【感想・ネタバレ】学歴の社会史のレビュー

あらすじ

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いつの世も物議を醸す「学歴」は、明治政府の教育方針によって誕生した。しかるに世の人々は、それをどう受け止めてきたのか。近代国家と教育の微妙な関係を探る一冊。解説=竹内洋

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Posted by ブクログ

近代教育史の大家による、明治時代を中心とした学歴社会の形成史。概説というよりは専門的であり研究所というには平易で選書レベルなのかと思っていたらもとは選書。なにより、注があるのありがたく、教育史研究に臨む際の手引きとしてもすぐれている。やや古い感はあるが、日本の教育がなによりも実業などの必要に応じて(各省分立的に)急ピッチで形作られてきたこと、その再編成の起点として森有礼の「国家ノ須要」による統合が設定されることで一つの頂点がつくられ以降私学や地域の挑戦を受けつつも基本的には官尊民卑の風潮を色濃く持った教育空間が形成されてきたことを跡付ける。
 特に自分の関心でいえば教員社会の章で、師範学校は普通教育の枠外であったこと(高等少学を卒業したあと数年間代用教員をする!)や、236p中等教員の学歴で学閥が存在したこと(帝大卒の下村の心境やいかに!)といった部分である。
 とにかく、多くの名士の回顧録などがはくそうされており、読み物としても十分に面白い。一番は湛山回想で4回落第したという話が面白かった。(読んだはずだが覚えてないものだ・・・)

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2019年02月22日

Posted by ブクログ

明治維新後、藩閥から学閥の時代へ!長州藩の先見の明は山口高等学校の設立に見られた。帝大へ自動的に入学できるナンバースクールと山口高!かつては士族が熱心に学問を学んだが、平民が明治期を通してどのように進学への情熱を高めていったのか。明治23,28,33年の学校別の平民比率の推移は興味深い。弁護士・医者が当時は尊敬を集めるわけではなく、平民比率が高かったことは今では想像もできない。医学部そして私立の法学部は平民比率が驚くほど高い。明治20年代に官立学校が長期間の教育を必要としたのは何よりも外国語教育のためであり、帝国大では欧米の最新の学問を学ぶため英語・ドイツ語の授業が稀ではなかった!実に皮肉なグローバル時代の今と同じお話し!!この他、商人教育、上京遊学、中等・初等教育、敗者復活になった師範学校など目から鱗のデータであった。

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2013年08月15日

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