あらすじ
江戸時代に隆盛を極めた日本独自の数学「和算」。和算家の父に育てられた主人公・米倉律は、ひょんな事から知り合った南町奉行所同心で飄々とした中年男・深井転とともに江戸で起こる難事件を次々に解決していく。しかし、律の心はいつも失踪してしまった父・円を追い求めていた。その父の消息が届いた。届けたのは何と、青い眼の……!?思わず解きたくなる問題が全編にちりばめられた和算ミステリードラマ。
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父親の存在が
律の父親や律の見ている算術について、次第に見えてくる展開にワクワクする。1話完結の話を積み重ねながら、物事の変わらないものを見つけるために算術があることが伝わってくる。決してテクニックを学ぶことが数学の本質ではないと、現代の私たちにも突きつけられる。謎解きも相変わらずおもしろい。
話のネタに?
読みやすい一話完結型の物語。
和算をテーマとした人情ミステリーな物語は
読み終えるごとに読者にカタルシスを与えてくれる気がします。
一方で、知人友人に披露したくなる小技もみられるとても良い漫画です
Posted by ブクログ
一巻同様、いや、前巻にも増して、数の理の面白さ、奥深さを情熱的に説いている漫画
内容が内容なので、数学アレルギーの人には向かない、と思われそうだが、謎解きミステリーとしてのストーリーが相当に練り込まれているので、存分に楽しめた
また、読んでいると数学に強くなりそうなイメージもあるが、それも正しいものの、どちらかと言えば、文章から正答を読み解くセンスが磨かれそうだな、と私は思った
漫画である以上、解説図もしっかりと書かれているのだが、往々にして大抵、それはすんなりと頭に入っては来てくれないのだ
なので、律と転らの会話、台詞で自分が最も、正しい答えに辿り着けそうな図を想像するしかない
それを、この『和算に恋した少女』を読みながら繰り返し、試行錯誤する事で、自然と先に挙げたセンスは伸びていくように思える
なので、理系が得意な学生よりかは、文章問題や応用系で躓きかけている(完全に躓いてしまっているのなら、あえて、その手の問題集は一旦、閉じて、基礎的な問題をバリバリ解いて、自身を取り戻すのが先)学生にお勧めしたい一冊
また、年端も行かない少女の律が天才的な数学のセンスで気持ちよく謎を解く件も、この作品の魅力だが、彼女を囲む転を初めとした大人の余裕と良識が活きる、事件の落とし所も忘れてはならない
ぶっちゃけ、読み手を選ぶ、クセのある作品だが、読まず嫌いせずに読むのが一番だな、とも思い知る