あらすじ
離縁状を出せ! 縁切り寺に駆けこむ女たち
「あんたとはもう、やっていけない」
江戸の夫婦トラブル、縁切りの宿・桂屋が引き受けます。
江戸時代、夫からしか出せなかった離縁状。
離縁を望む女性たちは、徳川家ゆかりの縁切り寺・満徳寺を頼った。
寺役宿を務める桂屋は、訴えに嘘がないか、示談の道はないか、
関係者を呼び集め、時には夫婦の在所にまで赴いて調べを行う。
すると、男女の間にさまざまな事情が浮かび上がり――。
時代は江戸から明治へ。変わりゆく夫婦の形を描き出す。
直木賞作家による「離縁・離婚」連作短編集!
□□こんな夫婦のもめごとが……□□
・夫の借金のせいで、嫁入り道具を売られそう。
・妾と一緒になりたい大店の婿。しかし妾はそれを拒否しており……。
・勝手に年季五年の歩兵となった夫。そんなに待てないので別れたい。
・遊女屋から身請けされたが、その相手と手を切りたい。
・夫婦ともに離縁に同意しているのに、舅の反対で離縁できない。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
江戸時代末期のいわゆる駆け込み寺のお話しで、意外とベタな時代物だなと思って読んでたら、やはり川越宗一氏、江戸時代から明治にかけての時代に翻弄される庶民、武士といった人々の視点が入ってきて、なるほどひと捻りふた捻りある内容になってます。
Posted by ブクログ
直木賞作家川越宗一さんによる連作短編時代小説
どんなん書くんやろ?思って読んでみたら、なんかひっじょーにきれいな構成でびっくり
逆に優等生すぎて若干物足りない印象
わいはほら破天荒タイプやから
でも本当に無駄なくまとまっている技術?には素直に感心もしました
全部の文字が最後に繋がっている
幕末から維新にかけてって時代も得意なのかもしれん
この激動の時代に夫婦のあり方や女性の置かれた境遇や考え方がちょっとずつ変化していく感じが、上手く表現されていたように思います
唸りました
Posted by ブクログ
井上ひさしの「東慶寺花だより」のような話かと思って読み始めたが、章が進むにつれて時代が変わっていくところが当作品の要であると気づいた。
新旧の時代の狭間で離縁の手続きに難儀する人々。特に「谷を渡る」では、御一新後の政府の混乱のせいで東京と上州を何度も行ったり来たりさせられる。
明治に変わった頃は実際にこんなことがあったのだろうか。法が整わないままに政治の主体も区分も頻繁に変更されたのだとしたら、この話どころではない大変な事態があったとしてもおかしくない。
女性から離縁を願い出ることが困難で、どれほどの女性たちが一生を我慢づくで過ごしたのだろうか。