あらすじ
日本最大の非正規雇用、800万人の主婦パートタイマーが壊れる!「サラリーマンの夫に扶養されている、お気楽な短時間ワーカー」という像は過去のもの。企業から正社員なみの貢献を求められているにもかかわらず、歪んだ社会保障制度の作り上げた低賃金・低待遇は放置され、彼女たちは疲弊していくばかりだ。日本の企業と家庭を下支えしている主婦パートの苦境を無視したときに起きる、この社会の危機とは? その危機を避けるための処方箋とはなにか? 主婦パートという「見えざる存在」に初めて光を当てる警告の書。【目次】はじめに/第一章 主婦パートを誤解するな/第二章 主婦パート職場は「アリ地獄」/第三章 「アリ地獄」型雇用は官民合作/第四章 正社員なみの働きを求める「基幹化」時代/第五章 負担増加の家事・育児/第六章 「主婦パート・ショック」が家庭を襲う/第七章 「つけ込み」の代償を払う企業/第八章 「パートタイム社員」創設を/あとがき
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Posted by ブクログ
・正社員で働いていた頃、わたしの中での主婦のパートタイマーへのイメージは、本書で多くの人が誤解していると書かれる通り「サラリーマンの夫に扶養されている、お気楽な短時間ワーカー」そのものでした。
・しかし、この実態は1980年代のみの短命な存在であって、90年代以降の不況によって、主婦パートは生活を維持するために必死で働く存在となっていた。しかしながら、当事者以外のイメージは上記の通りだと思われる。
・また企業では、社会保険などの負担を企業側が背負わなくて良いところにつけ込み、正当な経営マネジメンとからではなく、そこから利潤を得ようとし、主婦パートに正社員並みの仕事を求め、業務の中核とする「主婦パートの基幹化」が行われた。
・正社員と変わらない仕事を求められるのに、待遇については過酷な実態があり、主婦パートが疲弊し、社会にまで影響を及ぼすということを、筆者は子供の虐待なども例にあげながら危惧しています。
・また、企業はパートへのつけ込みからのうまみによる代償を今払わされているとのこと。パート社員へすべてを委ねていたために、正社員の人材育成がおろそかになったり、いわゆる「ボスパート」の登場により、正社員の生産性が著しく下がるなどです。
・本書ではその打開策として「パートタイム社員」の導入を提唱しており、すでに東急ストアなどでは取り入れられているそうです。
「職種限定職」として「パートタイム社員」を取り入れ、時間短縮勤務を可能とし、仮にフルタイムで働いた場合には正社員と同じ賃金が支給されるものです。
・社会的にも民主党が中心となって、130万円の壁の撤廃や配偶者控除の撤廃など検討しているそうですが、わたしのように長期働くのが困難なため、専業主婦をせざるを得ない人間にとっては、ちょっとした危機だなと感じてしまいました。
・本書は統計的なデータを盛り込み、わかり安く説明されており、読みやすかったです。母がパートで苦労していたことを思い出しました。800万人の主婦パートタイマーに目が向けられることを祈っています。
わたしも今後どうするかなー