あらすじ
本当のバリアフリー社会ってどんな姿なんだろう?
「20代半ばに思いがけずチェアウォーカーとしての旅をはじめたが険しくて前に進めないと思っていたのは最初だけ。恐れずに少しずつ歩いていくと、道は平坦ではないにしろ、いや実際、起伏に富んではいたが、とても楽しいものだった」
「チェアウォーカーとしての旅は、小さきもの弱きものに優しさを向けることや、今、一瞬の大切さを知ること、まわりの人への感謝の気持ちなどを教えてくれた。足で大地を踏みしめなくても、どんな歩みであっても人生は、生きるに値するものだと教えてくれた」(本文より)
著者の松上京子さんは和歌山県田辺市のミカン農家の生まれ。26歳のときにおきたオートバイ事故で車椅子生活となるが、持ち前のがんばり精神でオレゴン大学留学、カナダ・ユーコン川のカヌー下りなどを実現。34歳で結婚してからは、11歳と8歳の2児の母親として奮闘の日々を送っている。月刊edu誌上で「さよちゃんのママの子育て日記-いってきますただいま!」を連載。講演で各地を飛びまわりながら、岡山理科大学講師もつとめる。
著書に『車椅子から青空がみえる』、『さよちゃんのママは車椅子』ともに小学館刊がある。
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Posted by ブクログ
僕は此処でも珠に書いている様に障がい者ヘルパーを生業としている。改めて此の本を読んでみて、如何に理解が足りないか、反省し理解をしなければと考えたね。日頃から彼らを見ていると面映ゆいというか、もっとこうしたらイイのにとか、ついつい思ってしまう。口に出して訴えたりもする。でも、其は大きなお世話なのかも?遣りたい様に生きるのが彼らの権利であり、人生なのだと。最期まで看取れる訳でなし、放っておく、見てるだけ、という考え方に変えた方が彼らの為、牽いては自分の為になるかも知れないという事を此の本を読み、感じた。著者の松上(まつうえ)さんは、オートバイ事故で脊椎損傷に因り車椅子生活を送っている。僕が初めて彼女の存在を知ったのがアウトドア雑誌のビーパルに記事を連載していたのを読み、あの頃は、車椅子生活を送るだけでも大変なのに、其でカヌーでユーコン川を下る、なんてスゴい人なんだ、と感動を覚えた事を覚えている。此処でも再三書いているが、僕もライダーの端くれで、幸か不幸か、辛うじて大きな事故にも遭わず暮らして来た。今の障がい者ヘルパーという仕事に就く際にも、彼女の著作を読み返した。面識はあろう筈も無いが、以前から知っている様な気がする。結婚もされていて、二人の娘さんのお母さん、そして、講演で全国を飛び回る、尊敬に余りある存在だ。機会があれば、一度お会いして話をしてみたい、と思う。