あらすじ
最注目の俊英3名による、令和の必須文献。
変化の激しい現代社会で、どう自分の足場を築くことができるのか。
安易な解決に走らず、問いとともに生きる方法はあるのか。
哲学者と公共政策学者が、陰謀論から生成AIまで議論する。
令和の人文を象徴する鼎談が、約4万字の増補をくわえて文庫化。
解説 三宅香帆
【目次】
はじめに
第一の対話――2022/04/04
▼イントロダクション ナラティヴと陰謀論をめぐって
第1章「一問一答」的世界観から逃れる方法――陰謀論、対人論証、ファシリテーション
第2章 自分に都合のいいナラティヴを離れる方法――フィクション、言葉遣い、疲労の意味
第二の対話――2022/05/07
▼イントロダクション 地球を覆い尽くすアテンションエコノミー
第3章「アイヒマンにならないように自分の頭で考えよう」という言葉に乗れない理由――コンサンプション(消費)、アテンション(注目)、インテンション(意図)
第4章 信頼のためには関係が壊れるリスクを負わねばならない――マーケティング、トラスト、脱常識
第5章「言葉に乗っ取られない」ために必要なこと――SNS、プライバシー、言葉の複数性
第三の対話――2022/07/16
▼イントロダクション 徳と観察をめぐって
第6章 自分のナラティヴ/言葉を持つこと――倫理、相対化、ナッジ
第7章 公と私を再接続するコーポラティヴ・ヴェンチャー――関心、実験、中間集団
第8章 イベントとしての日常から、エピソードとしての日常へ――観察、対話、ナラティヴ
第四の対話――2025/08/05
第9章 ネガティヴ・ケイパビリティにとって孤独とは何か――政治、クラフト、オルタナティヴ
第10章 AI時代の言葉を哲学する――ケア、孤独、熱狂
第11章 言葉はごまかせないもの――メタファー、沈黙、責任
解説 三宅香帆「饒舌な時代に、それでも言い淀む瞬間」
索引
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Posted by ブクログ
言ってることは具体的でわかりやすく頭に入るが、
しかし、何の話をしているのか、なかなか理解のできない対談だった。
テーマはタイトル通り「ネガティヴ・ケイパビリティ」
しかし、対談の中身がネガティヴ・ケイパビリティについて語られているのか
さっぱりわからない。
わからないけど、話している内容は、なんとなくなじみがある。
政治関係の話題が多いせいもあろう。
構わず読み進めて、なんとなく全体像が見えてきた、気がしてきた。
メタ認知的な話なのではないか。
ノリで物事を決めるのでなく、熟考しよう、と言っているのではないか。
と。
今回「増補」とあるように、この本、数年前に刊行され、
「願生き」と略されるほど話題になり、
しかし「結局ネガティヴ・ケイパビリティってわからない」というコメントも多くもらった、と、
今回増補された4つ目の対談で語られている。
私の感想ももっともなのだ。
それでいいのだろう。
なにせ今の世の中、ズバッと決めることを善しとしすぎているところがある。
もちろん、日本は他国に比べ判断が遅く、それがビジネスチャンスを逃している、
とよく言われる。
そういう分野もあるだろう。
しかし、今の某首相のように、ろくに考えもせず言い切る
(これをポジティブケイパビリティというのか?)
をすればあちこちに軋轢を生むのは当然なのだ。
反知性主義は安倍政権時代から言われていたこと。
自民が、維新が、参政が、ますますその度合いを強めていく。
立ち止まってほしいものだ。
はじめに
第一の対話――2022/04/04
▼イントロダクション ナラティヴと陰謀論をめぐって
第1章 「一問一答」的世界観から逃れる方法――陰謀論、対人論証、ファシリテーション
第2章 自分に都合のいいナラティヴを離れる方法――フィクション、言葉遣い、疲労の意味
第二の対話――2022/05/07
▼イントロダクション 地球を覆い尽くすアテンションエコノミー
第3章 「アイヒマンにならないように自分の頭で考えよう」という言葉に乗れない理由――コンサンプション(消費)、アテンション(注目)、インテンション(意図)
第4章 信頼のためには関係が壊れるリスクを負わねばならない――マーケティング、トラスト、脱常識
第5章 「言葉に乗っ取られない」ために必要なこと――SNS、プライバシー、言葉の複数性
第三の対話――2022/07/16
▼イントロダクション 徳と観察をめぐって
第6章 自分のナラティヴ/言葉を持つこと――倫理、相対化、ナッジ
第7章 公と私を再接続するコーポラティヴ・ヴェンチャー――関心、実験、中間集団
第8章 イベントとしての日常から、エピソードとしての日常へ――観察、対話、ナラティヴ
第四の対話――2025/08/05
第9章 ネガティヴ・ケイパビリティにとって孤独とは何か――政治、クラフト、オルタナティヴ
第10章 AI時代の言葉を哲学する―― ケア、孤独、熱狂
第11章 言葉はごまかせないもの――メタファー、沈黙、責任
解説 三宅香帆「饒舌な時代に、それでも言い淀む瞬間」
索引
Posted by ブクログ
大変勉強になった。このところ政治のニュースを追うためとはいえSNSを見過ぎていて、どうにかしたいなぁと思っていたので、焦る心をこの本に宥めてもらったような感じがして、読んで良かったなと心から思う。
ノートにメモを取りながら読んでいた。感想をうまくまとめられない。とにかく何度も読み返したい本だなと思った。
Posted by ブクログ
饒舌な三人である。by 三宅香帆
抽象度の高い、それでいて個人の生活と密接に接続している話題を縦横無尽に展開させていく語りに魅了される。三人とも芯の通った主張を持っているが、押し付けるのでなく鼎談の中でより拡散させようという気概が感じられるのが亢進症である。
彼らも適宜指摘してるが、この三人のような柔軟な姿勢をどうやってより多くの人に共有し、理解してもらうのかというのが課題である。マジョリティは短絡的なドパガキアダルトたちが占めている世の中で、かなり劣勢な状況なのは間違いない。
個人的な取り組みとしては、「私たちの疲労」というキーワードを参照していきたい。一問一答で論破しあう侃々諤々な対話で決着を急ぐのでなく、同じ空間で時間をある程度かけてうんうん唸りながら一緒に過ごす。ある種のダルさが表れるまで粘ってみる。そのような姿勢が、ネガティブケイパビリティの実践になるのではないか。
最近の思想系書籍の対立軸はSNSや動画サービスになりがちで、本書もその傾向に沿っている。しかし、本書の特徴はそれらをただ糾弾するのでなく、存在する環境を認めたうえでどのように暮らしていけばいいのか、その解決の糸口を探究していく試みと感じた。明確な答えは提示されない。それが本書の狙いなのだ。
Posted by ブクログ
ネガティブ・ケイパビリティって何っていうと、短い言葉で説明すれば「答えを急がず立ち止まる力」ということだけど、では具体的にはどういうことなんだろう、ビジネスでは、選挙では、日常のふるまいでは…?を考えようとするとこの分量になるし、鼎談の形式になる。とっつきにくさや、「つまりこういうこと」と簡単に理解できない・しないことこそ、考え続ける態度。ネガティブ・ケイパビリティを体現している本だった。3人とも若手で聡明なのもなんかかっこいい!
Posted by ブクログ
対談形式を読むのが私は苦手なのだが、この本は対談形式だから難しい(私にとって)という訳でなさそうだ。ネガティブケイパビリティの定義がそもそも難しいのだ。ネガティヴケイパビリティは「わからない」と開き直ることでもないし、「考え続けよう」と呼びかけることとも違う。捉えどころのないもので、まさに「不確実性への耐性」という表現がしっくりくる。安易な落とし所で考えを押し付けるのではなく、揺れながら実際に考え続けることであり、それ以上に表現する必要があるのであれば、それぞれの現場で引き取って具体化したり、別の概念と組み合わせたりすることでしか表現できない。
実際この本でも、ネガティヴケイパビリティを陰謀論やSNSといった様々な切り口から表現しようと試みているものの、はっきりした何かが見えてくることはない。このモヤモヤがポイントなのだ。
にしても、ナラティブ合戦とか物語的誤謬とか興味深い話が盛りだくさん。
そして、最後の三宅香帆の解説が印象的。
私は人間を見るとき、「何を言うか」ではなく、「何を言わないか」でしか人を判断しない。何を言いたくないのか、何を言い淀むのか、どんな言葉に抵抗を覚えるのか。言い淀む様子こそ人間らしさが潜む。
本当にその通りだなーと思って、一人で感動していたことは秘密。
Posted by ブクログ
政治のついて積極的にアンテナを張れていないことを恥ずかしく思っていたが、それぞれ関心のある分野は異なるはずで、自分に近いトピックに興味があればいい、みたいな話があって少し安心した。
でも色々な角度から物事を見て、言い淀むことができるように、
これからたくさんインプットをしていきたいと思った。
紹介されていた本も読んでみよう。
Posted by ブクログ
2026.09.09 ネガティブケーバビリティは、なかなか難しい考え方。一言で言えないし奥が深い。即決即断が求められる時代の中で、その反対に位置するこの考え方は難題である。もう少し熟慮しないと。