あらすじ
乳白色の神に深紅の瞳、太古の妖術を自在に操り、魔剣ストームブリンガーで敵の魂を吸い取る、メルニボネ帝国最後の皇帝にして流浪の皇子エルリックの数奇な運命を、巨匠が流麗かつ壮大に紡ぎ上げたエルリック・サーガ開幕!表題作『メルニボネの皇子』と『真珠の砦』の二長篇収録
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Posted by ブクログ
先の「太陽の書」シリーズを4冊読み終えてから(あ、感想書いてないね……)、やたらファンタジーばかり読んでいます。あれこれ読んで、ふと書店で手に取ったのがこの作品。
世界に冠するメルニボネという島国の皇子が主人公。白子として生まれてきたため、薬を常用しないと生きていけない。
また、そのような人と違う形で生まれてきてしまったため、メルニボネ人の持つ残虐性や独善性といった性質を持ち合わせていない。いつも「正義とは何か」などと考えていて、「王として不適切」と考える家臣が増えている。
いとこのイイルクーンとの確執と戦い。黒い剣、ストームブリンガーを手に入れるいきさつ。国と愛するサイモリルをおいて旅に出た理由。
ストーリーの根幹部分がしっかりと描かれている一冊目。
訳も素晴らしく、詩的な言葉でつづられているファンタジー小説。
Posted by ブクログ
まともなヒロイックファンタジーを初めて読みました。
井辻明美の訳が実に耽美かつ流麗で、主人公エルリックの、ひいては作品世界全体の魅力を最大限引き出すのに成功してます。
皇帝エルリックが高慢で物憂げで生きるのが億劫で、パーティーで踊るより思考に耽って本と戯れていたいキャラクターで、頭いいくせに割と迂闊。
ムアコック先生の
「俺はマッチョイズムなんで大嫌いだ!」
という魂の叫びが聴こえます。だがそこがいい。
Posted by ブクログ
初めてエルリックに出会ったのは、中学の頃だろうか。
それまでのファンタジーに付き物な、アメリカナイズで
マッチョなヒーロー。
それとは真逆の、美しく白くほっそりとした彼に
私は夢中になった。
人並に動くためには、薬の力に頼らざるを得ない
アンチヒーロー。アルビノの赤い瞳から血の涙を
流してでも、魂を啜るおぞましい剣に身を委ねな
ければならなかったのだ。
彼の長い苦悩は、私の喜びとなった。
続けば続くほど彼は苦しむというのに。
Posted by ブクログ
復刻、待ち遠しかったです。
旧版の方も初版から持ってましたが読み返ししすぎてちょっと表紙がぼろぼろに…(;´Д`A ```
こっちはもう痛まないように大切にしまっておきます。新たに、時系列と翻訳の元本に基づいてしなおされました。井辻さん、ありがとう!!
久々に読むと、エルリック、若いですね。
ファンタジー好きというならこのシリーズを読んでくれと言いたいですね。