感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
10代で書かれたものとは思えなかった。
傍からみるとどうかしていると思うくらい強烈な感情を抱いている主人公の様子が淡々と綴られている。コントロールできない強い感情が愛情とは矛盾した行動をとらせるが、それが「僕」の未熟さや利己的な執着心を感じさせた。
最後、ジャックと子どもの行く末に希望を見つけたように思うが、寂しさが漂っていて印象的な終わりだった。
Posted by ブクログ
話の展開はそんなにないものの、独特で美しい比喩表現があちこちにあって言葉選びに感心してしまった。
第一次世界大戦中で、夫不在の家が多かったとはいえ、不倫に対して双方の家族の対応が甘すぎる気もしたけれど、当時このようなことはよくあったのか。
早熟だけど未熟な15歳の心理表現がすごい巧みだった。
Posted by ブクログ
三島が憧れていたと知り、手にとった。
単純な筋ながら、引き込まれた。
最後の一節が特に印象深い。
ただ、新訳だからか、少し言葉が軽い感じがした。
Posted by ブクログ
主人公が人妻と道ならぬ恋に堕ちる、というあらすじそのものはありふれたものだけれど、この作品の背景には絶えず「戦争」という非日常が影を落としている。破滅の先を見てみたいという取り憑かれたような衝動、破壊を目にする時の高揚感、「子ども」というレッテルと自身の内側の感情とのギャップ。エロスとタナトスの甘美さを味わうのは、優れた小説の中だけでいい。強いて言うなら、マルトの最期のエピソードにもう少し余韻が欲しかった。新潮文庫版も読んでみようと思う。