【感想・ネタバレ】楼蘭のレビュー

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Posted by ブクログ 2015年12月08日

四半世紀ぶりに取りて読む。中学生のときは李陵と比べて格段に低い評価をしていたが、改めてこれはこれで趣の深い作品である。

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購入済み

壮大なドラマ

2014年07月07日

壮大なドラマですが作中に出てくる地名を一々地図で探すのも面倒なので軍勢の移動ルート等も一緒に示して欲しかった。もう一つ、昔読んだ時に見つけた誤植がそのままになっていた。(「洪水」の終わりの辺り)

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Posted by ブクログ 2009年10月19日

井上靖の歴史短編小説集。

1:楼蘭
2:洪水
3:異域の人
4:狼災記
5:羅刹女国
6:僧伽羅国縁起
7:宦者中行説
8:褒ジ(女以)の笑い
【ここまでは中国西域の説話】

9:幽鬼
10:補陀落渡海記
11:小磐梯
12:北の駅路
【ここまでは日本の説話】

12話と盛りだくさんです。
通勤途...続きを読む中に1〜2話/日に読み進めるのに丁度よいです。
彼の作風が自分に合うかどうか試したい方に、お勧めの一冊。

人間の感情描写やその表現の細やかさに、
二千年前の楼蘭人や西域の人々の息づかいがそのまま
立ち上ってくるような錯覚を覚えます。

とにかく、お勧めの一冊です。
読み返した数少ない小説の一つです。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

 オリエント情緒というかシルクロードロマンというかそういうのを感じたい時に
ぱらっとめくって好きなとこを読んで満足する一冊です。
ずっと手元に置いておきたい。

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Posted by ブクログ 2023年02月24日

これは作家井上靖氏の昭和30年代中心の短篇小説集です。標題に代表されるように西域に主題をとった作品群が多く、この地域に関心の深い私には前から読みたかった作品です。小説というよりは史書のような趣きで、どこまでが創作でどこからが史実かとかわからなくなりそうなくらい、引き込まれます。日本の説話にまつわる作...続きを読む品も集録されており、磐梯山の爆発の事件に主題をとった小磐梯という作品も味わい深いです。ま、核となる作品は間違いなく楼蘭です。実際にあった楼蘭という小国の過酷な運命が描かれており、それと興味尽きない謎の湖、ロプノールの変遷も興味津々です。読後、シンセサイザー奏者の喜多郎の作品を聞きながら床に入ると一層効果的です。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年08月10日

目次
・楼蘭
・洪水
・異域の人
・狼災記(ろうさいき)
・羅刹女国(らせつにょこく)
・僧伽羅国縁起(そうからこくえんぎ)
・宦者中行説(かんじゃちゅうこうえつ)
・褒姒(ほうじ)の笑い
・幽鬼
・補陀落(ほだらく)渡海記
・小磐梯(こばんだい)
・北の駅路

表題作を読みたいと、ずっと思っていた...続きを読む
中学校の国語の教科書にスウェン・ヘディンの『さまよえる湖』が載っていて、それに関してこの作品を先生から紹介されたので。
大きくなったら探検家になりたい!と熱い思いを抱かせるヘディンの行動を読んで、この『楼蘭』もさぞや熱い思いがあふれているのだろうと思っていたら、ノンフィクションのルポルタージュかってくらい冷静な筆致に、逆にのけ反る。

事実を淡々と連ねる文章は、ともすれば歴史の専門書を読んでいるようで、これが小説であることを忘れてしまう。
何百年にもわたる、ロブ湖のほとりの楼蘭という国の歴史。

しかし、これはヘディンが発掘した楼蘭の遺跡からインスパイアされた、れっきとした小説なのだ。
誰がこのような想いを持って行動したかなどと、どんな歴史書にも書いてはいない。
特定の主人公がいなくても、語り手の心情が声高に言われなくても、これはあくまでも作者が創作したものがありなのだ。

だけど、司馬遼太郎の小説でさえ、事実のように受け止めてしまう人が多い昨今、これを史実ととらえる人が多いのだろうと思う。
次の『洪水』なども、歴史書から引っ張ってきたのかと思われるほど、具体的な記述が続く。

でも、よく読んでみると、『洪水』に似たようなエピソードはヤマトタケルとオトタチバナヒメにもある。
そういえば 『羅刹女国』などはセイレーンのようでもあるし。
『狼災記』も、『山月記』の変奏曲のようである。

『三国志』よりも古い時代の歴史。
もう神話に片足を突っ込んでいると言っていい。
日本の神話、インドの神話、西洋の神話。

『宦者中行説』と『補陀落渡海記』は、年をとればとるほど沁みてくるのではないだろうか。
『狼災記』は、『山月記』よりもなお容赦ない。
『幽鬼』以降は日本を舞台にした作品。
光秀を主役とした『幽鬼』を読んで、三成を主役とした尾崎士郎の『篝火』を思い出す。
どちらも敗戦の将だが、光秀の謀反に対する腹の座らなさが際立つ。

次は『天平の甍』を読みたい。
時間が許せば『おろしや国粋夢譚』も。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年06月11日

 楼蘭の1つの国の趨勢、異域の人の班超の生涯、宦者中行説の匈奴で得た夢、何れも真に迫っていて、そこに西域や匈奴の風土を感じるかの様でした。班超が歿する前、故国に西域との繋がりを見、彼が「胡人」と呼ばれた描写には、彼の一生の軌跡が表れている様に思います。

 狼へと変わった陸沈康とカレ族の女が出る狼災...続きを読む記、羅刹の棲む島を書いた羅刹女国では、言い伝えや伝承を基にした不可思議な出来事が現実味を帯びて書かれていて惹かれました。狼災記で狼となった2人が、獣の掟に従い獣として生きる様が、人の姿を喪い人で無くなった彼等が、既に人としての生き方が出来ないのだと訴えかけて来ている様に思われました。

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Posted by ブクログ 2021年01月22日

12の短編集。多くが古代中国の歴史物語。著者の作品はジャンル幅広く、文章もしっかりして、読んでる最中でもじっくり熟読したくなる、本棚にずっと取っておきたくなる。「浪災記」、「山月記」に似ている。2021.1.22

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Posted by ブクログ 2016年05月27日

 歴史作品を中心に12編収録。楼蘭とは「中央アジア、タリム盆地のタクラマカン砂漠北東部(現在の中国・新疆ウイグル自治区チャルクリク)に、かつて存在した都市、及びその都市を中心とした国家の名称」である(wiki調べ)なんとロマンを掻き立てることか、更に「さまよえる湖」ロプノールの西岸に位置し、シルクロ...続きを読むードが西域南道と天山南路に分岐する要衝にあって、交易により栄えたとある。日本人はシルクロードに弱い。なぜなら島国に住むわたしたちの感覚からして、大陸の雄大さは永遠の憧れなのであろう。

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Posted by ブクログ 2015年07月03日

楼蘭は、移動するロブ湖をめぐる話。叙述詩を読んでるみたい。小磐梯は噴火の前の静けさが物凄く不気味に描かれている。今の時期だから余計にこわく思えるのかもしれない。

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Posted by ブクログ 2015年07月15日

中国歴史だけかと思いきや、日本、インドの歴史や童話小説をモチーフにした話もちらほら。
表題桜蘭は50ページ前後の短い話だが、南インドにまつわる虎の話はちょっとした小話にも最適かと。
何人かにこの話をしてあげると喜ばれる。
オチが予想外で。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

時代背景が二千年以上前なのに、目で見たことを書いているのではなかろうか??と思うほどの描写力、情報量、構成力。運命に翻弄されながらも生き抜こうと必至にもがく人々の背中に、人間の強さを感じます。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

短編集。だけど。
「楼蘭」は短いお話だけれど、時間の流れ、時代の流れをめまいがするほど感じさせてくれる作品。
ほんとすごい。古本でしかあまり出回っていないかも。

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Posted by ブクログ 2024年01月18日

古の桜蘭という国の状況が偲ばれ、古代人の想いも時を超えて伝わっ手きます
他の短編も興味深く知識を広げる意味でいい本かもね

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Posted by ブクログ 2022年12月01日

匈奴などの西狄の話は歴史でもなかなか出てこないので面白かったが、後半の日本の話はいらなかったな…。もっと騎馬民族や砂漠の民の歴史が読みたいなぁ。

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Posted by ブクログ 2021年01月22日

短編集。

井上靖に対しては、同じようなテイストの小説を多産する流行作家のようなイメージを持っているが、氏の「西域もの」はその限りではない。
明らかに他の量産作品群と「西域もの」との間には、クオリティの差が存在している。このテーマに対する著者の没入度の深さが、おそらく異なる。

本編を離れた話だが、...続きを読む山本健吉が解説で次のように書いている。

「人間の行為の意義、無意義を分つものは、人間の意志を超えている。人間の歴史は、結局人間行為の無数の捨石の上に築かれているのだから」。

井上靖の「西域もの」の解説として、これ以上のものはないのではないかと思える。

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Posted by ブクログ 2018年03月03日

『タクラマカン砂漠』という響きが好きです。

生まれ変わるならタクラマカン砂漠に吹く風になりたいと思います。

12編の短編 表題作の楼蘭は中央アジア、中国の西域を舞台とした古代弱小国の興亡の物語 立地的に大国の漢と匈奴の両方から支配と搾取が繰り返されるなか、細々と暮らしていかなければならない楼蘭の...続きを読む人々に無常さを感じます。

他にも人間になる事と夫の浮気に制裁を加える事が出来なくなる葛藤を描いた羅刹女国!?
即身仏に強制的に祭り上げられる側の内面を描く補陀落渡海記など心に何かが引っ掛かりずり落ちていくような短編集です。

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Posted by ブクログ 2016年05月23日

人間の智慧と言うものは何と言っても浅いもので…己が身を亡ぼす地獄の門へ向かって一歩一歩足を運んでいたのであります。文章とはこういう事なのか。直接的でないのが好きだけど。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年12月31日

歴史物に興味がなかったのですが、そしてなんとなく、井上靖に縁がなくこれまできましたが、趣味の登山繋がりで「氷壁」を読んだのがきっかけで、手に取りました。
表題作の「楼蘭」だけ読み終えました。興味深い歴史です。淡々と事実(おそらく)を述べているだけのようで、翻弄される歴史が胸に迫ります。しかし、歴史物...続きを読むを読み慣れていないので、やや疲れて、巻末近くの普通の小説に飛んで読んでいるところです・・・。

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Posted by ブクログ 2010年10月25日

主に中国・西域・印度を舞台にした短編歴史小説集。
前半の西域の話がやはり読んでいてロマンを感じられて一番楽しい。
しかし、やはりこの方はその人の書く文章そのものというよりも扱っている題材が面白いのだと思う。

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Posted by ブクログ 2010年07月20日

西域、中国、インド、匈奴、日本,中には明らかなフィクションものもある
12の短編からなる本

西域の話を読むたびに
思わず思いを馳せ
不便だけれどいつか行ってみたいと思う。



そう言えば教科書に載っていた
中島敦の“山月記”によく似た話もあった。

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Posted by ブクログ 2010年03月16日

世界史の教科書に出てきたヘディン、探し求めた楼蘭とはどんな国だったんだろうと思っていたけどこの本を読んで知ることができました。
2000年ほどの時間を経て発見される、ロマンですねぇ。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

今はあまり読まれないようですが、井上靖の歴史小説はいまなおその輝きを失っていないように思います。
個人的な好みで、まずは『楼蘭』いかがでしょう。

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Posted by ブクログ 2011年08月16日

高校時分に現代文の恩師からこの本を譲り受けました。これを読んで楼蘭を訪れたくなった人は多いことでしょう。かく言う私もその一人です。現時点では簡単に足を踏み入れられる地ではないのが残念ですが、いつかこの目で楼蘭の姿を見ることができたらなあと願ってやみません。

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