【感想・ネタバレ】花競べ 向嶋なずな屋繁盛記のレビュー

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Posted by ブクログ

そうか、これがまかてのデビュー作品か。才気溢れ、そして、初作から飛び抜けたおもしろさ。すごいなぁと末尾解説にも納得。新次とおりんが主役なんだろうけど、雀、六兵衛、辰之助のキャラが圧倒的で、魅了した。楽しかった!

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2024年02月04日

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ぎゅっと、ぎゅっと、詰まった一冊。短編集になっているのが、もったいない。
桜の描写も美しくて。
来年の桜は、この話を思い出して切ない気持ちで見上げることになりそうです。
辰之助の人生を、別冊でじっくり読んでみたいなぁ。

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2019年12月13日

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江戸中期、花師の「なずな屋」
若夫婦とその周りの人々の人情物語

ちょっとしたミステリ要素もあり
恋愛模様もあり。

これがデビュー作と知ってびっくり
なんと達者な・・・

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2018年10月04日

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ネタバレ

読んでいて、心地よいお話でした。チョット出来過ぎでしたが、穏やかな気持ちのまま、読み終わりました。ただ、主人公に子供が生まれたかどうか、知りたかった。

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2015年02月23日

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読み終わって改めて表紙を見てみると、この本の内容がぎゅっと詰まっていたことに気付いた。
主役である新次とおりん夫婦に預かりっ子の雀(しゅん吉という名前なのに鼻が詰まってちゅん吉としか言えないから雀というあだ名がついたなんて由来が可愛い)。若旦那に六兵衛さんなどなど、登場人物が魅力的でいきいきとしていた。
桜草、紫式部、染井吉野、それぞれのエピソードでぐっときて、フィクションなのにこれからそれらの花を見る度に名付けのきっかけになった雀のこと、花魁の吉野のことを思い出してしまいそうだ。
鮮やかな幕引きから、恐らく続きは出ないのだろうなと思うと残念。
シリーズものとして読みたかったなあ。

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2014年07月31日

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ネタバレ

『恋歌』で第150回直木賞受賞した。朝井まかてさんのデビュー作、文庫化でタイトルが「実さえ花さえ」から変更され内容がわかりやすくなってます。江戸寛政期、新次とおりんの若夫婦が営む種苗屋「なずな屋」が舞台で、二枚目だが色事が苦手な新次と、恋よりも稽古事に打ち込んで生きてきたおりんに愛の試練が待ち受ける、一緒に住むことになるしゅん吉こと雀の健気さと可愛さ、「なずな屋」を応援する上総屋隠居・六兵衛の過去の痛恨と繋がる扇屋花魁・吉野の無念に心打たれました。先の展開が読めず夢中になって読みました。お勧めです!

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2014年04月19日

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苗物屋の新次・おりん夫婦の物語。304ページと中編だが、内容はたっぷり。序盤は悪役に嫌がらせをされ、中盤は理世との逢瀬、終盤は花魁吉野と染井吉野の話。もっと引っ張っても良さそうだが、まさかデビュー作とは。さすがは朝井まかて氏です。

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2023年03月11日

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花師という職業を通して江戸時代の人々の植物に対する価値観や関わり方を知ると共に、この時代のプロフェッショナルが持つ矜持に心惹かれます。
また有力な幕閣や商人がとても粋な役で登場し、身分を超えた関係がとても好ましい。
染井吉野は本当に染井の植木屋が売り出したものらしいですが、その事実に素敵な物語を重ねたところも良い。
デビュー作なのにこの完成度には驚きました。

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2023年02月04日

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ネタバレ

江戸に、花師という職があったのは知らなかった。
なずな屋の主である新次は無口だが腕のある花師、その女房のおりんは手習いの師匠をしていたこともあり「お手入れ指南」(花の育て方メモ)を付けるようになり、なずな屋は小さいながらも人気の苗物屋だ。

紫式部や染井吉野など、樹木の名付けを物語の中に取り込んでいるのが面白かった。
自然のままの木の美しさや生命力、人の手を加え作り出された新種や奇種、植物を通して大切なことが伝わってくる。

霧島屋とのごたごたについては、少し読んでいてすっきりしない部分も感じたが、全体的に読みやすく、温かく、生き生きとしていて楽しく読めました。

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2021年10月24日

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ネタバレ

202108/これがデビュー作と知ってレベルの高さにびっくり。実に面白かった。苗物屋という設定と、そこから織りなすエピソードも、とても好み。新次・おりんの夫婦は勿論、預かっている子・雀、留吉一家、六兵衛・辰之助、花魁吉野などなど、登場人物達も本当にそこにいるかのような魅力的な描写で物語に没頭できた。草木花のこと、お仕事の工夫、陰謀・謎、恋や人情など盛り沢山だけど、とっちらかることなく綺麗におさまり見事。ただ一点、理世との一夜は残念…。

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2021年09月27日

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人情溢れる素敵な関係性。時代小説はあまり読まないのですが、さくさく読めた。淡々と進みながら、言葉にできないらやりきれなさも胸を打った。時間は一方向。継いで継いで残されたものの美しさに感謝したい。

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2021年08月31日

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さすがは朝井さん。背表紙の内容では、面白く読めるかなと思ったけれど、一気に読めた。変などろどろ感は皆無。
人生は思い通りにいかないことや、後悔はたくさんある。しかし、そのなかで、今を大切に生きること を感じさせられる作品だったように思う。
そりゃ、本の中くらい思い通りにいってほしいと思わないでもないが、ひととしとった自分にはこの作品の哀愁と前向きさが伝わってくる。

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2021年08月22日

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植物がたくさん出てくる本が読みたくて読んでみた。
すごく園芸が盛んだった江戸時代に、花を育て、品種改良で新種もつくる花師という職業があった。腕のいい花師である主人公が、奥さんや友人たちと毎度起こる難題に立ち向かう。
とくに印象的だったのはクライマックスの桜の話。ソメイヨシノという品種はどこの誰が作り出したのかわかっていないらしいんだけど、その経緯がこうだったら面白いよね、っていう話。
期待どおり、たくさんの草木が出てきて楽しめた。

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2020年08月18日

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こちらも、 朝井まかてさんの著作
「向嶋なずな屋繁盛記 花競べ」です。
向嶋 なずな屋を舞台に繰り広げられる、人情、職人魂、
恐ろしい企み、なずな屋の主人 新次は 江戸で有名な
霧島屋で修行を積んだ花師、女将のおりんはもとは裕福な大店の
娘、この夫婦がいとなむ店が なずな屋。
花の好きな人はオススメです。
江戸は花ブームに沸き、確か黄色い朝顔もあったとか
このままにしといちゃあ、いまに江戸中 得体の知れない花で
埋め尽くされる。 新次は案じます。
よろしかった読んでみてください。
やっぱり何度も読んでしまいます。

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2018年06月13日

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花の話が中心かと思いきや複雑な人間関係が絡まって面白く読めた。花魁が火事で亡くなってしまってハッピーエンドということにはならなかったけど、それなりに納まって良い感じだった。

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2018年04月17日

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江戸市井に暮らす職人夫婦の物語。

少しほろ苦く切ない終章、そこが少し残念ではあるけれど、程よいリアリティと言うべきか。
それを超えたエピローグは、まるで雪解けの春の山、柔らかな土から萌え出たばかりの鮮やかな黄緑色の小さな芽を見つけたような心持ちにさせられたので★4つです。

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2016年09月20日

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「恋歌」で直木賞を受賞した朝井まかてのデビュー作。
デビュー作にしては達者で、さすが。

「なずな屋」を営む若夫婦、新次とおりんが主人公。
男前すぎて若い頃に女の子がぞろぞろ付いて来るほどだったため、女性に警戒心がある新次。
おりんは家を出て子供に手習いを教えていて、しごくさっぱりした気性なのが新鮮だったらしい。

感じのいい若夫婦に、新次の幼馴染夫婦や、新しいお得意さんの大店のご隠居と孫息子、新次が独り立ちする前に勤めていた大きな育種屋、夫婦が預かることになった男の子「雀」(本当はしゅんきち)などが絡んできます。

苗や種を育て、時には新種を作り出す花師という仕事が、江戸では盛んだったのですね。
「花競べ」とは、最も優れた名花名木に与えられる称号・玄妙を目指して、江戸中の花師が育種の技を競い合う三年に一度の祭。
花や樹木を扱うすがすがしさが伝わるような筆致で、ムラサキシキブ、桜のソメイヨシノなどの命名をめぐるエピソードもあって楽しく読めます。

新次は仕事先で、かっての勤め先のお嬢さんで、共に修行した理世と再会します。
女ながら才能があり、今は家を継いでいる理世。
身分違いだからと気持ちをはっきりさせずに店を出たままだった新次は‥?
女性作家にしては、妻のおりんのほうをほったらかしなのがやや意外な展開。
おりんの気持ちを追ったらさらに生々しくなるのを避けたのかも。
気持ちにけりをつけるという展開とはいえ、理世のことが妙に浮き上がって見えるような。
何もいわずに戻った新次を、おりんは黙って受け入れたようですけどね。
子供のいない二人が預かって育てた雀こと、しゅん吉の未来が開けるので、話としてはまとまった読後感に。

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2016年06月26日

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種苗屋といえば、大阪天王寺にある赤松種苗店でをよく利用していて馴染み深い。伝統野菜の種など買つたりするし、そこのお店に行くと、江戸時代から歴々と受け継いでやってきている風情が職人さんや店構えに趣があって伝わってくる。種や苗、花を買いに行く、見に行くのが楽しみなんだけど、こういう時代劇小説で読んでみて奥が深い仕事だと思った。


花師という職人の新次とおりん夫婦と、その周りのあったか人情物語。

染井吉野の桜が吉原の花魁と繋がる、まさかの展開に に驚いたが、染井吉野の由来がわかって来年、桜を見る目がかわるだろう。
橘の歴々の由来もわかったし。


預かりっ子のしゅん吉みたいに門前の小僧さんみたく、読んでるうちに植物に詳しくなつていく、著者から、 いつのまにか学び知っていくあたりは門前の小僧気分である。

江戸時代の遊び方って粋だなぁと思った。

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2016年04月28日

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読書女子からオススメしてもらった本

今まで時代小説とSFが苦手で読んだ事がなかったのだが
オススメしてもらったからには・・・と手に取った。

読み始めて読めない言葉の多いこと((+_+))
読み方を調べながら読み進め途中からは楽しく
最後には大好きになって読み終えました

なずな屋の日常のような流れなのかなー?と思って
読んでいたのだが染井吉野ですべてが1つになるところが
とてもスッキリと読めた

今の季節もちょうど春
今年のソメイヨシノを見たら花魁の生き方を思い出すだろうと思うだけで今から楽しみになる

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2016年04月15日

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ネタバレ

これでデビュー作?朝井まかて、恐るべし。
確かに少々のぎこちなさはあるものの、一つ一つの短編風な章の完成度が高く、文章が読みやすいからか、ページを繰る手のリズム感も良い。

それでいて、良くある普通の市井人情時代小説とはちょっと違う味付け、主人公が植木職人とその妻っていうのもひねった設定だし、彼らの子供の生い立ちや、主人公が修行した大店のお嬢との関係もまたヒネってあって、意外な有名人物が登場するかと思いきや。

吉原炎上からの急展開に唖然。堰を切ったようにあれやこれやの出来事がドンと押し寄せて来て油断できない。ミステリーの謎解きとはまた違った「へー、そうなんや。えっ、こう繋がってくるんや」っていう出来事同士の繋がり方は、実に見事。

草花への愛情、自然への憧憬。色んなことが積み重なって…この本を読んだことで、来春のサクラ花見は、今までと違った目線と思いで楽しめると思う。

一つだけ苦言。好みは分かれるかも知れないけど、タイトルは原題「実さえ、花さえ」のままの方が、この小説に似合っているんじゃないだろうか。

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2015年12月11日

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初めての作家さんでした。
江戸時代の種苗屋さん、ソメイヨシノを発見したり等、結構引き込まれて読みましたが、最後に雀のその後で終らすとは、随分とはしょりましたか?

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2014年11月06日

Posted by ブクログ

悪くなかった。
いや、良かったんだけれども。
最も愛される桜、ソメイヨシノの生まれた話が織り込まれているのも面白かったし。

だが、もうひとつ、人物設定の必然性が足りない気がする。
なぜ新次を女が苦手になるほどの色男にしたのか。
なぜ、もうひとりの男前、辰之助が登場するのか。
しかもなぜ、女装させたのか、花魁に一目惚れさせたのか。
なぜ、花魁は吉野なのか。
しっくり来ないというか、ぴったりはまらないというか。
もっと練って、もっと長い作品にしても良かったのではと思うと、ちょっと惜しい気がする。

それに、ソメイヨシノの名がつくのは江戸時代じゃない気が…。
処女作品に対して厳しすぎ?

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2014年10月03日

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朝井さんのデビュー作です。
デビュー作らしいアラと良さがある作品です。
腕の良い花師でありながら、美男子ゆえに女が苦手な新次と、明るく前向きなおりんの夫婦が営むなずな屋。職人の世界を生き生きと描いたところはデビュー作と思えぬほどの出来です。
一方で中盤にある新次と新次が修業した霧島屋の娘・理世とのシーンは、全体の流れに対し不必要というか、違和感が残り中途半端なシーンだと思います。
なずな屋で働いていた俊吉をとりあげたエンディングはとても心地良いですが、出来れば辰之助も出して欲しかったな。
とはいえ情緒あふれる良い作品でした。

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2016年05月29日

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ネタバレ

花競べ
向嶋なずな屋繁盛記

著者:朝井まかて
発行:2011年12月15日
講談社文庫
単行本『実さえ花さえ』(2008年10月)に加筆、改題

朝井まかての時代小説は、なにを読んでも面白い(そんなに読んでない)が、この花競べは彼女のデビュー作だという。300ページ余りの長編だが、4章立てで各章が短編的なプロットで締めくくられ、かつ、全体でひとつのストーリーにもなっている。

文化文政時代の江戸・向嶋を舞台に、小さな苗物屋「なずな屋」を営む新次とおりん夫婦の物語。苗物屋は、花師という職人の店であり、花屋とも庭師とも違う。木や草花を栽培し、種から育てたり、挿し木、接ぎ木、品種改良などをしたりする。これは市井時代小説であり、職業小説で人情小説でもある。朝井まかての最も面白い分野かもしれない(改めていうがそんなに読んでない)。

1章は、シチュエーションの紹介をしつつ、日本橋にある太物問屋の隠居から、快気祝い用に新次のオリジナル商品である桜草の注文をされる話。言われたのは30鉢で30両という破格の値段。受けたはいいが、鉢を注文した焼き物商が途中で受注を翻した。別のところもギブアップ。どうやら、邪魔する者がいるらしい。しかし、最後はおりんがトコロテンからヒントを得て、木箱にすることでいいものができあがる。
邪魔をしたのは、どうやら大店の植木屋である霧島屋の七代目のようだった。新次はその霧島屋で修行を積んだが、娘の理世と噂がたって辞めた。霧島屋には娘しかおらず、婿を取って七代目にしていた。

2章は、この本のタイトルにもなっている「花競べ」に出場する話。そこで〝優勝〟する。しかし、そのコンテストは実質的にコネのある者しか最終審査まで残れず、出来レース的でもあった。新次は太物問屋の隠居のコネで出場。最後に残ったのは、霧島屋の理世の作品と、新次の作品だった。

3章は、雀(しゅん吉)という幼い男の子供を預かることになった新次とおりんの話。伊勢の藤堂家の下屋敷の広大な庭のうち、百坪だけ、あるイベント用に整えてくれと仕事が来る。新次は大変な力を注ぎ、手持ちの希少種や、高価なものと交換で手に入れた希少種などを投入して、1年を通して楽しめるように造った。とても気に入ってもらえたが、イベント直後にそれらは撤去され、希少種なども消えていた。その後の庭を造っていたのは理世だった。新次と理世は、昔、恋仲だった。久しぶりに再会し、ついに一夜を過ごした。しかし、それできっぱりけじめをつけて別れた。その後の出来事だった。2人は現場で紹介されるが、初対面のふりをした。
庭が壊され、ショックを受けた新次だったが、理世は希少種などを捨てずに確保し、新次のもとへと送った。最後のオチが読めるプロットだった。

4章は、雀(しゅん吉)の生みの母親と、その母親をDVの夫から連れ出し、雀に教育をした男に、おりんが会いに行った話。この段階になると小説がきれい事に染まりすぎてくる。子供がそこまで気を使って行動するわけがないし、DVの夫が本当はとても良い人だったというような話でも染め上がるし。

最後は、霧島屋が門外不出、一子相伝で引き継いできた桜を、新次が預かっていたが、それを外に出したこと、それがのちに(天保時代)染井吉野となったことが記される。地名の染井と、吉原の花魁である吉野が絡んだ話。

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2024年03月19日

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向島にある種苗屋「なずな屋」。真面目な仕事ぶりと質のいい種苗や植木で繁盛している。そんななずな屋を営んでいる花師の新次とおりん夫婦の物語。
新次のかつての修行先との争いや預かる事になった子供との絆など様々な出来事が描かれている。
なずな屋夫婦の人柄が良くて読みやすく読後感もよかった。

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2023年06月22日

Posted by ブクログ

朝井さんのデビュー作だそうだ。
びっくりするのは、大阪近辺が舞台ではなく、江戸だったこと。
もうこの頃から、園芸がテーマになっていたのね。

向嶋の花師、新次が主人公。
妻のおりんと、「なづな屋」という植木屋を営んでいる。

新次は高い育種の力を持ち、大変な美丈夫だが、職人気質で客あしらいがよくない
おりんは元寺子屋のお師匠として自活してきた女性。
植物の専門家ではないけれど、あれこれとアイディアを提供して、小さな店は繁盛していく。

近所に住む職人の留吉とお袖夫婦、なずな屋の得意客である上総屋のご隠居六兵衛さんとその孫の辰之助、そして新次夫婦が預かっているしゅん吉が物語の「メンバー」である。
ちょっとにぎやかすぎる印象もあるけど、それぞれのキャラがはっきりしていて、楽しい。

かつて修行した植木商、霧島屋のお嬢さんにして、天才的な花師でもある理世との複雑な関係を軸に、なずな屋にさまざまな困難が降りかかっていく。
しっかり者のおりんの目から、人々の細やかな気持ちや交わりが描かれ、引き付けられる。
植木屋が舞台だから当然だが、四季の移り変わりの様子も印象深い。

そうか、この人はデビュー作から、もうこんな風に完成された作家だったんだな。

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2022年03月31日

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ネタバレ

染井の植木屋高橋家から独立して向島でなずな屋と言う花屋苗から育てている。染井吉野や紫式部などが出てくる

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2021年11月25日

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ネタバレ

向島なずな屋は、花師として品種改良や庭造りの確かな技を持つ新次と、おりんの夫婦が営む苗物屋。
花木の良さはもちろん、手習の師匠をしていたおりんが書き添えるお手入れ指南の添え書きが評判だ。

江戸一番の花師を選ぶ“花競べ”、新次の師匠の娘で優れた花師でもあった理世との再会、預かった少年との心の通い合い…と、さまざまな物語が語られる連作短編集。


朝井まかてさんの、これがデビュー作とのこと。
うーん、デビュー作とは思えない。
花師という仕事を通して描く江戸の風俗は、火事と喧嘩ではない、花々に彩られたガーデニングブーム。
ムラサキシキブやソメイヨシノの名付けにまつわる物語も興味深い。

親の勧める縁談を拒み自立しようとしたおりん、名家の娘ながら花師として成長しようとする理世など、個性的で自立しようとする女性の姿も、デビュー時から大切な視点だったんだなぁ、と。


新次と理世が、一夜限りと決めていたにしても、あっさり契りを結んでしまうエピソードが、ちと意外。
最近はそうでもないけれど、少し昔は時代小説とハリウッド映画には、必ず色っぽいシーンを入れなきゃいけない決まりでもあるのかと思っていた。
その時代のデビュー作品なのかな。

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2021年09月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2017/1/14
史実なの?だから火事で花魁は死んだの?
そういうの別にいいのに。
辰之助も花魁も幸せになりましたではダメか。
雀が偉くなってもお梅と結婚したらしいのはほっこりした。
その後があるとうれしいんだけど読後の印象が全部その後に持っていかれるのは良し悪しだなと思った。

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2017年01月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

妹からの譲受本で、このジャンルも作家さんも初めて。

私にとっては、新しいジャンルで、悪くはないけれど
どうもこの夫婦+理世さんの印象が強すぎるのと
終わりの方が、どんどん進みすぎてしまった感じがして
そこが残念でした。

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2014年12月04日

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