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Posted by ブクログ 2012年11月20日
私は、子供のころからのタイガースファン。 関東地方出身で周りは巨人ファンばかりだったが、なぜかずっと阪神一筋であった。
とくに子供のころは弱い阪神をずっと応援してきて、なぜ弱いのか? ということもよく考えたものである。 実際に自分も野球をやっていたので、戦術的なこともいろいろ考えていたものである。...続きを読む
著者の野村克也氏は、阪神タイガースの監督3年間勤めたわけだが、周囲の期待に応えられるような成績は残せなかった。 ただ、野村氏の野球に対する考え方はとても好きで、この書籍も書店で見つけてすぐに購入した。
内容としては、かなり生々しい阪神という球団の本質が書かれており、一気に読み終えてしまった。
感想としてはやっぱりな、という感じ。 野村氏のあと、星野仙一氏が監督を継ぎ、タイガースを優勝まで導いたわけだが、私は野村氏の3年間があってのことだと思っていた。
星野氏もそのように発言することが多かったが、それは間違いないであろう。
タイガースファンとしてこういう言い方はしたくはないのだが、阪神タイガースの選手は、頭を使うことが苦手であると思っていた。 ヤクルト時代の野村氏の戦術をみてもわかるが、超一流の選手は少ないにもかかわらず、適材適所で選手を使い、何をやってくるかわからない、というイメージを植え付けられた。
ところがタイガースではそれができていなかった。 ただ打つだけ。投げるだけ。 野村監督3年間を見ていて、タイガースはイケイケドンドンの野球しかできないんだろうなぁ、と思ったものである。
タイガースは大人の考え方をできる選手がいなかった。 単純明快な野球しかできないのである。 今を見ていてもはっきりわかる。
ヤクルトのスター選手だった池山は、ブンブン丸といわれ、三振か本塁打かというID野球にはに使わない選手であったが、彼でさえ、ミーティング中、メモを取りつづけ、膨大な量のノートを今でも財産としてもっているそうである。
ところが、タイガースの選手はミーティング中、メモをとる選手は皆無に近かったようである。 お話にならない。 だから今でもここぞ! というときに、何もできず、少し負けが込むとどうにも修正がきかなくなるのだ。
おもしろいエピソードのもう一つに、タイガースの左のエースとして在籍していた仲田投手はFAでロッテに移籍したが、ミーティングの長さの違い、メモをとることの重要性にはじめてきがついたそうです。
タイガースが歴代、どれだけ「知」を無視してきたかがわかるものである。
現在の監督の岡田は、「バントはアウトを一つ相手にあげてしまうのでもったいない」という発言をしていた。 野村氏はそれを聞いて唖然としたそうだが、私も岡田が監督になった時点でタイガースは低迷期に入ると思っていた。
実際は、金本という中心選手がいるおかげで常に上位にいられるが、内容のない試合は相変わらずだ。
ただ、この書籍を読んで一番驚いたのはフロントの考え方。 「優勝すると選手の給料を上げなくてはならない」ということを言っていたそうだ。
野村氏が要望した選手も金がかかると取ってくることもなく、挙句の果てにはドラフトの指名選手も知らされなかったらしい。
それが大きく変わったのが星野氏になってから。 フロントが変わり、星野氏がまたうまく動いたことで、有能な選手を多数獲得できた。 今、タイガースがAクラス常連になれているのはそのおかげであろう。
ただ、岡田監督ではあまりにも非力。 野村氏のように知性があるわけでなく、星野氏のような力量もない。
デコボコだった道を野村氏と星野氏が舗装して、その上を岡田が通っているだけ。。。まるで自分が名将のような顔をして・・・
このままではまた元のダメ虎に戻ってしまいかねない。 オーナー、選手、ベンチ、そしてファンが一体となって、タイガースを常勝軍団にしていければよいのだが・・・
Posted by ブクログ 2010年11月23日
2008年2月初版ですが、阪神ファンは絶対必読!
激辛だが、プロならば当然のことが平易な言葉で書かれています。
あなたがこれを読まなきゃ、阪神は真の常勝球団たりえない!
Posted by ブクログ 2009年10月07日
元阪神監督、野村克也氏が、阪神が負ける理由を、フロントから監督、選手、スポーツ新聞、ファンの気質など、あらゆる角度から分析した一冊。
自分自身、阪神ファンとして反省すべき点に気付かされるとともに、ぜひ真弓現監督にも読んでいただきたい!
Posted by ブクログ 2009年10月04日
巨人軍論と合わせて読むと改めて阪神という組織のだめっぷりが分かってしまう一冊でした。
どこが駄目って全部駄目すぎる。
監督も選手もファンもオーナーも球団も親会社も。
それを思うと今の阪神は全ての面で良い方向に向かって居るとは思います。
そういう方向へ向けてくれたのがノムさんであり、星野さん。
ただ、...続きを読む真価が問われるのは岡田さんであり、これから先の阪神の姿。
願わくば今シーズンそういう本当の意味での強い姿を見たいものです。
Posted by ブクログ 2012年05月06日
なんで阪神の監督として失敗したのか、
それが実によくわかりました。
逆に、星野は良くチームを変えたな、
と正直そう思えてしまいました。
となると、楽天での立場の逆転はどういうことなのか。
実に興味深いですね。実に。
Posted by ブクログ 2012年02月27日
プロ野球チームだって、人間が集まっているから性格ができる。
正直言って、ノムさんの言うことが本当だとすれば阪神タイガースはどうしようもない球団だ。負けるべくして負けるなんて、情けないではないか。
プロだろプロ。ちゃんとやれよ、と。
でもあながち嘘でもないんだろうなと思えるだけの成績をこの球団は残し...続きを読むてきた。そして、ノムさんが言うあまりよくないファンを僕はしてきた。
阪神への盲目的な愛。でも、これはもうそうなっちゃったからには仕方ないのだ。愛は盲目なのだから。
今僕にできるのは、冷静に阪神を分析し、冷静に愛し、冷静に批判できるファンになること。こりゃ苦しいシーズンになるぞ!
Posted by ブクログ 2010年06月30日
[ 内容 ]
敵将が徹底分析した前代未聞の阪神タイガース論。
敗軍の将だからわかった復活のための「野村の考え」。
[ 目次 ]
第1章 阪神が“ダメ虎”だった理由(最大のガンはスポーツ新聞 「悪いのは監督」の大合唱 ほか)
第2章 なぜ、阪神監督で失敗したか(久万オーナーの一言 エースと四番の不在...続きを読む ほか)
第3章 阪神に伝統はない(感じない伝統 私が選ぶ歴代ベストナイン ほか)
第4章 阪神を星野、岡田は強くしたか(阪神には“理”よりも“熱” 星野の持つ鉄拳と人脈 ほか)
第5章 阪神は変わったか(金本という中心 改革のメスが入った編成部 ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ 2009年11月01日
阪神が80年代後半から2000年代初めまで、なぜ暗黒時代を経験したのか、さらに巨人のV9の時期にはなぜ万年2位のチームだったのか、ということが分かりやすく解説されています。
「阪神タイガースという球団は、歴史的に見ると伝統があるように思うけれども、実際には巨人のほうがはるかに伝統があるように感じ...続きを読む、全く阪神には伝統を感じない」と、野村氏は語っています。
その理由は、本書に詳細に書かれていますので、ここでは書きません。
さらに、野村氏は「巨人軍論」(これも前述の書と同じ出版社)という本も著していますが、本書はそれとも大いにかかわっており、もし読むなら、「巨人軍論」を先に読むことをお勧めします。
まあ、我々阪神ファンの言いたいことのほとんどが書かれていますので、ぜひとも阪神フロントに読んでほしいです。そして、今不調にあえぐ今岡選手にも読んでもらいたいです(今岡選手のことも本書で触れられているので)。
それと同様に、「巨人軍論」は巨人フロントに読んでほしいです。巨人について野村氏は、「優勝するためにはバランスが必要であり、それを考えない補強をするから優勝できない」という趣旨のことを述べています。しかしながら、ある意味で巨人のやり方は正しいとも言っています。
Posted by ブクログ 2009年10月07日
ご存知、ヤクルト・阪神で監督を務め、現在は楽天監督の野村克也氏(以下ノムさん)の著作。
日本一にも輝いたヤクルト時代に比べ、
阪神タイガースの監督時は下位に低迷し、挙句の果てにサッチ−の脱税で解任されたノムさん。
・阪神が低迷したワケ
・なぜノムさんは阪神で失敗したか
・阪神に伝統はない
・後任...続きを読むの星野、岡田監督について
・阪神は変わったのか
などを中心に阪神について熱く語っている。
ノムさん好き、阪神ファンの方は是非。
個人的には
「野村政権の時に阪神ファンになった」&「赤星や井川の獲得、抜擢」などを理由にノムさんは好き。
Posted by ブクログ 2011年10月14日
2008年2月
野村監督の本は6冊目。
今回は阪神タイガースについて。
「中心なき組織は機能しない」
阪神には昔からありとあらゆる中心が役不足であるにも関わらず、マスコミやファンにちやほやされてきた。メディア、ファンによる責任が大きい。子供を甘やかす親と同じですね。
人気もあるから勝つ必...続きを読む要も無かったんです。あるスカウトが漏らした話だと「優勝争いして2位になるのがベスト。給料あげなくてすむし。」と球団側が言っている。そんなんで強くなるわけないですね。
いい意味でも悪い意味でも阪神タイガースを知り、負ける理由、負ける伝統がわかる一冊です。
これ読む前に野村克也監督の
「巨人軍論」
読んだら理解度が増すかもしれません。
Posted by ブクログ 2011年07月06日
野村監督の新書は、同じような引用があるが、題名は異なることが多い。この本は、阪神がどうして再生しないか、関西の有名だからこそ、なかなか大成しない。
阪神のようなところでは、野村さんの理論派よりも、鉄拳制裁の星野さんがあうことが自分でも書いている。やっぱり相性なんだよね~。
Posted by ブクログ 2011年06月16日
野村監督の阪神論。
阪神では、度重なる内紛や派閥があるなんてマジで意外。
能力が無いのにもかかわらず、タニマチやスポーツ紙が選手を持ち上げることによって、実力を見誤るのも知らなかった。今は、あんまりないのかもしれないけど。
阪神球団と親会社の阪神電鉄の関係が、阪神電鉄が業績のいい球団に金を借り...続きを読むに来る関係ってのも意外。
阪神の監督は、確かに生え抜きだらけで外様がいないのもいわれてみればそう思った。その上、外様もなかなか成績も出せないてのもいわれてみれば…
フロント、特に編成部の能力も低レベルらしく、即戦力はとってこない上に、現場の声をスルーしているらしい。
このようになる原因が、球団に来る人間が、親会社からの出向でほとんどの人間が、2、3年で戻ってしまうため、本気で球団を強くしたいと思う気もないらしい。
「人間はどん底まで落ちれば、意識が変わる。が、心地よいぬるま湯に浸かっていれば、いつまでもそのままだ。磯部も今回のことで、中村のように、改めて自分の本当の評価を身にしみて知らされたと思う。心を入れ替えれば野球に取り組む姿勢も変わり、選手寿命はまだ延びるはずだ。」
→これは、中村紀洋選手の2006年のリストラ、礒部公一選手の2007年のFAの件。
個人的には、野球選手のことより、最初の1行が胸に突き刺さった。
自分もおそらく今、どん底?(またはもっともっと下に行ってしまうかも?いや、下に行かないようにするが。)の状態だと思うけど、少し、世の中の見方、考え方、意識が変わりつつある気がする。
心地よいぬるま湯ではそのままってあるけど、それすらも気づいていない状態だったのかもしれないと思った。
野村監督は、深いと思う。
同じようなフレーズで、
「1度どん底まで落ちた選手は、『何とかもうひと花咲かせたい、このままでは終われない』という気持ちが強い。だから、アドバイスに素直に従うし、懸命に野球に取り組む。」
→これも心にぐっときた。
野村監督は、阪神をフロント、選手、マスコミを変えようとした。でも、例えば選手であれば、そこそこの給料をもらえて、周囲がおだててくれるから、心地よく、変わる必要がなかったそうだ。相当、変えることが難しかったのだろう。それで、結局、奥さんの問題もあわせて退任した。
やはり、1度ぬるま湯に浸かると、なかなか変えられないようだ。広く一般的に言えることだと思う。自分もそうだった。ぬるま湯に浸かっていることさえ気づいていなかった。
しかし、ヤクルト時代であれば、古田敦也選手、池山選手に対して相当厳しく当たったらしく、彼らは悔しさをぐっと押さえ、努力をし、チームの中心選手となった。この二人を見習わなければいけない。
星野仙一監督の鉄拳と人脈についても触れられていた。
星野監督は「こわさ」があり、闘将として恐れられていた。でもそれは一面に過ぎず、「政治力」も相当優れていたらしい。彼は、相当交友関係が広く、例えば野球選手を引っ張ってくるルートがたくさんもっていた。世渡りも非常にうまく、中日時代から財界人とのパイプも太かったそうだ。「じいさんキラー」といわれるように先輩にもよくかわいがられ、メディア対策、OBの懐柔もうまく、気配りの人でもあったそうだ。
→このことも非常に勉強になった。一面的ではなく、多面的にみる姿勢。
気配り。
でも、変な話、星野監督にメディア、OB、財界は手玉に取られていたわけでもある。かつそれに気づいていない。気づいてれば、なんらかの対応をするはずだし。監督はともかく、どうなのかなぁ…
プロ野球2軍と、社会人野球の違いにも触れられていた。社会人野球は、ほとんどの試合がトーナメントで負ければ終わり。よって試合への真剣さが2軍と違う。かつ、社会人野球の選手は、企業の広告塔の役割と、社員に一体感を与えて士気を鼓舞するための機能を担っている。負けたらその役割を果たせないため、ほとんど仕事をしないでいい代わりに、プレッシャーがプロの2軍の比ではない。その上薄給で、かつ現役選手でなければ会社にいづらくなるので、結果を出そうと死に物狂いになるそうだ。
プロ2軍であれば、特に阪神だと、給料も良く、周囲におだてられるから、いくら才能があっても、どんどん潰れていく。要するに、社会人の方が厳しい環境であったのが本当に意外だった。
最後に、野村監督の著書は、非常に的を得ていて分かりやすい。勉強になることも多く、本当に良かった。
Posted by ブクログ 2010年12月29日
08020
やっぱり、阪神ファンとしては読まなくちゃいけないだろうということで購入。
組織論やリーダーシップについて学んでいる立場からしたら、学びもあったかな。
ま、それはさておきよくぞここまで辛辣に阪神のことを
語ってくれやがったなって感じだ。
しかし、当たっているだけに言い返せない・・
...続きを読む阪神がなぜダメ虎だったのか、
なぜ阪神監督で失敗したか、
などのあたりはこっちも分かっていたので再確認と
いった感じか。
阪神に伝統はないといった部分は改めて知った部分。
そうだったのかという思いと、巨人と比較して
こてんぱんに書かれているところが腹が立つ!
最後に不安にさせるのが、岡田監督ではまたもとの
ダメ虎に戻っても不思議じゃないって感じさせること。
それは、ファンも感じていること。
岡田監督が監督で大丈夫なの?って。
Posted by ブクログ 2009年11月11日
野村監督の阪神タイガースのことが綴られた本です。
阪神ファンは、ヤジを飛ばすことしか考えてないとか、
大阪のメディアは阪神が負けた翌日にはいろいろなことが書かれているとか、
とにかく面白い本でした。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
内容も緩く趣味の世界なので、ものの小一時間くらいで読めちゃいます。
従来の著書の焼き直しなので、新たなインプットは少ないかも。
今期の展望が新たに加わった感じかな(阪神ファンとしては嬉しいが)
もともと、野村克也の著書には興味があってひととおり目を通している。
TVには「しょっちゅうボヤいている御...続きを読む老体」に写っているが、
その論理はなかなか論理的で深い。中には人生訓めいた言葉もあるが、
どれも、立ち止まって考えさせるものだ。
もちろん、実際に野球をするときも配球の参考書にしているし。
その中で野球ファン以外にも通じるネタをピックアップすると、彼の書中に
「人間は無視・賞賛・非難の段階で試される。」という言葉があります。
これって野球に限らず、実社会でも当てはまることです。
実は、意識してなくても、いつの間にか実行していたかもしれません。
私も基本的に賞賛から入る人間です。
初対面の方のパーソナリティーが分からないから。
会話しながらも自らの評価軸にかけています。
ですが、悲しいかなビックリするような方もいらっしゃいます。
社会人としても人間としても。
wycoやってても交流会やっててもそれは感じます。
もう、そうなると、一つ段階を下げて無視です。一切無関係サイナラってな具合で。
聞く耳持たない、救いようのないアホに費やす時間はナンセンスですし。
より親密度が増し、よりその方の成長を願う段階になると、今度は一転して非難。
ただ文句を述べるのではなく、
どこをどうすればさらに良くなるのか。
よく「愛情がなければ本気で叱れない」って言いますよね。アレに近いかな。
仕事柄、この辺の判断が人より早いかもしれません。
スッパリと判断しますしね。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
題名と「阪神ファン、必読」のオビにつられて買ったんですが
なかなか辛口の内容でした。球団やファンの体質を痛烈批判してるんで、気を悪くしてしまう方も多いかと思われます。
が、なるほどねぇ 納得させられるところも多々ありです。
会社や組織の染み込んでしまったもの根本から変えることの難しさや挑戦する姿は、...続きを読むタイガース本としてだけではなくビジネス書としてもおもしろく読めると思いました。
それにしても、実名バンバンの内容は生々しいというか・・・説得力がありますなぁ。。。