あらすじ
ホームレスの老女が殺され燃やされる、という事件が起こる。犯人の草鹿秀郎は18年引きこもり生活を送り、父親も刺し殺したと自供した。男の人生に、いったい何があったのか。さらに事件を追う刑事、奥貫綾乃は「私もこんなふうに死ぬのかもしれない」と殺された老女に自分の未来を重ね――。『ロスト・ケア』『絶叫』の著者が送る、社会の歪を描いた傑作長編。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白かった、すごく引き込まれた!私は社会派ミステリーが好きなんだなーと気がついた。
所謂氷河期世代を生きた人々の苦悩が描かれた物語。中学時代はヤンキーが流行って、オタクが好きってだけで犯罪者扱いだったり嫌われてカースト最底辺にされて、大学受験は団塊世代で熾烈な戦い、バブルが弾けて就活、、、就職できてもあの頃はハラスメントなんて言葉なくブラック企業だらけで、、、鬱病に対する理解も全く無いし、苦しい世代だなってしみじみ感じた。
引きこもり視点、両親視点、刑事視点、母親視点、子供視点、、、様々な人生や思いが書かれていて、みんな苦しんでいて、、、
読み終わった後の満足感すごい!
Posted by ブクログ
生まれた時代が違えば、出会った人たちが違えば、周りの環境が違えば、こんなことにはならなかったと思えて仕方ない話だった。
ヤンキーに絡まれて、好きな子から気持ち悪いと言われ、それが草鹿の自尊心を失わせるきっかけとなり、就職氷河期のせいで苦労した挙句ブラック企業に入社して。
同期が続々辞める中なぜか2年間も頑張ることができたけど結局シゴデキ新人に優しくされたことで惨めになり辞めてしまうという、
うわーーリアル、激ヤバ上司になじられるのは耐えられたのに、シゴデキに優しくされるのは無理って。
ノルマ達成できない自分が親切にされるなんてバカにされてるんだ、という思考がもう心病んでるのよ。
その後バイトを転々として、引きこもりに。
善良な両親に育てられて、勉強もできた草鹿にとって、ふつうに趣味を満喫して、両親を安心させてあげられる仕事をして、恋愛して、結婚してという未来は決して遠くなかったはず。
すべてが少しずつ噛み合わなくてこの未来になってしまったのが切ない。