【感想・ネタバレ】遮断地区のレビュー

あらすじ

バシンデール団地、通称アシッド・ロウ。教育程度が低く、ドラッグが蔓延し、争いが日常茶飯事の場所。そこに引っ越してきたばかりの老人と息子は、小児性愛者だと疑われていた。ふたりを排除しようとする抗議デモは、彼らが以前住んでいた街で十歳の少女が失踪したのをきっかけに、暴動へと発展する。団地をバリケードで封鎖し、石と火焔瓶で武装した二千人の群衆が彼らに襲いかかる。往診のため団地を訪れていた医師のソフィーは、暴徒に襲撃された親子に監禁されてしまい……。血と暴力に満ちた緊迫の一日を描く、英国ミステリの女王の新境地。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ムッサオモロかった!

低所得者層(社会的底辺の人々)向け住宅街に、前科のある小児性愛者の二人ずれが引っ越してきた。という情報が流れ、そこからその地区で大暴動が起こるさまを描いた小説。

ミステリー要素は薄く、パニック小説の様相である。ちゃんとしたミネットファンは「どうしたんだ?」と言ってるくらいに雰囲気が違う小説らしい。俺はそこまで作者の小説を読んでないので、違和感なく楽しめたが…。

それにしても、日本だけでなくイギリスにもこういう団地があるんだなぁ。大阪のあそことか神戸のあそことか…そういうとこを想像して、この本を読んだらリアル感マシマシ。

本気でワルいヤツを2名だけにして、あとは場の雰囲気で走る一般人っていう設定もリアルだった。お祭り気分で暴動を盛り立てる若者たちの姿は他人事じゃない、日本でだって、自分たちだって十分になりえることだ。注意しないとなぁ。

あと、モロトフカクテルはしっかり蓋をしないといけないこと、余談の話だし、使うこともないんだろうけど、妙に心に残る教訓だった。

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2019年12月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

イギリスの地方の街で起こった少女の失踪事件を追うミステリーとその事件を受けてパニックに陥る別の街を描いた融合的小説。

ベースとしては小児性愛者への偏見がテーマとして有、ミステリーサイドは王道的に小児性愛を利用する犯人を追及していく。
一方の街の事件は、そのテーマが前面に押し出され、パニック状態へ加速していく様、暴動を鎮めようとする主人公たちの善行、最後に失ったものの大きさと残ったものの大きさが見事に描かれている。
特に群像劇的に始まったアシッド・ロウの話は、思わぬ登場人物が主人公的に浮かび上がってきて、普段の行動とは異なる行動により人たるもののあり方を訴えているように思いました。
ページ数は結構ありますが、一気読みしてしまいました。

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2015年08月08日

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