あらすじ
心的外傷後ストレス障害(PTSD)。阪神・淡路大震災は人々の心に、癒えない傷を刻み込んだ。傷つく心とは? 心のケアとは? 自らも被災しながら、精神医療活動に奔走した、ある精神科医の魂の記録。
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Posted by ブクログ
精神科医師による阪神淡路大震災の活動記録。
当時は各種インフラや制度はもちろん、メンタルヘルスへの理解が今以上に少なかったと思われるが、未曽有の災害状況下における精神への影響を知ることができた。
また、こういった災害の記録はどうしても被治療者に焦点が当たりがちであるが、本書は医療従事者(もちろん筆者含む)、ケア側にも焦点を当てて、治療や支援を続けていくうちに心身のどのような変化が起きていったかが記録されていて参考になった。
分かりやすく丁寧
ドラマを観てこの本を知った。震災当時子供で医学知識の全くない、私にも分かりやすくて非常に丁寧であっという間に読み終えた。安先生がどこまでも被災者の方や患者さんに寄り添い、優しい眼差しを向けておられたのが良く分かる。安先生が若くしてお亡くなりになったことが本当に残念でならない。
Posted by ブクログ
読む前は、PTSDなどに対する専門的な臨床の方法が書かれていると思っていた。もちろん少しはそのことが書かれていたが、大半は阪神淡路大震災直後から1年後あたりまでに著者が経験したこと、そしてその中で心の傷を癒すということを改めて考えていく様子であった。
著者の考えをまとめると以下のようになる。震災において、心に傷を負うということは当然のことだ。そして、その傷を癒すためには医者だけでなく、周りの人たちが持続的に粘り強く寄り添っていく必要がある。
つまり、これさえあれば治せてしまうような医療技術は存在せず、また医者がどれだけ努力したとしても限界があり、社会や周りの人たちの協力が大切だということだ。