あらすじ
競馬を愛してやまない著者が贈る夢の物語
途絶えさせない、名馬の血筋は――。
直木賞受賞作『少年と犬』の著者最新文庫!
引退間際の崖っぷち競走馬が繋ぐ、愛とロマンの痛快作。
【あらすじ】
亡き兄が遺した競馬バーを営む葵。
ある日競馬場で、芦毛の馬・ウララペツに一目惚れにも似た感情を抱く。しかし、名高い血筋を引くにもかかわらず、戦績の振るわないウララペツは処分されてしまいそうに。葵は、自ら馬主になり、ウララペツを種牡馬にする覚悟を決めるが……。
単行本 2023年10月 文藝春秋刊
文庫版 2026年8月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
馳星周『ロスト・イン・ザ・ターフ』文春文庫。
『黄金旅程』に次ぐ競馬小説。と思ったら……
自分自身は競馬には一切興味が無い。昔、ディック・フランシスの競馬ミステリーを読んでいたこともあるのだが、馬券を買うどころか、競馬場に足を運んだことが無い。従って、『黄金旅程』を手にした時も読むのに抵抗があったのだが、読んでみると非常に面白い作品だった。
さて本作。競馬を知らなくてもロマンを感じる、なかなか面白い展開で物語は進んでいくのだが、メインストーリーは何とラブコメであった。馳星周が時代小説に挑戦した時にも驚いたが、今度はラブコメということで、腰を抜かしてしまった。
笑いあり、涙ありのなかなか煮え切らぬ男女の仲にイライラしながら、読み終えての爽快感。馳星周のラブコメも良いではないか。
『ロスト・イン・ザ・ターフ』という意味深なタイトルはブラフだったようで、見事に引っ掛かってしまった。
ある日、亡き兄の聡史が遺した競馬バー『Kステイブル』を営む倉本葵は、競馬場のパドックで目にした芦毛の競走馬ウララペツに一目惚れしてしまう。それ以降、ウララペツが出走するレースには必ず通っていた。
しかし、メジロマックイーンのラストクロップという素晴らしい血統を引きながら戦績の振るわないウララペツに引退の噂が流れる。戦績が振るわずに引退した牡馬は食肉にされる運命なのだが、葵は、亡き兄の親友の前島芳男の勧めもあり、自ら馬主となってウララペツを種牡馬にする覚悟を決める。
伝手を辿り、変わり者の馬主の穴澤からウララペツを僅か10万円で譲り受け、さらには種牡馬にするための資金の支援を受けることになった葵は、前島と共にウララペツを受け入れる牧場を捜すために北海道の日高へと向かう。
本体価格990円
★★★★★
Posted by ブクログ
東野圭吾『白夜行』の解説を馳星周が書いている。
東野圭吾にノワールは書けるのか?
書けるんだな!
丁度、その逆みたいな感じ。
東野圭吾の守備範囲みたいな作風。
ノワールの馳星周が?!
そして競馬のサラブレッドみたいに見事に物語は駆け抜けてみせた。
新境地? ではない。
馳星周が元々持っている興味のある事に素直でいるに貫かれつつ狙った通りのラブコメになってた。
自分は競馬はやんない人だし、さして興味もない人間だけど、細かい事知らなくても読める工夫はちゃんとしてあって面白く読めた! 流石、馳星周。