あらすじ
「来年も今年のような生徒さんをお願いします」トヨタ、ホンダ、マツダ、京セラ、シャープ……、大手企業人事担当者が絶賛する工業高校がある。しかし、その学校は最近まで、アルバイトですら雇ってもらえないほど、荒れた高校として有名だった。学力も高くない。しかし、一人の教師がすべてを変えた。ものづくりの楽しさを生徒に伝え、やる気を引き出したのだ。さらに学校を変えたのは、あいさつと掃除。就職率100パーセント、技術力を競う国際学生科学技術フェアでは世界第2位にまでなった工業高校の教育法とは。
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Posted by ブクログ
この本を見つけたのはたまたまですが、長男が「将来、車の仕事につきたい」と言うようになり、ひょっとしたら工業高校に興味を持つかもしれないので、思わず手に取りました。
王寺工業高校はけっこう近くを通る機会があるのでなんとなく親しみを感じつつ読みました。
ヤンチャ高校から、モチベーションの高い生徒がたくさんいる高校に変化した軌跡が書かれています。こういった成功話っていいですね。読んでいて楽しい気持ちになれました。
ただひとつ、福祉関係の人間として気になったことが。
緘黙で療育手帳を持っていた生徒が、先生と一緒に根気強く話す練習をした結果、話ができるようになり、就職も決まって「もう手帳もいらんかもしれんなぁ」と言いながら前向きになっている時に、支援センターの人が「今後も支援を続けます」
本人は障害者としてではなく自立して頑張ってやっていこうと思っている時に、マイナスなことばかり言われてショックだった・・・とのこと。
自立のために支援する職員が足を引っ張ったケースだなぁと思いました。
Posted by ブクログ
先輩にすすめられて読んだ本。
社会人5年目にして、自分は基本ができてるかなと振り返らせてくれた。挨拶ややる気や新入社員に見られても恥ずかしくない輝きを保っていたい。
あとは先生になりたかった自分を思い出した。高校生のすごいパワーと、対照的にたまに弱くて間違えちゃうとこが愛しい。
また先生が生徒を心から思ってらっしゃるのが伝わって温かいんだな。なるほどって思うこといっぱい書いてあったけど、根底にあるのは生徒への愛だなと感じました。
Posted by ブクログ
印象に残った部分
●p220 今まで私がものづくりを通して感じたことは「できる人は作品のいいところを見つけて褒めてくれる。できない人は重箱の隅を突っつくかのように悪い部分を指摘し、貶すだけ」ということ
●p221 就職率100%は、あとからついてきた結果にすぎません。重要なことは、若者を「やる気」にさせることです。そのための方法として、「挨拶」や「掃除」「クラブ活動」「ものづくり」などがあるのではないかと思います
Posted by ブクログ
私が小学校の時、ここの高校生に友達がひどいめに遭わされたとかいろいろ物騒なうわさを聞いていた。
でも、その高校が最近はすごいといううわさを耳にしていたので、目に留まって買ってみた。
本の中にある「吊るされた先生もいた」とかいう話は、本当の話ww(一応、首ではない、と断っとくww)
でも私が中1くらいからやったかな?インターハイに行ったとかいう横断幕が掲げられていて、「ほんまかいな?」といぶかしく思っていたけど、だんだんいい噂に変わっていって、私が中学を卒業するくらいになると友達もこの高校を受験していったけど、担任の先生から「いいとこに行けるなー。」と言われていた。
昔の王寺工業を知っているだけに感慨深い作品。
Posted by ブクログ
一気に読んだ。
モノづくりに少なからず関わっている人間として、共感できる内容は多い。
一旦作り始めると夢中になり、そこから良い循環が回り始めている話は、ちょっと出来すぎの感があるが、理解できる。
工業高校生の研究内容として、電動車椅子・風力発電ともたしかにかなり完成度の高いものになっていると感じる。これを仕上げたメンバはかなり大きな達成感を得ていることは容易に想像できる。この達成感が麻薬のように良いサイクルを後押ししているようだ。
筆者のモノづくり大好きの気持ちが伝わってくる。