あらすじ
【電子特別版・カラー写真収録】赤穂・山科から本所・泉岳寺への旅で、大石内蔵助の心が乗り移った。隅田川ぞいの両国から柳橋へそぞろ歩けば、踊りの稽古に通った思い出とともに、「瞼の母」や「三人吉三」の台詞がすらすらと口をついて出る――。骨の髄まで役者魂の染みこんだ(五世)勘九郎が、初舞台から続けた“芸の旅”を締めくくる、行ってびっくり、演って納得の芝居ゆかりの旅エッセイ。電子化にあたり、収録写真を再編集。カラー写真も収録の豪華版!
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Posted by ブクログ
芝居のゆかりの地をめぐってるんだけど、
この場所でこの場面で・・って台詞入りです。
見たことある演目だと場面が浮かんじゃう(笑)
また勘九郎さん語り口調で文章書いてあるから面白いんだよ。
ほんと、人をひきつける人ですね。
Posted by ブクログ
百聞は一見にしかず。
勘九郎が歌舞伎の舞台となった土地を巡り歩き、
気付いたこと感じたことを語る。
文章は、勘九郎独特の喋り言葉そのままです。
六代目のこと、“親父”のこと、辰之助のお兄さんとの思い出、
八十助さんとのエピソードなど楽屋話も披露。
歌舞伎ファンは一層楽しめるのでしょう。
勘九郎の属性は“陽”。
楽しく周りも明るくさせる人柄です。
骨の折れる仕事も楽々とこなしたように見えてしまいます。
大変結構な人柄なのに、“有り難味がない”。
勘三郎襲名するなら、有り難味を醸したいところでしょう。
だからってしかめっ面した日にゃ、何怒ってんだいなんて文句まで云われる始末。
こぶ平は裏を表にひっくり返して今までの魅力まで無くしちまいました。
勘九郎は、勘久郎を肯定しました。
親父のようにはなれないかわりに、自分の勘三郎像を目指したんでしょう。
今までの経験がきっと何かの役に立つだろうと云っています。
本書は、平成11年に刊行され、勘三郎襲名直前、平成17年の再販です。
“芸の旅”を“新しい勘三郎”を咲かす“肥し“だったと回顧する勘九郎さん。
現世 十八代目 中村 勘三郎 のネタが詰まった一冊です。