あらすじ
苛酷な「第二の人生」を生きた男たちの記録。
「俺たちは何のために戦ったのか――」
敗戦によって突きつけられたのは、あまりにも苛酷な「第二の人生」だった。
BC級戦犯容疑から逃げ延びた海軍少佐 山辺雅男
存在自体を消された「桜花発案者」 大田正一
真珠湾攻撃で捕らえられた「捕虜第一号」 酒巻和男
薬づくりに人生をかけた特攻隊の生き残り 内藤祐次
「牛たん」を仙台名物にした元零戦搭乗員 大川原要
慰霊と巡拝に後半生を捧げたベテラン戦闘機乗り 角田和男
他に源田実、水木泰、福山孝之、湯野川守正の波乱万丈の人生、柳瀬千尋の軍歴、ネイビー会でのこぼれ話も収録。
これまで500人以上の元軍人・遺族にインタビューをしてきたジャーナリストによる、歴史を「正しく知る」ための一助となる貴重な記録集。
戦争をじかに戦った軍人たちがどのように生きたか。それを知ることは、令和を生きるわれわれにとっても、反面教師をふくめた貴重な道標になるだろう。(「はじめに」より)
(底本 2026年7月発売作品)
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Posted by ブクログ
太平洋戦争終結から81年。この戦争を経験した人達は大半が鬼籍に入り、戦争を自分の記憶として語れる人は僅かになった。私が幼い頃はまだまだ戦争の話をしてくれる親戚も居たが、そうした人達ももう殆どが亡くなられてしまった。特に戦争を軍人として経験したとなると、当時一番若くても16歳程度であるから、生きていれば100歳くらいになっているはずである。当たり前ではあるが、今後年月が進むに連れ益々減っていく。そしていつかは誰もいなくなるだろう。
高市政権になって軍事費の増加や台湾有事発言など何かときな臭いニュースが流れることが多くなった。なんだか知らないうちに戦争に連れて行かれそうで不安になる。私の年齢では流石に戦場に連れて行かれる事はないだろうと安心し切っていると、ロシアが侵攻したウクライナでは50を超えても兵士として戦っている。最早、戦争は画面越しにドローンを操縦する様な、まるでゲームの世界に変わり、体力などなくても戦える時代になった。現在もなお、ウクライナをはじめとする戦場になった国々では、かつての日本がそうした様に、された様に「敵」を蹂躙し、仕返しとばかりに蹂躙されている。
本書はその様な不安に苛まれる私に、不戦の誓いを立てさせる。人は二度と戦争をしてはならない。本書に登場する人々は戦争を体験し、戦後をどの様に生きたか。死んだ仲間を生涯弔い続けた男。二度と戦争に近づかないよう平和にひっそりと生きた男。戦犯容疑から逃げ続け地下世界に潜った男。自分の犯した過ちを隠し続け、政治の世界にまで飛び込んだ男。戦後を様々に生きた男達を描くのは戦争体験者数100名にインタビューし、多くの書籍を残し続け、戦争の記憶を繋いでいく神立尚紀氏だ。氏の書籍はこれまで何度も読んできたが、経験者から集めた言葉の重みには毎回圧倒される。今回も期待を裏切らない内容となっている。
終戦記念日を間も無く迎える。勿論私はそれを経験した事はないが、こうした書籍から得られる言葉を噛み締め、2度と平和を壊さないよう記憶に深く刻み続けたい。