【感想・ネタバレ】わるいやつらのレビュー

あらすじ

闘う弁護士・宇都宮健児。彼は1970年代から、サラ金・ヤミ金・貧困問題の最前線で社会悪と対峙してきた。そして、脅しや嫌がらせに屈することなく、これまでに6万社を超える悪質業者を告発している。その闘いは今も継続中だ。本書では、振り込め詐欺等の新型詐欺、債務整理を名目に返済金を横領する悪質弁護士、いわゆる貧困ビジネスなど、弱者をターゲットにした現代の「わるいやつら」の手口や実態を、第一人者が具体的に解説。加えて、その背景にある政治の無策を鋭く告発する。“騙されない”ための、必携の一冊!【目次】序章 私は、なぜ「わるいやつら」と闘うのか/第一章 サラ金からヤミ金まで/第二章 新型詐欺のバリエーション/第三章 整理屋と提携弁護士/第四章 跋扈する貧困ビジネス/第五章 「わるいやつら」を生み出す「わるい政治」/おわりに

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Posted by ブクログ

詐欺と戦い続ける著者の戦記。いわゆる黒い企業や人と、果敢に戦ってきた戦績は、素晴らしいものだと思う。実際に都知事選にまで出馬して、徹底的にわるいやつらを排除しようとした姿勢にも好感が持てる。都知事選で戦った相手がああだったとは、何とも皮肉な話だけど。

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2014年05月28日

Posted by ブクログ

サラ金からヤミ金まで
新型詐欺のバリエーション
整理屋と提携弁護士
跋扈する貧困ビジネス
。。。と、闘う弁護士が、実態・手口を暴く!

ということで、著者のそもそもの生い立ちから始まって、豊田商事事件など実際に関わった実例に基づく非常にわかりやすいお話でした。

ただ、(以下本文より)
消費者金融問題や悪徳商法に関するシンポジウムや講演会に招かれてお話をすることがありますが、こうした講演会やシンポジウムを聞きにくる人は、もともと意識が高い人たちですから、あまり被害に遭いません。そういうところに来ない、または来られない人たちをケアしなければならないのです。

ってことで、結論は、警察はもっとしっつかりせにゃならん、ということと政治を変えるしかないってことのようです。

これまで、著者についてどこかで名前を聞いたことがあるという程度の認識しかありませんでしたが、読後改めて調べてみると、ずいぶんな経歴で尊敬したくなるほどの、まさに闘う弁護士さんでした。そういえば、東京都知事選にも出てたなぁ・・・って残念でした。

(2013/12/15)

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2013年12月18日

Posted by ブクログ

著者の宇都宮健児氏を初めてお見かけしたのは、NHKのドキュメンタリー番組だった。
当時高校生だった私は、悪人たちと戦う宇都宮氏に大変感動し、弁護士を目指そうかと、熱を持ったこともあった。

最近新聞広告で、氏の新刊が出ていることを知って、急いで書店に行った次第です。

本書には、氏が弁護士を志した理由から、今まで戦って来た戦歴がツラツラと書かれていて、高校生時代に持ったあの熱が蘇って来たようでした。

本書の中で、印象深かったのは、悪質商法についての見解。
わかりやすいところだと、オレオレ詐欺の類だろうか。

「『悪質商法にころっと騙されるなんて、欲をかくからだ』という世間的な見方がありますが、そうではありません。悪質商法の被害者の多くは、ある程度の資産を持っているお年寄りで、その資産を狙われるのですが、それは余剰の資産ではなく、多くは老後の資金など最後の蓄えです。それをむしり取られたために生活保護を受けなければならなくなったり、自殺に追い込まれた被害者もいます。」(p.31)

私自身も、詐欺に引っかかる人は、欲の皮の突っ張った人だとばかり思い込んでいましたが、違うのですね。

ある日突然、詐欺に遭い、明日の希望が持てなくなる。
そんな理不尽なことがあっていいのでしょうか。

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2013年10月06日

Posted by ブクログ

サラ金・ヤミ金問題などはある程度知っていたことなので特に目新しい内容はなかったが、これらを含め問題の根源は憲法や法律の枠内を行使出来ない人たちが世の中にたくさんいるということ。欧米に比べて生活保護費の申請や労組の作り方など社会的権利を行使することへの意識が日本全体として非常に低いこと、これは原発の問題も含め日本が抱える問題に共通する部分だろう。

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2018年02月24日

Posted by ブクログ

宇都宮健児氏が弁護士を志した理由、サラ金問題に取り組んだ理由。決して強烈な使命感からだったものではない。なかなかに意外である。しかしその後は貧困に対する問題に取り組み、法制度の改善などに成果を上げてきたことが描かれる。が。いつしか「わるいやつら」は、ヤミ金・暴力団といった連中から、弁護士、政治家にシフトしていくではないか。あるいは複雑な(というか、わかりにくくした)関係による犯罪集団に。
わるいやつらとは交渉するな、告訴・告発だ、とはいうものの、前日読んだ裁判所の本がまた憂鬱でもある。政治家になろうと思っても供託金が必要だったりと、憲法に反しているのではないか、と。一方世の中には、政治家に資格試験をもうけろ、というタカ派の作家もいたりする。供託金は売名制度への抵抗策だとはいうけれど、実は左翼の出馬抑制のためだった、とか。わるいやつらをなんとかしようと思ったら、ここにも手を付けないとね。すると告訴・告発か。ループする。著者は理念はあとでいいから具体的にという。むう。

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2014年03月12日

Posted by ブクログ

弁護士を志した経緯と,弁護士としての貧困ビジネスとの対決。あふれる正義感には少し辟易するが,詐欺手法の変遷を眺めるには良い。サラ金や悪徳商法から,振り込め詐欺などの特殊詐欺,生活保護の搾取や水際作戦まで。
世の中にはわるいやつと弱者がいて,わるいやつは悪い政治が生み出すのだ,けしからん!と張り切るばかりではあまり大きく改善しないんじゃないかと思うけど。

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2013年11月28日

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