あらすじ
〈永遠の戦士 エルリック〉第2巻。この世の彼方の海を旅する不思議な船でエルリックを待っていたのは、エレコーゼ、コルム、ホークムーンだった! ピカレイドの総督にメルニボネの間諜ではないかと疑われ、辺境の海岸へと追いつめられた流浪の皇子エルリック。もはやこれまでかと思われたとき、霧のなかから一隻の船が現われた。「われらとともに航海し、人類の敵と戦ってほしい」・・それがかれを、摩訶不思議な海に展開する異様な冒険へと連れだす始まりとなった……表題長篇『この世の彼方の海』ほか、「〈夢見る都〉」「神々の笑うとき」「歌う城砦」の3中篇を収録。
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Posted by ブクログ
エルリックサーガの二冊目。
メルニボネを後にして旅を続けるエルリックとストームブリンガーの冒険が描かれている。
このシリーズは異次元の平行世界でも同じような冒険が行われているという設定があるらしく、ここでその設定が初めて現れる。
ある国の海岸で今にも死にそうになっているエルリック(いつものことだが)の前に、船が現れる。その船には数人の戦士が乗っており、その戦士たちとともにエルリックは戦うことになる。その戦士たちの中に「お前にあったことがある」という戦士がいる。それが、平行世界の設定の一幕。
そうやって戦い続けるエルリックが、とうとうメルニボネに帰る時がやってくる。
それは彼にとって残酷で冷酷な現実をつきつけることになる。
そのワンシーンを読んで、「えっ!?」と声を上げてしまった。
詩的で想像力をかきたてる文章や読者をひきつける魅力があるシリーズ。
Posted by ブクログ
解説で詳しく説明されているが、この巻の最初に収録されてある「この世の彼方の海」はエターナルチャンピオンシリーズの設定を飲み込んでないと辛いかもしれない。
この話は読み飛ばしても結構なので、次の<夢見る都>をどうぞ。
Posted by ブクログ
文庫新刊コーナーにあったのでびっくり。再編成(編集?)本のようで昔より分厚くなってました。アンチヒーロー物として発想された小説。皇子だけどひ弱く、魔剣をもつときだけ元気。コルム・ホークムーン・エレコーゼとあわせてエターナルチャンピオンシリーズを構成し(キャラはエルリック、話はコルムが好きです。「紅衣の公子コルム」サーガを幾度読み返したことか)、大団円を読み終わった後、私はもうファンタジーを読めなくなってました。大団円後もエルリックサーガは英国で新刊が出つづけ、そのため今回の再編成本刊行になったようです。80年代日本のヒーローファンタジー物に多大な影響を与えてるとおもいます。