あらすじ
橘英彦は、同期の中でも異例のスピード出世を果たしたエリートサラリーマン。その英彦が出張先で不本意ながらも再会してしまったのは、数年前に三くだり半を叩きつけた元恋人・有堂だった。傲岸不遜で厚かましくて無神経で、そしてどうしても忘れられない男――。別れた時と全く変わっていない有堂に、英彦は再び振り回され!? 書き下ろし短編も収録!!
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
軽いノリがよかった
私の大好きなつきあって別れてからの再会もの。傲岸不遜で服脱ぎ散らかして足ふきマットをびしょびしょにするような最低なやつだけど、行動力があって有能で情に厚い有堂(攻め)と、そういう有堂を最悪だと思いつつ惚れた弱みで振り回されてるようで自分も有堂を振り回してる主人公英彦(受け)とのやり取りがテンポよく展開されて軽い感じで楽しめた。英彦は有堂に振り回されてはいるけど、負けてるわけでも弱いわけでもないし、彼自身いざというときは大胆な行動に出られるし、サラリーマン的なちょっとしたずるさもありつつ、いい人すぎないけど仕事に対して誠実っていう感じがよい。どんな小さな案件も手を抜かずに取り組むって大事。私はすぐ手をぬくから見習いたい。有堂はほんと私からするとこんなやつ絶対一緒に生活したくはないけど、太っ腹だしいざというとき頼りになるやつだから、好きになる気持ちはわかるけど、家の中でたばこ吸われて部屋汚された時点で私なら百年の恋もさめるね。たとえどんなに有能で顔がよくても、生活ってなると別問題。そういうダメなやつに心底英彦は惚れてるし、有堂もかわいげはあるから、お似合いな二人のけんかのようなのろけのような言い争いが楽しい作品ではあった。かけがえのない存在としてお互い認識しつつ、二人とも仕事に一生懸命で平気で半月会えなかったりするところも、なんかよい。エロは有堂の雰囲気がわりと荒々しく感じられて、乱暴というのとは違うんだけど、ちょっと私の好みとは違った。でも英彦は喜んでいて、愛はあるし決して不穏なエロではないのでまあまあといったところ。あと「いろっぺー」という単語を久しぶりに見た。最近みかけない気がする。
Posted by ブクログ
橘英彦は、三十代にして課長という同期の中でも異例のスピード出世を果たしたエリートサラリーマンだった。
そんな彼が出張先で、不本意ながらも再会してしまったのは、数年前に三行半を叩き付けた同棲していた元恋人・有堂だった。
彼は、傲岸不遜で厚かましく、部屋の片付けもしない、それどころか服は脱ぎっぱなし、ビールでさえも自分で取らず、英彦のことを顎で使う。
そんな無神経な男だったけれど、英彦はどうしても彼のことを忘れられずにいた。
有堂は、学生の頃にすでに起業していて雑誌にも載る成功者。
そんな有堂の存在が、親からの仕送りで生活し、汗まみれで就職活動を続ける英彦のコンプレックスを刺激した。
ところが、再会した有堂はかつてとまったく変わっていなくて、英彦は再び振り回されることになる。
けれど、それでもどうしても決して有堂のことは嫌いになれなくて……
という話でした。
有堂は家事能力はまったくないけれど、情に厚い上に、冷静な判断もできるので、仕事はすこぶる順調。
おまけに、飽きたからと言って、結局軌道に乗っている仕事を簡単にあっさり投げ出してしまう。
それが、異例のスピード出世とはいえ、所詮サラリーマンにしかなれなかった英彦のコンプレックスを刺激する――。
けど、どれだけイライラさせられても、結局のところ好きだから許してしまう……という感じの話でした。
むちゃくちゃ男に振り回される真面目で潔癖な受け。
かわいそうだけど、ちょっと萌えました。
わが身だと、嫌ですけど、他人事だったら楽しいですよね。