あらすじ
名門一家から駆け落ちした母が亡くなり、厳格な祖父に引き取られて不遇な少年時代を送った梅崎義久。大きな屋敷で唯一の味方だったのは、父親違いの兄・高久と書生の塩崎谷櫂だけだった。しかしある嵐の夜、兄は帰らぬひととなり、櫂も行方をくらませて……。兄を死に至らしめたのは、秘かに肉体関係を結んでいた櫂なのか?そんな櫂を、自分は愛してしまっていたのか―。10年後、義久は探し出した櫂を強引に抱き、問いかける。「あなたは兄を、俺を裏切ったのですか?」大正~昭和初期を舞台に、時を翔る思いを描いた本格的メロドラマBL、登場!
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Posted by ブクログ
昔からこの方の作品は大好きで、同人誌時代からの追いかけをしていたのに、コミックス情報をうっかり逃すところだった。裏切り、嘘などの感情が全て恋という愚かしくも美しい感情から派生するものだと知った二人に、
嵐ではなく凪ぎが訪れることを願いつつ‥。また大正~昭和初期好きさん、書生スタイル好きさん、インバネス大好きさんには猛烈にオススメしたい一冊。罪への許しがきちんと描かれた正統派BLではないかと。
Posted by ブクログ
とても好みの絵柄で、雰囲気もとてもいいと思います。
旧家の次男が昔姿を消した書生を10年後に探し当てるのですが、その書生は死んだ兄の恋人だったというお話。
10年前当時、兄の恋人に横恋慕いていた弟、ここまではいいんです。
兄の婚約を親に勝手に決められ、兄は書生と逃げようとしますが、結局は書生は逃げず、兄だけ遺体で海辺に打ち上げられました。
それを次男は書生が兄を殺したとなじるのですが、何故かそこらへんの記憶が薄れていてよく覚えていない。
覚えていないのに、何でこんななじられるのかよく分からないので、そこでまず「?」
元書生さんも何も云わない。
で、真実は兄が弟に駆け落ちの待ち合わせ場所を弟に伝えたのに、弟は書生には告げず。
弟の譫言で書生はそれを知っても、弟を好きになっていた書生は、敢えてそこに行かなかったのが真実。
此処で更に「?」
結局のところ、兄を殺した云々は兄と駆け落ちしなかった裏切り者の書生を次男が勝手に10年も恨んでいた(まあ、それは建前で好きなだけなんですが)だけという酷いオチでした。
書生が伝言を知ってしまった事を知らない弟は、その時点で自分は兄を殺した事になりますよね。
その責任転嫁なのかとも思うのですが、それも酷い話です。
で最後、誤解が解けて、二人は結ばれました。めでたし、めでたし。って、兄が可哀想なだけなのですけれど。
そう考えると何とも弟が身勝手なだけの話でした。
記憶がなくていいので、その分からない部分を知る為に10年間書生さんを探し続けていたってだけで「恨んでいる」ってのは無駄だった気もします。
あとキャラは好きなのですが、八重子さんは出てこなくても良かったような。
絵も雰囲気もいいので、話の根本さえどうにかなったらとても好きだったと思うと残念です。
Posted by ブクログ
お兄さんが不憫…。駆け落ち、裏切り、自殺とかならもっとドロドロしそうなものなのにあっさりし過ぎで拍子抜けだったな。ドロドロしてないのが良さなのかもしれないけど、メロドラマって言うならドロドロの愛憎劇を期待しちゃう