あらすじ
アメリカは決して一枚岩ではない。ビンラディン殺害で大きく変わった世界のパワーバランスの真相とは。3・11で見せた「トモダチ作戦」の真意とは何か。悪化しつづけるアメリカの財政問題の正体とそれがもたらすものとは。TPP推進で垣間見えるアメリカ産業界の思惑。アメリカは日本に核武装すら求めているのか。これからのアメリカ経済、政治、軍事の行方がはっきりと理解できる一冊。
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Posted by ブクログ
相反する主張が渦巻くダイナミックなアメリカをリアルに捉えています。数あるアメリカ本の中でも出色のできだと思います。
特に共和党と民主党に代表されるような異なる価値観の対立がどこから来ているかを、アメリカの建国にまで遡って現在にいたる過程を説明している部分が素晴らしく、アメリカってこういうことだったのか!と何度も膝を打ちました。
Posted by ブクログ
アメリカも一枚岩ではない。フェデラリストのハミルトンVSアンチフェデラリストのジェファーソンというのが典型。オバマ大統領の2012年大統領選戦略がその通りに展開されるのか注目したい。
Posted by ブクログ
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大恐慌の原因については、さまざまな原因が指摘されています。表面的には「いきすぎたバブルが弾けた」わけですが、その前提となる構造的要因がありました。(…)二〇年代のアメリカの好景気を支えていた要因の一つは、ヨーロッパの復興需要でした。ヨーロッパの工業生産力が戦争によって全面的に破壊されてしまったため、その欠落を補うような形でアメリカ経済が急成長を遂げたのでした。ところがヨーロッパ経済が復興するにつれ、生産力が世界的に過剰となり、世界資本主義が大不況に陥る構造的要因がつくられてきました。73
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ルーズベルト大統領(任期十九三三~四五年)が「ニューディール政策」と呼ばれる積極的な経済政策によって経済回復をはかったことは、よく知られています。デフレ・スパイラルと極端なバランス・シート不況から脱出するために、公共政策に社会主義的な要素も取り入れ、有効な需要を創出していこうという政策でした。しかし、アメリカ経済を本格的に回復させたのは、ニューディール政策よりも、むしろ第二次世界大戦による大規模な有効需要の創出であったといわれています。75
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