【感想・ネタバレ】星の古記録のレビュー

あらすじ

東西の古い文献には日食・星食・流星・彗星などの数多くの天文記録が載せられている.今日,複雑な天文学的計算によって当時の状況を再現してみると,それらの記述が正確であるかどうかがわかる.著者は数々の記録の一つ一つを計算で確かめ,そのなかから興味深い話題を選びだし,昔の人たちが見た星空の世界へ読者を誘う.

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Posted by ブクログ

数千万年前の光が地球に届く星の世界。物理的に計算が可能なのでいつの世にどのあたりで観測されるかは、計算できる。
本書は日本書紀であったり中国、ヨーロッパの天体観測の記録を実際の計算と照合する。
古代エジプトの頃から占星術など天体は人類に身近な存在。日食、水星、超新星の爆発など。
古代の人も現代人も精度はあるものの同じ星空を眺めている。
天文学の世界の浪漫を知らせてくれる好著。

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2026年08月14日

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世界の古文書や史書に書かれた天文記録を、現代の天文学に基づいて検証する。
その他、日食月食観測についての歩みを述べる。

古来、治世を占うために天体観測されてきたことがおもしろい。そのために都合よく書きかえられたり、捏造されたのであろうことが人間臭くて、実にいい。
明治時代、日本政府がまだ天文観測に関心が無かった頃、海外からやってきた天文学者たちがヤッサモッサしながら観測所をしつらえる章もおもしろかったなー。

最初から最後まで、ずーっとわくわくしながら読んだ。
天文好きには必読の書かも!

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2026年03月30日

Posted by ブクログ

私には理解が及ばない内容がほとんどではあったのだが、筆者の知識と教養の深さには敬意を払わざるを得ない。真の知性と熱意がなければ書けない一冊だ。
筆者は1913年生まれ。戦争と無縁だったはずがない。
彼が愚かな戦争に命を取られることなく、この本を書き上げるまで生きたことに感謝せねばならない。一方で、永遠に失われ、われわれの前に顕在することのなかった「著作」たちに思いを馳せることもまた必要だ。
憲法9条がなぜ重要なのか、改めて考えさせてくれる一冊。

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2026年03月15日

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Xで見かけて購入したはいいものの、結構前の新書でしかも科学系…大丈夫かなと身構えてしまっていた。
だけど、一章を読んだ時点で、そこまで科学っぽくなかったので一安心。

古記録を扱うからか、歴史的知識が多い。天文学、宇宙科学ではあるが、歴史の知識、特に日本史があった方がもっとわかりやすいかも。天文学じゃなくて考古学だ。
文系の私には読みやすく、天変をめぐる各国の記録、動きもとても面白かった。
個人的には日中での星の名前がカッコ良すぎる。あと「合」と「犯」とか「客星」とか。
2035年楽しみですね!

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2026年08月30日

Posted by ブクログ

昨日、書店でこの本が並んでいるのを見てびっくり!久しぶりに家の本棚から引っ張り出して再読した。

古代から人々が文献に記録してきた日食やほうき星が実在したかどうかを計算で確かめた本。藤原定家が『明月記』に記載した超新星爆発の出現例を洗い出し、各国の文献に残された記録との比較考察を行っている。初版から40年以上たつが、その他の内容も非常に面白い。

著者は元東大天文台の教授。定年後に『古天文学』を提唱し、パソコンを使って古今東西の文献に記録された天文現象の真偽を確かめていった。
本書の初版は1982年10月20日。2003年には著者も亡くなり4刷以降絶版だったらしい。ところが昨年11月、Xの投稿がきっかけで注目を集め、12月に再販。その後重版もかかって現在では7刷6万部を超えたそうだ。何が幸いするかわからない。でも再販した岩波書店、偉い!

古い本だが、やはり時空を超えて真実を追いかける学問の面白さそのものが支持を得たのだと思う。

【余談】
☆は4つ。内容からしたら(星の本だからね)5つあげたい所だが、とにかく徹頭徹尾“硬い”のだ(笑)。前書きも後書きも無ければ解説すら無い。「昔の理系の人が書いた本って、こうだったよなぁ」としみじみ思う(文系の偏見か?)

…ちなみにお値段。1012円。
私が買った時は税込580円だった!
高くなったなぁ…。

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2026年04月22日

Posted by ブクログ

現代の数理天文学を用いれば、日月惑星などの位置または運行の状態は、古代にさかのぼって推算することができる。これを古天文学と筆者は名付け、日本と中国の古典書物を中心に、天文関連の記述の正誤を確かめていく。正しいものを見つければ、当時の人々が星を眺めてその運行に一喜一憂したであろうことを想像する。でも、明らかにでっちあげたと思われるものもある。『漢書』によると、紀元前200年頃に五惑星が集合したとする記載があるが、筆者の計算によるとそれはあり得ない。『「どうせ後世になったらわかるものか」と高をくくって』などと書いて、その事実を指摘していて面白い。漢の時代の執筆者も、2000年の時を超えてでっちあげを指摘されるだなんて、思っていなかっただろうに。
本書の後半では古天文学というよりは、過去の天文現象の紹介や、それを記録した人々の奔走した様子が記されている。今ほど交通網が発達しておらず、天文に関する知識も乏しい時代、それこそ人生をかけて理論を構築しそれを証明するために世界規模で天体の移り変わりを記録していく。そんな先人たちの蓄積があって、その延長線上に本書があるんだなとしみじみ思うなどする。

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2026年06月26日

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ネタバレ

大昔の人たちが見た星空を一緒に見るための本。

何百年も昔となると肉眼で見るしかなかったわけだけど、意外と正確なデータが揃ってるなぁと感嘆した。まぁいいように使われたり書き換えられた例もあるにはあるが!笑 この本は初版が1982年...この時には既に情報の正誤が出せる技術が発展していたわけだ。技術革新がすごすぎる。今どこまで進んでいて、どこまで分かるようになるんだろう。

金星の動き一つに世界中の関係者が注目する。杞憂が天が崩れることを心配した取り越し苦労に由来することも知らなかった。いつの時代も遥か遠くにある星空に想いを馳せていたんだなと思うと優しい気持ちになる。

次回の天体ショー(予想)は2031年のしし座流星群。2035年には日食、2062年にはハレー彗星の接近。初めて長生きしたいと思った瞬間だった。

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2026年04月05日

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◼️ 斉藤国治「星の古記録」

古代から近代までの星の記録を、現代の計算で検証する。エピソード満載で楽しすぎる。

30年以上前の本だけど今注目されてるみたい、との情報を得て本屋に行くと、話題の本、的に前面に展示されていた。ほー、まずは読んでみようと。

日本書紀の星食、月が星を覆い隠す現象、の記録から入って、次は日食の記録、惑星同士の接近・合犯などを著者自身も行っているらしい現代の計算で検証していく。惑星、月、太陽の動きは一定の条件は付くがほぼ特定できるからだ。

藤原定家がものした「明月記」(12世紀)に聞き書きとして、かに座の新星爆発の記事があるのは有名な話。中華の記録と比較したり、ものによってはヨーロッパなどの記録と照合したりして、事実か否かを探っていく。

日本ではかなり早くから天文官がおり、緻密な観測を行い、記録を残していることが分かっている。1つ1つをひも解いていかれるエピソードを読むのが楽しい。私は奈良・安倍文殊院で安倍晴明が天文観測をしたと伝わる展望台を見たことがあるけども、飛鳥時代の記録もあるからそこはロマンだなと。

また、この千数百年の間には、超新星爆発があり、隕石がいくつも畿内に落ちた記録があり、ハレー彗星への言及、南極老人星=カノープスが見えた記録にまで踏み込む。天文学的価値が少し見えた感じがしてなるほど、と思ったりした。

おもしろかったのは、おおいぬ座の一等星シリウスに関して。紀元前700年のバビロンでは「銅のように輝く」と書かれ、古代ローマ時代には「この犬星の赤味たるや、火星よりもずっと濃い」などと表現されている。大昔、シリウスは赤かった?というのを検証している。いまはもちろん安定した青白色だ。なぜ?なかなか楽しい。

終盤は明治初期の話。金星の太陽面通過の観測結果により地球と太陽の間の正しい距離が導き出せるのではないか、というアイディアをハレー彗星のエドモンド・ハレーさんが思いついた。世界の天文学者は一斉に注目した。が、何しろ金星、古代の言い方では太白、の太陽面通過は1回起きるとその8年後にもう1回、そこからは100年以上のブランクが空くチョー希少な現象で、ついにハレー自身は巡り会わなかった。

そして1874年、ついにこの天文現象が出来した。どの地域でちゃんとお昼に、どれくらい見えるかは限定されていて、しかも世界のできるだけ離れた地点で複数の観測を行ったほうが良い。有力な国は世界中に観測隊を派遣した。明治7年の日本にも、外国の観測隊が複数到着した。おおむねトラブルはなかったようだが、明治維新間もない日本での大騒動の、その顛末がおもしろい。もちろん観測の詳しい記述もある。

もう一つは皆既日食の、やはり海外の派遣隊のエピソードで、明治20年、すでに太陽コロナの写真が撮られる時代であり、興味深い。

歳星は木星で名前の由来が十二支につながっていたり、三星合は天下の大乱、3つの惑星が接近すると大乱が起きる、とか、「熒惑守心(けいわくしゅしん)」、熒惑つまり火星がさそり座のアンタレス付近に留まると王が死ぬ、などの大凶兆であることなどなかなか言葉を調べて出てくる知識もおもしろい。土星は填星(てんせい)、水星は辰星。

私が生きている間に、ダイナミックな天文現象があってほしいな、いやきっとある、と思える。微笑。ベテルギウス爆発?なんて。

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2026年01月14日

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ネタバレ

" 氐宿(引用注:ていしゅく)はむかし天球上の秋分点があったところで、太陽が氐宿に入ると昼夜の長さは等しくなる(これが西洋でてんびん座と呼ばれる名のおこりである)。太陽が秋分点を通過する前後で昼夜の長さは逆転する。だから、この星宿はむかしから西洋占星術でも東洋陰陽道でも重要視されていた。(ここで一言注記しておくと、現在の秋分点はてんびん座の西どなりのおとめ座に移っている。これは歳差、つまり地球自転軸の首ふり現象のためにそうなったのである。)" p.56

" 日本で年月日の確かな流星記事の初出はつぎのものである。
 舒明天皇九年二月二十三日戊寅(六三七年三月二四日)、大いなる星東より西に流る。すなわち音ありて雷に似たり。時の人いう「流星の音なり」と。またいわく「土雷(引用注:つちいかずち)なり」と。ここにおいて僧旻(引用注:みん)法師いわく「流星にあらず。こは天狗なり。その吠ゆる声雷に似たるのみ」と。(『日本書紀』巻二三)" p.101

" 木星はほぼ一二年をもって天球を一周するので、中国では古来、歳をかぞえるのに利用されていた。そのために歳星の名が生まれたのである。また歳星の一二年周期に起因して十二支のサイクルが生まれたのだが、上文で「単閼(引用注:たんあつ)の歳」とはそのサイクルの第二番目の年の意である。" p.147


天体観測に関する故事を紹介する内容である。伝説や神話の類ではなく、現在から確認できる過去の記録として故事を扱っている。
古代、天文は政変を占うものであり、観測者にとっては命がけのことであった。日本でも古くは七世紀の記録があり、日本の黎明期には諸説あるようだが、為政者が命じて記録を残しているからにはそれなりに威勢をふるった確固たる権力が存在したのであろう。
明治期の日本に西欧が天体観測の協力を求めており、それに応じるために上野から白河までの鉄道を突貫工事したとか。このとき写真撮影も行われたが感光方式は湿式で、となれば『乙嫁語り』と同時代ということになる。近代は本当に時間の流れが早い。いろいろなことが同時に進行している。

素人が雑学的に楽しむには詳細に入りすぎ、また導入説明に欠けるが、これは読み手の問題。興味のないところを読み飛ばしてもロマンあふれる読み物であった。

土雷は『孔雀王』で知った概念で、黄泉の国で腐敗したイザナミに宿っていたことは調べて知っていたが、なにを象徴するものなのか知らずに来た。隕石の飛来する音に由来するものらしい。天狗も同様であるようだ。

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2025年12月07日

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続日本紀等を読んで謎に思ったことが、日食の記述の多さ、毎年起こっていたのではないかという量に「まさか」と疑いを持っていたのですが、暦の交替と予測の違いをまんま記事にしてたんですね。なるほど。

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2019年12月10日

Posted by ブクログ

内容が古いのは仕方ないとして、
この手の本はほかにあまり知らないので面白かったですね。
もう少し図が多いと良かったのですが、
まぁ、新書ですし、それも仕方がないのでしょう。
最近では国立天文台の相馬さんや谷川さんが
この手の研究を進められているようですから、
ぜひとも新しい見解に沿った本を出してほしいと思います。

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2012年06月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

新聞での紹介本。古い文書で残された星の記録を現代の科学で確認する。中国や日本で星の記録があったが、西欧ではあまりないというのは星と政治との関わりに関係あるのかもしれないということを考えさせる本である。最後はコロナ観察での明治時代で終わっている。

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2026年04月30日

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「読み物」としてはちょっと難しい。淡々と事実を述べていく雰囲気は、ちょうど教科書のようだ。天文観測の専門用語がどんどん出てくる。人物も、私でさえ知っている歴史上の有名な人から、そんな人がいたんだぁという無名の人までたくさん登場する。
今回はほとんどナナメ読みだった。
本当はメモをとり、自分で調べて図や表を見ながら読みたい本だ。

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2026年01月19日

Posted by ブクログ

重版を機に購入。
アジアを中心に、史料中の天体に関する記述を読み解いていく「古天文学」についての一冊。

日本史と絡めた内容が興味深い。日本では、現代の趣味とは異なった、政治的意図を持った天体観測が飛鳥の時代から行われていることが分かった。

特に楽しく読めたのは第11章。日食撮影にかける学者たちの奮闘振りからは、天体に惹かれる人々の、今も昔も変わらない姿を垣間見ることが出来た。

次の日食は2035年とのこと。また読み直して、天体に情熱を燃やす古代の人々に想いを馳せてみたい。

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2025年12月15日

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