あらすじ
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江戸時代のはじめ京都で、出版業は始まった。次いで大坂で、やがて江戸でも、本の商売が興隆する。読者層が拡がる。書目が変わる。統制の制度がつくられ、須原屋とか蔦屋とか、本屋たちの新しい経営戦略が展開される-出版を軸にして近世という時代とその文化を見直すとき、既存の歴史観の殻がやぶける。新しい近世研究を促した名著、待望の再刊。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
江戸時代の出版事情と文化、読書層の変遷を綴る。
I 京都町衆と出版・・・京都に始まる出版販売。
II 元禄文化と出版・・・大坂での俳諧と浄瑠璃、浮世草子の流行。
III 田沼時代の出版革新・・・江戸に花咲く出版文化。本は庶民へ。
IV 化政文化と出版・・・本は地方へ。貸本屋の成り立ち。
V 幕末の出版・・・寺子屋。地方書商、庶民の情報関心の増大。
いかに本が庶民まで届くようになったかの変遷が面白い。
幕府の出版統制や飢饉の救荒書についても、詳しいです。
また、蔦屋重三郎、須原屋についての記述は、
大いに参考になりました。
残念なのは、著者もあとがきで書いているとおり、
享保以後の京都・大坂の書商の動向が無いことですね。
Posted by ブクログ
江戸時代の出版事情やそれに関わる人物や風俗などが書かれている本。
ものとしては研究書に近いものがあるが、対象範囲が限られているのもあってそれほど込み入った内容ではなく読み物としても十分に楽しめる内容だと思う。
江戸時代の町人文化について興味があるなら文句なくオススメの一冊。