【感想・ネタバレ】ワーニャ伯父さん/三人姉妹のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「ワーニャ伯父さん」といい「三人姉妹」といい、登場人物すべての背中が重い・・・
「ワーニャ伯父さん」ではソーニャ、ワーニャにスポットがあたり最後のコメントが強烈に記憶に残るが、ワーニャが憎んだセレブリャコフもソーニャが失恋したアーストロフも否、全ての登場人物が幸福になっていない。
「三人姉妹」も同じ。希望が絶望に変わってゆく。
しかも、最後の台詞に強引なる希望のようなコメントではなく、「それでも生きていかなくてはならない。」「私たちの人生、まだ終わりじゃないの、生きていきましょう」と残りの人生片方の翼がもぎとられもう決して飛べないのに「そのまま」生きていこうとするのだ。ロシアだから「バーン!!」とやってしまえば・・・
だが、悔いの無い人生だけではなく思いっきり悔いの残る人生、全く思い通りにならず失敗ばかりし、人に嘲笑され、尊敬されず道端で倒れ誰も助けてくれず死んだとしても「あれもそれも人生だ」と言ってくれているような気もする。

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2012年07月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ものすごい閉塞感が溢れる戯曲。かみ合わない会話、実らない恋、中年の危機。生きていく意味を見いだせない空虚さを抱えた登場人物がたくさん出てくるが、同時に「人生に意味なんてない」という答えと「でも生きていかなくてはいけない」というあきらめが語られている。救いも希望もないけど、あきらめはあるのだ。
今ちょうど仕事を辞めたばかりで日々もやもやそわそわしてるので、三人姉妹のイリーナの「人間は誰でも、骨身を惜しまず、額に汗して働かなくてはならないって。人が生きている意味も目的も、その人の仕合わせも歓びも、そこにあるの。」という台詞には肩身の狭い思いがした。でも、働いてみたって後のイリーナのようにただただくたびれて虚無になって、生きる意味も歓びも実感できないんだけどね。
個人的にはワーニャ伯父さんのような生きていく意味が見いだせないという辛さよりは、チェーホフ自身の「人生に意味なんてない」というあきらめのほうが共感できる。鬱にただ耐え続けることが人生というこの感じ、そうありたくはないけど水のように自然に飲み込めるんだよな。寒い地域出身の鬱っぽい人間だからか、ロシア文学は昔から危険な親和性を感じるし、たぶん読まないほうがいいのだろう。どんどん暗くなるほうに引っ張られていく。

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2024年02月24日

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