あらすじ
現代最後の秘境と呼ばれる松之原村を訪れた女流作家・森カオル。村には不気味な「樹霊の塔」が聳え、地元の旧家松之原家には底知れぬものを秘めた老女がひっそりと暮らしている。カオルが到着した直後から村で不可解な事件が連発する。そして、ついに殺人事件が。伊集院はカオルを救うため、閉ざされた村に向かう。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
栗本薫の作品なので安心して読もうと思いました。
主人公の少女が幸福になって終わることを願っていました。
読み進むうちに、だんだん違和感が増してきました。
どうして栗本薫さんは、自分の世界に閉じこもっているのだろう。
もっと世の中に出て、大きな声で物をいった方がいいのではないかと感じました。
生前に栗本薫さんに一言だけ言っておけばよかったという悲しみのある一冊です。
自分の期待の甘さと、想像力の貧困に比べれば、
栗本薫の世界観の方が大きいのは分かります。
それでも何故、こんなに悲しい物語を書かないと行けなかったのでしょうか。
単なる量産という枠だけでは語れないような気がします。
墓前にお伺いを立てたいような気がします。