あらすじ
「……君の辛い思い出も、傷ついた心も、何もかもを受け止めてあげたい」――社会人一年目の一朗の教育係は、ヨーロッパの王侯貴族を思わせる外見に反して日本語ぺらぺらのウィル。しかしあるトラウマを抱える一朗は、何かと世話を焼いてくれるウィルに対し冷たい態度を取ってしまう。気まずい関係のまま仕事で遅くなった夜、ウィルの家に行くことになった一朗。だが苦手なはずの彼の胸に抱かれ、不思議と心が安らいで……。
番外編『リベンジ ~revenge~』、『隅田川より愛をこめて』、そして紙書籍発売時、フェア用に書き下ろされたSSを収録した完全版!!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
日本生まれ/育ちのハーフ:ウィル×大学入学まで海外を転々とした日本人:一郎
面白い構図で、一気に読めた。
短編が何個もという形なのもあまり読んだことなかったから話の深み的にどうかと思ったけど、うまく纏まっていると思ったし、確かに「もうちょっとここ深く知りたい」と思うところもあるけど、それは読み手の想像で補うしかないかなぁと。
日本人形のような綺麗さを持つ一郎なのに・・・「ファックユー」ww
外人コンプレックス、しかもアメリカの同級生に性的に苛められ、煙草を押し付けられたやけどの痕。
そこに現れた会社の研修担当がまさかのハーフのウィル。
最初は恐怖で返事もそっけなく、周りとうまくやれない一郎を広い懐で我慢強く向かい合うウィル。
家族の話とか、ショートストーリーそれぞれすごくいい話で、穏やかな話だった。
といっても、おじいさんの頑固さが溶ける話は、泣きそうになるくらいいい話だったし、ショートとはいえ充分伝わった。
しいて言えば・・・・・続きが読みたいww
悪い人がいないし、精神的に辛い思いをしてきた二人が周りをも幸せにするくらい仲良く思い合う関係になってこの先もっともっとみんなと幸せになって欲しいなぁと。
2人の背景は決していいものではなく、辛い思いをしてきたけどとても心温まるいい話でした。
しかし、一郎君の日本語・・・・ww
Posted by ブクログ
外見はヨーロッパの貴族で日本生まれの日本育ちのウイルとハイスクールまで海外にいて日本語の上手くない日本人形のように綺麗な一郎のお話。
ウイルは一郎の会社でのお世話係なのだが、何故か一郎はよそよそしくて中々心を開かない。それはハイスクール時代に受けた仕打ちがトラウマになっての事だったのだけれど。
ウイルも人好きのする気遣い屋さんなのだが、育ちに辛いものを抱えていて。
皆、重いものを抱えていても前向きに今を生きている姿勢がよかったです。
なにより、みずかねりょうさんの絵が本当に綺麗~
この方、ヨーロッパの貴族を書いたら凄いのではないでしょうか☆
2005年に書かれた作品の文庫化のようです、一気に読めました♪