【感想・ネタバレ】なぜ「賢い人」が集まってしょうもない意思決定がなされるのかのレビュー

あらすじ

■「絶対に失敗するプロジェクト」が全会一致で走り出す
■みんなが無駄だと思っている仕事がなぜか永遠になくならない
■「すごい人」ではなく「無難な人」が社内エリートに君臨する……

――「優秀」な人が集まっているはずの組織で、なぜ非合理的な運営が繰り返されるのか?
不可思議な現象を生み出すメカニズムとは?

組織論の第一人者が、誰も踏み込むことのできなかった「組織と個人の真実」に迫る。


【本書の内容から】
・会議室に漂う「本当のことを言ってはいけない」という奇妙な静寂
・「効率的に仕事を終わらせる」ことの会社員的デメリット
・「裏の承認」を得なければ評価されない日本企業
・「自分にとって都合がいい人間かどうか」という裏評価基準
・「いかに頑張っているように見せるか」に注力し始める社員
・不正があっても「見て見ぬふりをする」という合理的選択

<目次>
プロローグ 「優秀」な人たちが組織を歪めるメカニズム

第1章 なぜ「賢い人」が集まってしょうもない意思決定がなされるのか
第2章 なぜ鳴り物入りの新入社員が凡庸な中堅社員に育つのか
第3章 なぜ社内で抜擢されるのは結局、保守的な人材ばかりなのか
第4章 なぜ時給の高い役職者が「誰でもできる仕事」に時間をとられているのか
第5章 なぜコンプライアンス万全なはずの一流企業で不正が起こるのか
第6章 どうすれば日本型組織の悪弊から脱却できるか
――「イヌ型」マネジメントから「ネコ型」マネジメントへ

エピローグ 「部下を持ったら、まずネコを飼ってみなさい」

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Posted by ブクログ

タイトルのインパクトだけで即買い。
著者は日本の組織論の第一人者であり、これまで何冊か著書を読みました。
著者曰く、本書は組織を変えるためのハウツー本ではなく、私たちがこれまで当然だと思ってきた前提を疑うために書いた本だということで、日本の組織についてかなり辛辣な分析が並んでおり、目次だけを見てもなかなか面白いので紹介します。

(目次)
・プロローグ 「優秀」な人たちが組織を歪めるメカニズム
・第1章 なぜ「賢い人」が集まってしょうもない意思決定がなされるのか
・第2章 なぜ鳴り物入りの新入社員が凡庸な中堅社員に育つのか
・第3章 なぜ社内で抜擢されるのは結局、保守的な人材ばかりなのか
・第4章 なぜ時給の高い役職者が「誰でもできる仕事」に時間をとられているのか
・第5章 なぜコンプライアンス万全なはずの一流企業で不正が起こるのか
・第6章 どうすれば日本型組織の悪弊から脱却できるか
・エピローグ 「部下を持ったら、まずネコを飼ってみなさい」

大手テレビ局の不祥事からも分かるように、本来は「機能集団」であるはずの企業が「共同体」と化し、共同体の論理が社会規範より優先されてしまう現象はままあること。
共同体化は組織の同質化でもあり、多様な個性や意見を排除するという点において危険な現象だと思います。
著者は、組織や上司に忠実・従順なようにコントロールする「イヌ型」マネジメントではなく、個人の創造性や責任感を引き出す「ネコ型」マネジメントへ転換していこうということを、組織の閉塞感を打破する処方箋として示しています。

また、著者の他の書籍とも通じる論点として、日本人は利他的・勤勉・従順である、という暗黙の前提を疑い、実は日本人は利己的であり、組織で生きていくために勤勉・従順を装っているのではないか(つまりイヌの仮面を被っている)、との疑問が呈されます。
物事を判断する際、この件について上司はどう考えているのだろう、ここで反対すると評価に響くのではないか、周囲との関係が悪くなってしまうのではないか、という表に出ない判断基準があり、その基準に基づく行動が組織内での「合理的な」振る舞いになってしまうということです。
この積み重ねがどういう結果を招くかということはご想像のとおりでしょう。

以前読んだ「知性の罠」(デビッド・ロブソン著)では、高いIQや専門知識を持つ人が、必ずしも優れた判断や意思決定をするわけではないということが示されていました。
このことを個人ではなく組織で考えてみると、組織でのそのような現象はまさに集団浅慮(グループシンク)となる危険性を孕んでいます。

データに基づく分析というよりは、著者独自の分析による主張が多く見られますが、組織のあり方を考える上でなかなか刺激的かつ面白い一冊でした。

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2026年08月26日

Posted by ブクログ

管理され過ぎるとやる気をなくす。
相手を一人の人間として接すること。
そして根底にあるのはGiveの精神が大事だと言うこと

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2026年09月16日

Posted by ブクログ

日本組織の意思決定・構造の問題を鋭く指摘。推論が多く疑問も残るが共感できる。分かっているのに直せない問題に抜本策はない。組織は生き物だ。生物進化のようにゆっくり順応する、もしくは淘汰されるしかないのだろう。

0
2026年08月29日

Posted by ブクログ

表題の1章をはじめ各章のタイトルは「なぜ鳴り物入りの新人が凡庸な中堅社員に育つのか」「なぜ社内で抜擢されるのは保守的な人材ばかりなのか」「なぜ時給の高い役職者が『誰でもできる仕事』に時間を取られているのか」「なぜコンプライアンス万全なはずの一流企業で不正がおこるのか」「どうすれば日本型組織の悪弊から脱却できるのか」‥
中でも本書のタイトルは核心を突いていると感じさせる良い題名だ。本書はそんな日本型組織の欠点を「低すぎる社員のエンゲージメント」というポイントから批判的に考察する。この「エンゲージメントの国際比較下位の日本」をどう克服できるかがキモになるのだけど、著者は構造的転換の難しさもよく理解しており、「これならできそうでは?」というかみ砕いた提案がなされる。キーワードとしては「多様性」「オープン」「フラット」。特に組織内の「裏の承認」に心を奪われる濃密な人間関係を解きほぐすことに焦点が置かれている。ただパワハラも濃密な人間関係の中で発生する上司から部下への愛情の裏返しとする説等、悪いことはすべて共同体型組織に原因があるとする捉え方は大いに疑問であった。パワハラなんか世界中どこでもあるんじゃないですかねぇ?

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2026年08月29日

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