あらすじ
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たぶん、本を読んでも救われない。
けれど、耐えられるかもしれない。とは思う。
ブックディレクター幅 允孝、初めての雑文集。
ブックディレクターとして活躍中の著者が贈る、88冊のとっておきの本。いま読むべき小説、エッセイ、写真集、マンガなどなど。これまで雑誌に発表したものに新たな書き下ろしを加えた。ただの書評ではなく、ビジュアルも含めた新しい書評の在り方を探求する。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
奥まった通りにひっそりとある本屋さんに 勇気を出して訪ねてみた。馴染みのない本が並んでいるけれど どれも 美しい。1冊手に取って そっとページを捲っていたらいつのまにか 店主の幅さんがそばにいて ニコニコしながら「僕は本を読むのがすきです」と語っていた…そんな読後感。並んでいる88冊の本。どれも美しい。本の本は何冊か読んだけど 人柄が出るんだなぁと思った。わたしも 本を読むのが好きです。
Posted by ブクログ
本への愛情が、大切に思う気持ちがじわじわとこちら側にも伝わってくる。本の選書もさることながら、それを紹介する言葉のセレクトがたまらない。押しつけがましくなく、無闇に飾り立てているわけでもなく。やわらかいのに重みがある。滲み出てくる。
「本の遅効性」を私も信じたい。
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たぶん、本を読んでも救われない。
けれど、耐えられるかもしれない。とは思う。
(帯より)
Posted by ブクログ
情熱大陸でも取り上げられたことのある、「ブックディレクター」という聞きなれない仕事を生業とする幅 允孝さんの初の雑文集。幅さんが選ぶ88冊を紹介する、書評本なのですがそこは幅さん、普通のそれとはだいぶ変わった試みをこの本では仕掛けています。それは「本紹介のフォーマットがひとつとして同じでない」こと。
酒飲みが書いた本は酔っ払ったように文の塊が散らばって並べられ、発酵がテーマの漫画本はカビをまとって現れます。
88冊の本それぞれの良さをもっともよく伝えられるように考えられた紙面は、幅さんが手がける本棚とおなじく、極めて雄弁に本の魅力を伝えてくれます。
個人的には、「本の遅効性」という、鎌倉の名古書店「木犀堂」の店主とおなじような趣旨のことを序文で語っていて面白いと思いました。
吉田健一「酒肴酒」、柳田国男「毎日の言葉」などを読みたくなりました。
Posted by ブクログ
幅允孝はブックディレクター。本棚の本を選ぶ仕事をする人。城崎温泉の三木屋旅館の本棚を担当したとか。この前NHKで初めて実物を見た。予想通り、誠実そうな人であった。
最初に出てくるカート・ボネガットについての文章が良かった。
Posted by ブクログ
“本の遅効性”…心に残りました。
また、絵本を紹介しているページの、「よく読み聞かせによい絵本は何か聞かれるけれど、どんな本だっていい。自分の好きな本の登場人物と…子どもと一緒に心と体を動かしながら読めば、どんな本だって子どもにとっては最高の一冊になるはずだ」という考え、納得です!
幅さんは本当に本が大好きなんだな、ということがズンズンと伝わってくる素敵な一冊でした。(N)
Posted by ブクログ
写真集とか詩集とかはいつもノーマークだから興味深かった。電子書籍化しても彼のセレクトした本棚は観たいからリアル書店は幅さんにガンガン依頼して素敵な本屋を増やして欲しい。
Posted by ブクログ
ただ本を紹介したり、レビューするではなく、自身の体験やその本の背景にあった世の中や歴史も語りながら、88冊について愛を持って語られている。写真集にももっと触れたいと思った。「遅効の抽き出しを」、そういうことなのだ。