あらすじ
【小説すばる新人賞 受賞後第1作!】
俺は本来、ランナーを名乗ってはいけない人間だ。
己の役割も知らず、ロードの上を幽霊のように今もこうして彷徨い続けている。
実業団の長距離ランナー・柴田光輝は、脚の故障により選手を引退した。
しかしそれは不慮の事故ではなく、終わりなき競争の日々に疲弊した柴田自身が仕組んだものだった。
思惑通り実業団を辞めることに成功した柴田だったが、
地方の保険営業所に異動させられ、悪質な保険セールスに携わるなか、次第に精神をすり減らしていく。
そんなある日、柴田は「ブラインドランナーの伴走者をやらないか」と誘われ、再び陸上の世界に舞い戻ることに。
それは「なぜ走るのか?」という問いに向き合う旅路のはじまりでもあった。
己の存在証明にひた走る、
ひとりの青年の軌跡を描いた異色の青春譚。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
面白かった。
みんなそんなに立派じゃないよね。
いくら華やかな世界にいても、みんながみんな目標を持って頑張っている訳ではなく、また、目標が達成されている訳でもない。
でも、好きなことは好きだし、落ち着いて周りを見れば助けてくれる人もたくさんいるんだろうね
そんな当たり前なことが身に染みたストーリーでした。
Posted by ブクログ
【小説すばる新人賞 受賞後第1作!】
俺は本来、ランナーを名乗ってはいけない人間だ。己の役割も知らず、ロードの上を幽霊のように今もこうして彷徨い続けている。
実業団の長距離ランナー・柴田光輝は、脚の故障により選手を引退した。しかしそれは不慮の事故ではなく、終わりなき競争の日々に疲弊した柴田自身が仕組んだものだった。思惑通り実業団を辞めることに成功した柴田だったが、地方の保険営業所に異動させられ、悪質な保険セールスに携わるなか、次第に精神をすり減らしていく。そんなある日、柴田は「ブラインドランナーの伴走者をやらないか」と誘われ、再び陸上の世界に舞い戻ることに。それは「なぜ走るのか?」という問いに向き合う旅路のはじまりでもあった。己の存在証明にひた走る、ひとりの青年の軌跡を描いた異色の青春譚。
(中央公論新社 書籍内容より)
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
著者さまは 私の大好きな一冊「正しき地図の裏側より」で小説すばる新人賞を受賞した逢崎遊さん♡
その逢崎さんの新刊ー!と思い手に取ったこの本。
運動が好きでもない私が 友達の付き添いで陸上部に入ってしまって後悔したのだけれど、
柴田は長距離走で輝かしい記録をだしながらも、走ることに意味を見つけられず苦しむ青年。
生まれ持った足の速さで、進学先も就職先も決めてしまう柴田。しかし、本人は走ることにも 良い成績を収めることにもなんら執着はなく、本気で陸上と向き合っている周りとは共感しあえない。
故意に膝を故障させ陸上を離れることに成功するも、陸上選手として就職した保険会社では左遷させられ、ブラックな業務により精神を病んでいく…。
そんな折、かつての先輩からブラインドランナーにならないかと誘われる柴田。
私はここで、走ることの意味に目覚め 生きる希望を取り戻す!みたいな話になるのかと思ったのです。
違いました。
視力をほぼ失ったランナー座間を 神のように崇める「チーム座間」と、座間本人の在り方に疑問を感じた柴田は、試合中とある暴挙に出て座間の前から姿を消す。
そして仕事を辞め(休職だったかな?忘れちった)故郷に帰り、走ることもすっぱり辞め そこでやっと平穏な日常を取り戻す。
かのように見えたが…。
「俺は やっぱり走ることがそこまで好きじゃないと思った」
「それでも俺は、走り続けるだろうと直感した」
柴田がそれでも走り続ける理由に
ちゃんと頭が追いついていかない私でした。
周りの期待を背負い、己の記録を超えるために走る陸上選手にはなれない。
けれど走ることでしか得られないものが柴田にはある。
ということなのか。
『この両脚がある限り、俺は成仏できないのだろう。
それがどこか幸運なことにも思えて、今は少し笑えた。』
なんでも考えすぎちゃうんじゃないか柴田。
最後はなんか吹っ切れたようでよかったね。
Posted by ブクログ
新刊コーナーにあった初めましての作家さん。
第二章の
障害者はかわいそう。
でも、それを乗り越えて新しい目標に向かってて素晴らしい。
という、
押し付けがましい善意が、気持ち悪かった。
殻を破ってゴールした2人にはエールを送りたい。