【感想・ネタバレ】〈世界史〉の哲学 現代篇1 フロイトからファシズムへのレビュー

あらすじ

今回われわれは、「近代篇」で見出した、西洋近代を成り立たせているメカニズムーーとりわけ「宗教としての資本主義」ーーの最終的な結果として、精神のエディプス的な構造がもたらされている、ということを示してきた。エディプス・コンプレックスの理論は、一九世紀近代を成り立たせてきた諸契機が結集することで生まれたものだ。この点を明らかにしたことには実は、さらなる狙いがある。この後、フロイトの理論に、とてつもなく大きな転回が生ずる。このことは、近代の後に、そして近代の延長線上に大きな断絶が現れることを示唆している。この断絶こそが「現代篇」の主題となる。(第1章より)

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Posted by ブクログ

綿密な調査のうえで著されているのは承知だが、いかんせん全体的に論述がとっ散らかってる感。
フロイトのモーゼへの妄念と個人史の分析は確かに頷く点が多いものの、少々飛躍している印象は否めない。
ニーチェの永劫回帰やカールシュミットの親ナチスの心理分析、イギリスの海洋進出、第三帝国やファシズム、ルーズベルト等を既存文献を参照に入念に記述しているが、さすがに手を伸ばしすぎ。
普遍性と特殊性という着地点もどこか観念的で抽象度が高くちょい残念。

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2024年05月07日

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