あらすじ
ある日「永劫回帰」の思想がニーチェを襲う。この着想をもとに一気呵成に書き上げられた『ツァラトゥストラはこう語った』は、二〇世紀の文学者・哲学者の多くを惹きつけ、現代思想に大きな影響を与えた。文学の伝統的手法を駆使しつつも、ときにそれを逆手にとり、文体の実験までも行うニーチェ。一見、用意周到な筋立てや人物造形とは無縁と思われるこの物語は何を目論んでいるのか。稀代の奇書に迫る。
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Posted by ブクログ
高校の頃と大学の最初に、何の基本も知らずに読んでいたものをより深く理解するために。いくつもの全く思いもしなかったことと、あぁ自分の読み方は正しかったんだということがあり、悪くない読書だった。あの頃にどう読んでいたのか、つまびらかには思い出せないけれど、強烈に覚えていることもある。『超人思想』と「これって聖書のパロディなのかな?」ってことだ。あとは、読みながらほのかに覚えていたことをぽろぽろと思い出した。
半端な読みにも関わらず、俺が最初に読んだ頃から超人思想やいくつもの言葉に引き摺られて生きてきたのは、俺の影響されやすさだけの問題ではない。今の俺の志、考え方、行動に明らかに直結しているのだから。それだけ、ニーチェの言う『血で書かれた文章』の力は燃えている。
俺の教養不足だけでなく、この時代に生まれた凡人にはこのような地図が必要だと思う。執筆以前の必須教養とその時代にされていた思考や思想、それらを確かに掌握していなければニーチェの意図にはたどり着けない。その時の思想や本まで書いてくれているこの本は、その意味でも大きな仕事だと思う。そして以前から興味のあったゾロアスター教についての本や、ダンテの『神曲』を改めて読む気にさせてくれたという点でも、俺にとっては良かった。ツァラトゥストラ自体を読んでから、また読んでみようと思う。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
ある日「永劫回帰」の思想がニーチェを襲う。
この着想をもとに一気呵成に書き上げられた『ツァラトゥストラはこう語った』は、二〇世紀の文学者・哲学者の多くを惹きつけ、現代思想に大きな影響を与えた。
文学の伝統的手法を駆使しつつも、ときにそれを逆手にとり、文体の実験までも行うニーチェ。
一見、用意周到な筋立てや人物造形とは無縁と思われるこの物語は何を目論んでいるのか。
稀代の奇書に迫る。
[ 目次 ]
第1部 ニーチェのスタイル(世界を読み解く技法 舞踏する精神)
第2部 『ツァラトゥストラはこう語った』を読む(思想とパロディ-序説 賢者からソフィストへ-第一部 分身たち-第二部 ツァラトゥストラの帰郷-第三部 高等な人間たち-第四部)
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