あらすじ
偉大なピアニストだった亡き父を未だに憎む智也に遺されたのは、440HzのAというたったひとつの音を聴きとる絶対音感だった。今は音楽から離れ細々と便利屋を営んでいる彼の元へ、ある日突然野良犬のごとく転がり込んできた英治は、ワケアリの過去を持つ一文無し。そんな彼らの所に、音楽学校首席の女子高生・奏恵からとんでもない依頼が舞い込んだ。 「私を、音楽で感動させてください」 優れた絶対音感を持つ彼女から高飛車に告げられた不可思議な依頼に巻き込まれ、音楽に翻弄される彼らが奏でるそれぞれの“音”物語。
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Posted by ブクログ
亡くなったピアニストの父への反感からよろず屋をやっている青年に、音楽で感動させて欲しいと音楽学園の女子高生天才ピアニストが依頼してきて、という話。
亡き父が拘ったピアノ曲がある意味全ての鍵で、青年の想いも少女の悩みも解決に導いていくことになるのだけど。
いあまあ、なんとなく展開は読めたけれど、依頼の達成時の展開がちょっと納得いかないというか、小説で音楽を扱う難しさを感じてしまった。
あと主人公自身がその達成にあんまり自立的に関わってないのがスッキリしなかった所もある。
なんというかもう一工夫欲しいよね。
流石に作者のデビューしたての頃の作品なのでしかたないかな。
Posted by ブクログ
あらすじに惹かれて買った一冊
途中までは、登場人物のやりとりが軽快だし、どのキャラがいいなくらいにしか思ってなくて、遂には一回読めば満足かもとまで思ってた
でも、ガムランの演奏を聴いたシーンからちょっと印象が変わった
ガムランにせ、沖縄民謡にせ、最後のシャコンヌにせ、音は一切聞こえてこないし、曲を知らないから聞こえてくるはずもないのに、文章だけで感じるものがあって、一気に惹き付けられてしまった
全体的にテンポもいいし、それぞれが音楽を通じて、価値観・世界観が変わったり、成長したりしてるのも結構好き ラストも思わずうるうるしたし
でも、最後の展開は、一部不満
無事に智也の誤解は解け、お父さんと少しは心が通ったみたいでよかったけど、誤解されるような行動をとった三人がね・・・
敢えて言わない言葉ってあると思う でも、彼らは言わないとダメなことを心に閉まっちゃってたからね・・・
智也が苦しんでるの知っててなお、だから質が悪い
ピアノは少ししかやったことないし、クラシックは管弦学部で少し触れただけだから、知識なんて全然ないけど、楽しめたと思う
明日にでも、シャコンヌを聴いてみようと思う