あらすじ
元刑事にして探偵のダニエル・ホーソーンが殺された──いや正確には、映画版『メインテーマは殺人』の撮影現場で、ホーソーンを演じていた俳優が殺された。イングランド南岸のヘイスティングズで発生したスター俳優の刺殺事件には、関係者のそれぞれに何かしらの動機があるらしい。だが、犯人が間違いを犯したということはないだろうか。すなわち、犯人が狙っていたのは、実は本物のホーソーンだったということは。ホーソーンが“ホーソーン”殺しの謎に挑む、〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズ最新刊!/解説=柿沼瑛子
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お馴染みのホーソーンとホロヴィッツシリーズ。今回は何よりも一冊にまとまっているのが良い。ストーリーは相変わらず絶妙な構成で面白いし、さすがに6冊目?なので登場人物も馴染みがあり、最初から安心して没入できる。全12作だそうだが、どうもかなり計算されたシリーズになっているように思えて、本当にこの作家はすごいと思う。
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ここ最近の作品の中でも頭ひとつ抜けて面白い。
謎多きホーソンの身元に迫る展開には終始ワクワクさせられた。さらに、ホーソンに対するアンソニーのどこか一方通行な想いや絶妙な距離感も魅力的で、二人の掛け合いに引き込まれる。
著者お得意の映画界を舞台にした描写は臨場感たっぷりで、情景が鮮やかに浮かび上がる。『メインテーマは殺人』など過去作のモチーフも効果的に効いており、シリーズを追ってきた読者にはたまらないご褒美感がある。
事件の真相は意外性に満ちていながらも納得感が高く、ミステリとしての完成度も抜群。
Posted by ブクログ
あ〜読み終わっちゃった。
全12作のうち、これが6作目。
6作目でついにアンソニー・ホロヴィッツがホーソーンへの友情を認めた!歴史的だな…
しかしホーソーンはまたイケズすんのよね…
ホロヴィッツ、いい人すぎんか?
しかし今回も入り組んでる。
そもそも『メインテーマは殺人』が映画化して、ホーソーン役の俳優が殺される…?
なぜこんな設定を思いつくことができるのか、不思議でならない。
脚本を自分で書けなくて(依頼されなくて)ホロヴィッツがモヤモヤしてるのも面白い。
事件は思いもよらない方面に展開していくけど、最終的な犯人当ての部分は当たり前にきちんとしている。さすが…。
このシリーズは、事件が起きる前段階が丁寧に描かれる。
今作も、それぞれの登場人物がじっくり描かれているが、とくに印象的なのが脚本家のシャニカ。
環境破壊への反対運動をしていて、大英博物館の床に20リットルのフェイクの血を撒いたというエピソード。その理由は、❝あそこには、ミツビシが資金を出してるから。❞というもの。
長崎にいるものとしてちょっとヒュッとしてしまった。めっちゃ三菱ある。
それ以外にも、出てくるナイフが日本製だったりして、ちょっと嬉しい。嬉しい…?
もう一つ!
最近読んだ別の作品にもハロルド2世が出てきていた。ヘイスティングスの戦いってやつですか。
イギリス人、ハロルド好き過ぎんか?たまたまか。
というか歴史好きだよな。
舞台がイギリスだという感じがしてとてもいいです。
あー次作も楽しみ。
カササギ殺人事件シリーズ?はシリーズ名あるのかな?
そちらのシリーズもとても好き。天才。
Posted by ブクログ
前巻までに引き続き、とてもおもしろかったです!
「書き手」ホロヴィッツさんがいつものように、どこまでも自虐的なところがもはや痛快です。
何よりも好きなのはラストです。
前巻のラストには心温まる想いがしましたが、今回のそれは、また期待以上でした!
ホーソーン&ホロヴィッツの関係が今後どのようになっていくのかますます楽しみですし、
こんな微妙で複雑な人間模様を描ける作者は、すごい実力者だと改めて思いました。
Posted by ブクログ
命取りのエピソード
ホーソーンシリーズ最新作。
読み終えた感想だが、久しぶりに面白いフーダニットだったなぁと余韻に耽る。
シリーズ最初の作品である「メインテーマは殺人」が映画化される事になり、ホロヴィッツとホーソーンが現地でも携わる訳だが、そんな中、ホロヴィッツ役の俳優デイビッドがナイフで殺害されてしまい、撮影は頓挫する。ホロヴィッツとホーソーンは事件を調査するが、途中ホーソーンの過去に関わる重要な要素が顔を出し、二人はかつてホーソーンが関わったフォス屋敷を訪れる。
正直、全く違った角度からのアプローチに思え、読んでいる最中に戸惑いもあったが、過去にフォス屋敷で起こった悲しい事件とその結末が後々素晴らしいスパイスだと思える様になる。
ホロヴィッツの優柔不断さが冒頭から最大に発揮されており(笑)また彼の妻は頭を抱えるのだろう。今回は一番最初に発表された「メインテーマは殺人」が作中で映画化されるという今までにも増して現実とリンクするメタ的な要素が組み込まれる。
登場人物は全て曲者であり、ホーソーンが霞む程だ(笑)冒頭の限りでは今作は警察にも恵まれており、無用な心配事やトラブルは起きないかと思いきや、やはりホーソーンホロヴィッツシリーズだけあって様々な問題が起こる。そして今回もホロヴィッツは暴走し、結局はホーソーンの掌の上というお約束もついてくる。
ホーソーンの過去に向かう旅路については話の流れの上で少し唐突さを感じるぶぶもある。何故、ホーソーンを演じた俳優が殺害されたのか、彼は性格柄、様々な人達に恨みを買っている訳だが、どうしてこの殺人の解決に過去の話がやってくるのか、ご都合主義的な見え方がしてしまう。大きくは二部構成と言って良いだろうが、途中、少し物語の方向性がわからなくなったと思ったのだが、結末によって見事にイメージがかわる。
久しぶりに丁寧な伏線をはり、どんでん返しが起こるミステリーを読んだ。クリスティの「鏡は横にひび割れて」が頭に浮かんだのは、大枠のプロットが似ている様に感じたからだろうか。
ホロヴィッツは作中の映画上で描かれる程、ホーソーンを憎んではいないし、むしろ信頼、尊敬していると豪語しているが、中々、今までのシリーズ作中から読み取れないなぁと思う(笑)。反対にホーソーンは実はホロヴィッツに心を許している部分が感じられる。
Posted by ブクログ
アンソニー・ホロヴィッツの著書『メインテーマは殺人』が映画化されることになった。だがその撮影の最中、ホーソーン役の俳優デイヴィッドが殺害される。当然、探偵ホーソーンと〈わたし〉ことアンソニーが捜査に乗り出すことに。デイヴィッドは監督や脚本家、俳優仲間との間で数々の因縁があったため、捜査は難航する。そんな中でアンソニーはあることに気がつく。それは、犯人はデイヴィッドではなくホーソーンを殺すつもりだったのではないかというものだ。
ホーソーンには一つ、心当たりのある過去の事件があった。その事件でホーソーンが犯人と名指ししたハリー・モーガンなる人物が、実は無実であった可能性があったのだ。ハリーの妻デボラは夫の無実を今でも信じており、あからさまにホーソーンを憎んでいた。だが結局ホーソーンの推理は間違っておらず、ハリーは娘の犯行の罪を自らかぶっただけだったということがわかる。そのため、妻のデボラもデイヴィッド殺害の容疑者からは外れたように思えた。
しかしホーソーンは、デボラが犯人であることを告げる。デボラはホーソーンと間違えてデイヴィッドを殺したのではなく、デイヴィッド本人とわかったうえで殺したのだった。環境活動家を謳っていたデイヴィッドは以前、高速道路を封鎖してのデモ活動を行っていた。その渋滞のせいでデボラと娘はハリーの刑務所に面会に行くことができず、刑務所暮らしで病んでいたハリーは翌日自殺してしまったのだ。しかもその後デボラは、デイヴィッドがデボラの店でステーキを食べているところを目撃する。環境活動家でありヴィーガンであると公言していたのは、単なるポーズだったのだ。そのことにより、デボラはデイヴィッドへの殺意をますます強くし、殺害に至ったのだった。
このシリーズの魅力は掴みどころのない探偵ホーソーンと、それに振り回される〈わたし〉とのかけ合い。関係者一人一人を当たっていく王道かつクラシカルなスタイルの中で、ホーソーンの知られざる過去にも迫っていく。被害者がホーソーンを演じていた俳優ということで、容疑者の幅が被害者本人だけでなくホーソーンの周囲にまで広がる点が面白い。ホーソーンを恨んでいた人物にスポットが当たることでホーソーンの過去に自然と話がスライドしていくため、シリーズものとしての深みがより一層際立っている。
Posted by ブクログ
ホーソーン&ホロヴィッツシリーズ6冊目。解説によると全12巻らしい。
今作も気持ちよく騙された。ホロヴィッツって「私にも謎が解けそう!」→「全然違う〜!!」ってなるとこが上手い。本当に、上手すぎる
ワタシ的に嫌な奴がたくさん出てくるし読んでる時はワクワクしないんだけど、とにかく続きが気になるし読みやすいし気づけばクライマックスで思わずおでこ打つやつを毎回している。
で、読み終わった頃にはホーソーンとホロヴィッツがほんのり好きになってまた次も読む……面白いんだよなぁ……。
Posted by ブクログ
今年もこの季節がやってきた。
アンソニー・ホロヴィッツの新刊が出る季節。
去年はカササギシリーズの最新作であるマーブル館殺人事件だったので、
ホーソーン&ホロヴィッツのシリーズで言うと2年ぶりの登場。
映画版『メインテーマは殺人』の撮影現場で、
ホーソーンを演じていた俳優デイヴィット・ケインが殺された。
この刺殺事件には、関係者のそれぞれに何かしらの動機があるらしい。
だが、犯人が間違いを犯したということはないだろうか。
すなわち、犯人が狙っていたのは実は本物のホーソーンだったということは。
シリーズ最新刊はこれまでとは違うアプローチと構成だった。
前作『死はすぐそばに』では、
ホーソーンの過去の事件についての回顧録みたいな内容で
こちらも今までとは違ったアプローチの作品だったのだが、
今作はどちらかというとカササギシリーズの様な、
一冊で二度美味しい方式に近い、そんな構成だった。
前作が回顧録形式でホーソーンとホロヴィッツのバディ感を
あまり堪能できなかったので、今作は久々に二人と会えたという感覚。
映画業界の裏舞台など、とても細かく的確に描写されていた。
ただ、映画版『メインテーマは殺人』は
イギリス映画で低予算の部類として撮影現場が描かれていたが、
日本にしたら大作映画の予算だ。それが何とも物悲しく虚しくなってしまう。
犯人候補となる映画関係者はどいつもこいつも怪しすぎるし、
嘘はつくし、動機も腐るほどある。だから逆に絞り込めない。
だが、思わぬ方向から実はホーソーンを狙っていた?という疑惑が浮かぶ。
物語の三分の二辺りから急にぶっ込まれ始めるホーソーンの過去。
いきなりの展開に戸惑いを隠せないのだが、
それもキチンと最後は収集し、片付ける。
この辺のミステリー手腕は流石と唸ってしまった。
これほどの手腕を持ちながら、
作中ではとことんピエロな役割を演じるホロヴィッツがまたニクい。
まぁ今作も毎度のことながら、読者の自分もそう。
ホロヴィッツばりの頓珍漢な推理で読み進めてしまったのは言うまでもない。
だからこそ、答え合わせで驚けるし楽しめる作品なんだなと再認識。
Posted by ブクログ
最後のホーソーンに共感
「トニー! もうちょっと正確に書いてくれ!」
ステーキナイフはステーキナイフと表現してくれればいいのに。憎いことしやがる。
ラルフのピーナッツアレルギーや、高速道路の渋滞など,ヒントはこれでもかとはっきり示されてるのに。今回も見事にやられた。
デイヴィットケイン殺害とホーソーンが関わった過去の事件を無関係の事件として置いて、容疑者を綺麗にグループ分けする上手いミスリード。過去の事件を解決し、デボラを一旦容疑の範囲外に置いたあとで、序盤で印象的に語られた高速道路の封鎖でもが二つの事件を間接的に結び要素だとわかる。環境活動家の設定もこのためにあったのか、ほんとに散りばめ方が上手い。