【感想・ネタバレ】明日の幸せを科学するのレビュー

あらすじ

ハーバード大学の超人気教授が、「脳のトラップ」に迫る! 「人間とは何か」という問いに少しでも興味があるなら読んでおくべき。――マルコム・グラッドウェル(『天才! 成功する人々の法則』) こんなに大切なテーマについて、こんなに楽しく学べることはめったにない。――ダニエル・カーネマン(ノーベル経済学賞受賞者、『ファスト&スロー』) どうすれば幸せになれるのか、自分がいちばんよくわかっているはず――。と思いきや、がんばって就職活動したのに仕事を辞めたくなったり、生涯の伴侶に選んだ人が嫌いになったり。なぜ私たちは未来の自分の幸せを正確に予測できないのだろう?その背景にある脳の錯覚や妄想について、ハーバード大学の人気教授が心理学や行動経済学、脳科学を駆使して楽しく解き明かす! 『幸せはいつもちょっと先にある』改題。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

良本です。幸せについて様々な実験を通してまとめてあります。

その中でもお気に入りは。

慣れについて

素晴らしい出来事は最初に起こった時が一番素晴らしく、

繰り返し起こるに連れて、薄れていってしまう。

我が子に「ママ」と呼ばれ、連れ合いの恋人に「愛してる」と言われてた

最初と最後のときを比べればわかるはずだ。

私たちは一つの経験をなんども体験すると、得られる喜びが

減っていってしまう。

これを心理学者は「馴化(慣れ)」と呼び、経済学者は「限界効用の逓減」と呼ぶが

我々一般人は「結婚」と呼ぶ。

この一節はとても面白かったです。直前の限界効用の逓減などは少し難しいですが、

結婚と聞いたときにわかりやすいなと思いました。

やはり慣れないためには、時間を置くことが大事だそうです。

参考になります。

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2020年02月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ハーバード大学の心理学者が、
心理学や行動経済学、社会学などを駆使して、
どうやったら、未来の幸せを的確に予測できるかについて、
多数の実験例を紹介しながら考えていく本です。

個人的に、序盤からもうアツいです。
なぜなら、最近、いつも頭の中で転がしている考えと
おなじ考えを著者が述べて始めたからです。

<人間はコントロールへの情熱を持ってこの世に生まれ、
持ったままこの世から去っていく。>
というわけで、常々ぼくも考えていることですが、
ひとは自分自身にしろ他者にしろ、
支配したい欲求にがんじがらめですよね。

<生まれてから去るまでのあいだにコントロールする能力を失うと、
みじめな気分になり、途方にくれ、絶望し、陰鬱になることがわかっている。>
自律性(自己コントロール性)が他律性にとってかわられると、
生きることに随伴している幸福感が消し去られてしまうんです。

また、他律性を発揮する人も、
そのコントロール性に幸福感や活き活きした感覚を得るようですが、
その他律性を取り上げられるとダメージを受けて生命力も衰えるとのこと。
ならば、はなから他律性については否定的にとらえて生きていた方がよい。
ぼくはそう考えていました。

と、まあ、ここまではさわりの部分であって、
その後、本書の論旨はここから離れ、
いかに人は錯覚し、今現在に引きずられ、
ものごとを合理化してしまうことについて、
語られていきます。
それらがあるために、
人は未来の幸せをちゃんと予測できないのです、と論証していく。

また、ちょっと寄り道になりますが、
こんな金言もありました。
<説明は、経験から感情の衝撃を奪ってしまう。
経験をさもありがちなことに見せ、それ以上考えるのをやめさせるからだ。>
論説書のほうが小説よりも多く読んでいる
---そしてたまに小説を書くという行為をする---
ぼくが自覚していないといけない点でした。

さあ、ここからはいきなりネタバレになってしまうのですが、
結論として、どうやったら一番、未来の幸せを予測できるのか、
その方法として、自分の未来について想像するよりか、
それを経験している他人の話を聞いたほうが、
断然、役に立つと結論づけています。
他者の経験をものにしろ、経験を盗め、ですね。

そういうわけで、コミュニケーションが大事なんだよ、
っていうところに修まってきます。
他人の話や経験談を聞くことなんですよね。
自分が経験できないことを教えてもらう。

大事になってくるのは、
ストレスの少ない、円滑なコミュニケーションの雰囲気作りですかねえ。
システムづくりといってもいいですが、
もっとふわんとしたものなんじゃないかなぁ。

人は、グループに溶け込みすぎないことを好むことも、
本書で述べられているところなのですが、
だからといって、孤独を好みすぎると、幸せを掴みづらくなりそうです。
まあ、ここでいう孤独は、完全に内に閉じちゃうことで、
ネットの中でも、他者の書いたものを読まないだとか、
ほんとうに遮断してしまう人のことをいいます。

本書を読み解いてみて、
そして、自分なりの観点をまじえると、
ひとりでいること、つまり他者との距離をとりつつも、
本だとかネットだとかが中心だとしたって、
他人の経験は役に立つんだろうね、
とそのように要点をとらえました。

例えると、競馬でですね、
厩舎のコメントやJRA-VANっていうソフトから得られるデータ
(京都競馬場の芝1200mはどの枠のどんな脚質の馬が有利)
を摂取して馬券を買うことって、
レースでどれが一着二着三着になるかという未来を、
他者の経験や事実から予測することです。
そういうのを信用したほうが、
個人的には的中率は上がるなと感じていますから、
本書の論旨も間違っていなそうだな、なんて
現実的に腑にも落ちました。
そんな理由かい、と思われそうですけども。

さてさて、
久しぶりに星を五つ満点でつけたい本でした。
おもしろかったですよー。

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2017年11月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

怪しいタイトルだけれども、実はキチンとした科学書。
幸せって難しいよねー、な一冊。

人が幸せをうまくつかめないのは、「慣れ」の問題だと僕は思っているけど
筆者はどちらかというと「予測」するから、ってのが一応の趣旨かな。

この「予測」が人は(自分が自分を特別だと思うために)うまくいかないんだけど、「他人だったらどう思うか?」だと意外と正確な答えを当てられたりする。
つまり残念ながら、アナタも私も特別ではない普通の人だということなんだな。
ただ、この部分が悪いというわけではなく、むしろそれは生きる上で「幸せ」になるコツのような気もする。

まぁこうまとめてしまうと強引だけど、人は人であるがゆえに「幸福」になれることもあれば「幸福」になれないこともあるというか。
「幸福」だって感情の一つなのであれば、そう感じる際の傾向を掴んで生きていきましょうね、という感じですね。

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2025年11月03日

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