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Posted by ブクログ
現在、膨大な量のデータが手に入るけど予測精度が上がったものとそうでもないものがある。野球、天気、巨大地震、経済などの予測をネタにして、シグナルとノイズ、不確実性をもたらすもの、間違った予測に流れてしまうバイアスを説明している。データ分析と行動経済学を混ぜ合わせた感じの本。面白かった。
世の中を二分論で見るのではなく確率的に見る、という考え方を意識的に身につけたい。
Posted by ブクログ
2012年の大統領選において全米各州の結果をあてて日本でも話題になった538(five-thirty-eight)の主催者であるネイト・シルバーが語る「データを用いた予測」の方法論。
こう書くと、なにやらすごい定理や発見が書いてあるのか、と思いきや本書はそういった類の本ではなく、考え方やそもそもどういったルートを経て今のような考え方にいたったのかということを丁寧に記している(きっかけはもはや古典になってしまったセイバーメトリクスなわけだが)。なので、最初に本書を開いた僕のように「アカデミックな」アプローチがこれでもか・・・と書いてあることを期待した層にはちょっと期待外れかもしれない。
では、僕が本書を楽しめなかったというとそんなことはなくて、凡百の「ビッグデータ本」なんかなくても、これ一冊があれば十分なんじゃないか・・と思うぐらいこの本は気にいった。結局この本が言っているのはデータの中で「ノイズ」と「シグナル」を正しく選別し、そのストーリーを考えましょう、ということにほかならない。結局これが出来ずに本書で言うところの「特性適合」に陥ってしまっている例と言うのはかなり多い。
ノイズとシグナルをどう読み分けるかという、その根っこのところはあまり深く書いてないし(そこがまさしく著者の競争力の源泉だから仕方ない。もしかしたら言語化できないかもしれないし)、この一冊を読んだからと言ってベイズ統計学が出来るようになるわけではないのだが、少なくともこういう内容が広まれば予測するとはどういうことか・・・というのがもっと落ち着いて議論できるようになるのではないだろうか。