あらすじ
お見合いパーティ、ネット型婚活サービス、結婚相談所……。花盛りの婚活マーケット、多くの異性との「出会い」の裏で、密かに疲弊する人が急増しています。
手軽に出会い、手軽に断り断られる――そんな「擬似恋愛」と「擬似失恋」の繰り返しの中で、「日が経つごとに条件を下げざるを得ない葛藤」や、「以前『お断り』した相手がよく思えてくる未練」、「理由も告げられずに『お断り』される不快さ」など、さまざまな要因がじわじわ心を傷つけていくのです。
心の疲弊は、重度なものになるとうつ病や不安症を発症することも多く、これらの症状は「婚活疲労症候群」と名づけられています。
本書では、婚活を展開しつつ自らも疲弊、「いったん中断」という結論にいたった著者が、2010年秋に東京でオープンしたメンタルクリニックの「婚活疲労外来」担当医師の小野博行医師の協力を得て、来院者や婚活ブログの開設者などに取材。さまざまなかたちでの「婚活疲労」の症例を紹介し、その原因を探ります。
さらに後半ではそれらの症例と医師のアドバイスから「婚活で必要以上に疲弊しないための注意点」さらに「もし『婚活疲労』してしまったときの脱却法」も紹介。
婚活予定、婚活中の人はもちろん、その両親・兄弟など当事者をフォローする人たちにも是非呼んでほしいルポルタージュ。
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Posted by ブクログ
婚活からくる精神病、確かにあるなって思った。
でも婚活をこんな側面から見たことがなかったから凄く面白かった。
女性は回避性が多いらしいけど自分も多分そう。傷つきたくない!
Posted by ブクログ
婚活疲労症候群なる病があり、そのうえ婚活疲労外来という診療科があることにびっくりした。(2009年11月 東京都の河本メンタルクリニックが第一号)
婚活が隆盛を極める現代、婚活に躓き病を患う人が多いんだろうな。
P28) 婚活相手の条件をPC検索する際、 数字は時に残酷だ。
年収499万円あたりにどれほどいい人柄の人間がいても、500万円以上で検索すると彼らは弾かれる。
同様に39歳と40歳。年の差は1歳だが30代と40代で大きく印象が変わる。
昔の仲人さんが請け負っていた結婚相談所は、人柄もよく知って選んでくれていたようだから、良し悪しかな。限りなく上下を下げて妥協(良い言い方ではないが)することが巡り会える人の範囲を広げるキーになる。
P62) 就活と婚活は似て非なるもの。
就活は職場で活躍できる能力の有無を評価される。
しかし婚活は更にスケールが広く、容姿や性格、健康度、能力、学歴、年収、社会的地位、肉親、結婚後の生活形態などあらゆる角度から分析し評価されるからである。
これには頭を抱えたくなる。
婚活に勤しむ方々は皆、とんでもなくシビアな場で戦っているのだな。ひゃー、 こりゃ大変だ。
学歴も大したことなく、ましてや役職もない、万年平社員バンザーイ!というお気楽主義は自分など会って話してソッコーごめんなさい!!の門前払いを喰らいそうだ。。。
もはやそこに、純粋な「好き」という感情が介入できる隙間はあるのか。
個人的な主観であるが、こういう場において女性の方が評価する目は鋭そうだ。カッコイイけど年収低いとか、経済的に安定しているが人柄に一癖ありそう、だとか。笑顔の裏で目まぐるしく働く心理戦。まぁ人間無くて七癖やもんで、癖のない人っていないと思いますケレドモ。自分も然り。生きてくって大変。人の世はなんて悲劇。
あたしゃ怖いよォ〜。
P67)男性に多いうつ、女性に多い不安障害。
男性→正面から体当して玉砕することが多く、気分を滅入らせて鬱病を発症する。
一方女性は傷つくことを回避しようとする傾向が強い。断られることへの不安や恐れが大きいために、先方から断られる前に断ってしまうとのこと。
確かに、振るより振られる方が精神的ダメージが多いもんなぁ。
P81) 婚活疲労する多くが基本的にコミュニケーションを苦手とする人だが、中でも神経質な人は疑心暗鬼になりやすく真面目な人と共にうつにならやすい。
相手に対する要求の多い人も、自ら断ることが多いため行き詰まりやすく、うつや不安の増大を引き起こしがちだという。
最後に、婚活疲労症候群は婚活が上手く行けば改善される、という文には当たり前過ぎて笑ってしまった。
そうそうその通り!!
だがなぁ、上手くいくのが難しいンダヨな、オイ!
ただ、初対面で終わっていたデートが二回目まで続くようになったとか、一方的な申し込み続きだったが向こうからデートの打診が来たなどの小さな成功体験を積むことも、病を改善することに有効という。
自己肯定感を高め、自信を持つことは婚活疲労だけでなく、それを乗り越えた先の人生においても非常に大きな役目を果たすと思う!
以上、大変面白いお話だった!
Posted by ブクログ
今は「婚活疲労外来」という所もできて、それだけ婚活からくる鬱や精神的な病気の人が増えている証拠だと思うが、症例として無事結婚に至れば病気は治るケースも多く、決して婚活が悪いわけではないけれど、婚活をする過程において、相手に断わられたからと言って極度に落ち込むことのないように心がけたり、同じ婚活をしている仲間と連絡を取り合ったりすることがよいということが分かった。
また、婚活をするうえで自分が幸せな結果を勝ち取るのはもっともだけど、相手があってのことなので、返事1つとっても失礼のないように、また理想ばかり掲げ相手を見るのではなく、自分はその理想の相手にふさわしい人間なのかを常に考え、多くの人との出会いの中のわずかなチャンスを無駄にすることのないよう心掛けていきたいと思いました。