あらすじ
ひょんなことからひとの「息」が見えるようになった京都の高校生・夏実の物語。
どんな世界になっても息づくいのちの躍動を描いた青春小説。
(解説 グレゴリー・ケズナジャット)
コロナウイルスという「目にめーへんややこしいもん」にも変えられないもの。
突然の休校や陸上大会の延期、急なモテへの戸惑い、そして受験と進路……
コロナ禍の「青春のかたち」を切り取った、待望の作品集。
息は、光は、そこにある。気に留めるか、留めないか、そのちがいがあるだけ。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
【それでもあの時、みんな溌剌として輝いていた】
いしいしんじさんの著書『トリツカレオトコ」のような童話風の優しい世界観を想像してページを捲った。
物語はコロナ禍の青春と日常。
コロナ禍は、よいイメージがないから正直なかなか物語に入り込めなかった。
思えば私の娘達もコロナ禍でたくさんのものを奪われた。
修学旅行も、部活も、おしゃべりも、……好き勝手に取られっぱなしの青春。
でも、作中のタイミラージュの描写が
気持ちをうまく言語化できないけど心に響いた。
あったはずの未来
楽しかった過去
友達との何気ない日常
心にモヤモヤを抱えながら
それでもあの時、みんな溌剌として輝いていた。✨
主人公夏実の力は空気を読む、息を合わせるという息が形や色に具現化して見えるもの。
でもそれはマスクの下にある隠された
表情や本音、気持ち、心のなかの信号
そんなところが住野よるさんの著書『かくしごと』
に似ているなと思った。
うまく言語化できない、でも、形のない温かい息が胸に残るような……
あぁ、やっぱりいしいしんじさんの優しい物語なんだなと納得の一冊。( ꈍᴗꈍ)