あらすじ
日本の政治は、なぜかくも体たらくが続くのか? その理由を、天才認知科学者が「中学生でもわかるよう」現状の政治システムの欠点を指摘しつつ、問題解決の画期的な施策を打ち出す。「政党政治」を脱却し、「国民政治」を実現するために我々がするべきこと―それは我々が「合法的に」日本を買収することだ!
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Posted by ブクログ
今の日本には問題が山積していること、それはみんなずっと感じていることだと思う。そして、その原因は政治主導の不在、官僚が悪いということになっている。2009年に民主党が与党になるまでは、原因は自民党の劣化だと理解してため、政権交代に感動したものだが、民主党の政治主導が失敗して、官僚を敵にまわして法案を通せない、政策を実行できいない政治状況となってしまった。
じゃあ、自民党の長老方が得意気におっしゃる「官僚は使いこなすものだ」という常套句も、単にあなたが無知で洗脳されているだけではと苦笑してしまう。
自分が以前より現実の政治に興味を持てなくなってしまったのは、どうせ政権が変わっても大きな流れは変えることができない、構造的には何も変わらないという諦めに近い。そんなことに時間を使うならとことん仕事に邁進して、自分を磨いた方が千倍マシだ。
テレビや新聞で論述される政府・官僚批判を展開する評論家も無責任に聞こえる-OKY(おまえ、ここにきて、やってみろ)。選挙出たって勝てないから、評論家をやっているんだろ-クソみたいな政治家もいるけど、超優秀で真面目に頑張っている政治家もいる。政府批判がジャーナリズムの仕事だとしてももうちょっとどうにかならんものか。何でもっとみんな自分のこととして考えられないのか。。。そんなことを考えていたある日、長い海外出張から帰ってふと本書を見つけた。
前置きが長くなった。結論から言えば、本書は上記の問題意識をもった自分にとって痛快だった。問題は、次の選挙でどの政党を選ぶかではなく、選挙に関わらずどのような機能する国民主権の政治プラットフォーム(国会=立法府)をつくり上げるか。そう、その通り!
苫米地氏の主張の骨格は、次の2点。政党助成金の議員個人への直接支給と官僚の議員政策秘書への移行。つまりは、政党・省庁という組織から議員個人への権力の移譲。後者は以前から氏が主張してきたことなので、特に前者が「日本買収計画」の要諦と言えよう。今の政党助成金はまず政党に支給され、中抜きされる。それが小選挙区の選挙戦と相まって、政党執行部の権力の増大を招き、個々人が献金パーティをして選挙資金集めをしなくては、いくら有能で意欲があってもそもそも当選できない。それを経済的にも、マンパワー的にも政治に、議員立法に専念してもらうという内容。
確かに大統領制の補足的導入や、ODA政策など苫米地氏の各論には意見が異なる点もありますが、「真新しい政治プラットフォームの創出」の必要性という点においては全く同意し、応援します。これが実現に何年かかるかは分かりませんが、日本が手遅れになる前になるべく早く実現してほしいと思います。
政争を追いかけ、批判することに終始するマスゴミ・評論家が幅をきかせる昨今。私にとっては、ここ数年で読んだ政治本の中で一番面白い「提案」が書かれた良書でした。
<蛇足>
本書に限ったことではないが、苫米地氏の主張は"Radical"だと思う。それを、日本語に普通に訳すと「(政治的に)急進的な、過激な」という意味になってしまいそうだが、私は語源の「根(radix)の」に近い「根本的な」、「抜本的な」という意味で用いたい。冷戦構造が崩れ去った今、「急進的」というところの速さの基準は誰が決めるんだ?(そしてその進む方向(ベクトル)とは何だ?)前例のないこと-例えば、インターネットによる直接民主主義-を実現することが急だとか誰が言えるだろう。それは時代とそこに生きる人々の意思が決めることだ。Radicalであることと現実的であることは矛盾しない。
Posted by ブクログ
著者の描く日本買収が実現して、国民の手に政治が戻ってくる日が本当にくるのなら、協力してもいいかもと思った。
こんなロマンを描きながら、真剣にひとりからはじめるとは脱帽です。
Posted by ブクログ
主権在民を有実に。
金を本来使うべきところへ注入できるように。
議員・公務員に、本来の職務に注力させるIT活用の動きに積極的に参加していきたい。
選挙後の動きに注目。
Posted by ブクログ
2011年の本なので今の日本の問題と少しズレるところもあったけど、政党政治の問題点、官僚支配状態など今もよく耳にする問題がよくわかった。
タイトルは、怖いイメージ。
国民が国民のための政治に「戻す」ために国民のために働く政治家を買収し日本を国民の手に戻すという考え。
政治家一人一人が自由に国民のための政治を考える事がこんなに難しい状態にある日本の政治。
重鎮の方々がいなくなれば変わるのだろうか…。
苫米地さんが目指す方向になるために意識を持とうと思った。
日本という国は、政治に不満はあっても
安心してそれなりの生活ができてしまう国。
自分次第で切り開いていける国。
だから変わらないのかも知れない…
Posted by ブクログ
国民が少額の金額を出して、集めたお金で国会議員を買収し与党を構成するという計画。そうすれば、国民の意見がちゃんと反映した政策が実現できる。実現したら面白いけど、マネをして詐欺もでそう。