も、自分と同じ人間だったことを再認識する。
43首もの恋歌からは時代が違っても男女の仲はそう変わらないということが分かり、なんだか親しみが持てた。
Posted by ブクログ
今までたくさんの古典文学を見てきたがそこにはたくさんの古典の世界ならではの慣習や地位などに対しての葛藤などを理解することができた。
バックグラウンドを知っているだけで全く見方が変わってくる。
やはり古典はどこまでも奥が深いのだと感じた。
特に印象に残った作品はとしては伊勢物語。
伊勢の斎宮がなぜ自ら在原業平のもとに来たのか漫画で読んだときは「何この女、結局自分から行くのかよ」と思ってしまったが、そこには悲しい運命にある二人の共感があったのだということがわかり、この斎宮に対しての視点が一気に変わった。
Posted by ブクログ
"百人一首"と聞くと、私がまだ中高生の頃に国語便覧をぼーっと見ながら「この歌の雰囲気いいな」とか「この言葉面白いな」とか思っていたなんてことない若かりし日々の一瞬を思い出します。大人になった今なら受け取り方も変わっているのではないかと思ってこの本を読みました。
この本は歌をテーマ別に掲載しているので気になるテーマから読んでも良し、あえて1から100まで順番通りに読んでも良し、です。私は気になるテーマから少しずつ、好きな歌にチェックをつけながら読みました。チェックしながら読むと自分の好きな歌の傾向がわかっていいですね。中高生当時の朧げな記憶と今を比較してみると、当時から変わっていない自分の感性や反対に歳を取ったから生まれた感性なんかもわかって楽しかったです。
Posted by ブクログ
百人一首の「眠れないほどおもしろい」シリーズ版。作者が藤原定家に扮して口語で解説しているのは評価が分かれそうであるが、あまり和歌に知識のない自分にとっては入り易い手法に思われた。
そもそも百人一首といえば学生時代にチラと習った程度なので、全てを理解も記憶もしているはずがないものであるが、本来は一首一首が詠まれる背景やら、技法などがあり興味深いものであり、ましてそれが時代を反映していたものとなると、機会があれば再読をしたいものである。
Posted by ブクログ
百人一首は幅広く集められたと漠然と思っていたが、これほど狭い世界(宮廷)の人たちがメインだったとは。狭いだけに歌人同志の人間関係が乱れてて「けしからん!」と思うことしばしば。百人一首は歌人を役職などで表記しているので分かりにくいけれど、実は歴史上の人物がたくさんいた。(現代使われている)名前を併記した百人一首がほしいな~と思う。