あらすじ
突然起こった原因不明の感染症は、いつしか中高生以下を除く全ての人がはげる平等な世界に変えた。
元々薄毛を気にしていた真智加は開放感を抱いていたのだが、ある日、思いがけない新たな悩みに直面し、そのことが長年友情を培ってきたテラとの関係にも影響が及ぼしそうで…。
同じく、予想外の悩みは、幼少期に髪を切られる被害にあった高校生の琢磨にもある。それは恋人の希春と行った占い師のお告げがきっかけだった…。
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Posted by ブクログ
こんなユーモラスなテーマでこんなに人間の感情をシリアスかつリアルに描けるんだと思った。でも、ユーモラスとか言ってるのもまだ禿げていなくて、当事者意識がないからなのかも。もし、自分が薄くなるとかではなく、一般的な「ハゲ」の状態になったら果たしてどうなるか。ユーモラスと言えるのだろうか。「倫理観」でいろいろな言論統制がされてきているこの時代、禿げいじりだけがそのタブーから取り残されている。いっそ、この作品の世界みたいにみんなで禿げてみる?でも、そうなった世界でもまだ分かり合えず、歪み合い、新たなコンプレックスがすれ違う。そんな人間のリアルが描かれている。凄い好きです。
Posted by ブクログ
原因不明の伝染病で大人たちの髪が次々と抜け、あっという間に「ハゲ」が普通になった世界。
今まで髪の少なさを気にしていた主人公は、これで堂々と生きられる!と、むしろ快適なハゲ生活を満喫していたのに、ある日突然、髪が「生えてくる」。
この世界では、ハゲが普通。髪の毛がある人は「変な人」だから、カツラをかぶって生えてきた髪を隠して歩く。
いやもう、設定だけで笑ってしまう。
でも笑っているうちに、だんだん笑えなくなってくる。
「普通」が入れ替わっただけで、人は簡単に多数派と少数派をつくり、少数派を笑い、排除する。
って、あれ?
これ、ハゲの話じゃない?
そもそも私たちは、なぜ「ハゲ」を笑っていいものだと思っているんだろう。
「普通だから」「みんながそう思っているから」と、無意識に誰かを笑いものにしている自分たちのほうが、よっぽど怖い。
くだらなくて、へんてこで、最初は笑える。なのに最後には、笑っていた自分のことが笑えなくなる。
高瀬隼子さん、また嫌〜なところを突いてくるなぁ。好きwww
Posted by ブクログ
高瀬隼子さんの作品3作目。
世界のみんながはげになる。
考えたこともない世界線。
でもきっかけが感染症。
コロナも誰も予測していなかった感染者。
世界が変わった。
髪があるのが普通。
髪がないのが普通。
どちらでも差別や劣等感はその世界によってある。
はげている人を当たり前に笑っていい
そんな世の中間違ってる。
今でもメディアでは心無い“はげ”が笑われてる。
お笑いは好きだけど今後、はげいじりを見て
私が笑うことはないだろう。
Posted by ブクログ
多数派と少数派が逆転した世界の数十年を描いた話。
「はげ」が当たり前になるとこうなるのかと目から鱗。
どんな事象でも例外=少数派が存在していて居心地の悪さを感じていたり少数派とばれないように気を使っていたりしているいうことを改めて認識させられた。
Posted by ブクログ
今回はハゲが題材。
凄いな高瀬さん
着目するところが本当に面白いし、どう話が纏まっていくのかも想像できないし、読み終わった後もいっぱい考えないといけない文章を書く方だなと思う。
人は自分よりも秀でて才能や環境が恵まれている人より環境が似た人ここでは、少し見下せる所がある人と付き合いがある。そして人を見下しながら安心し生きている。
最低だけど、わかるかもしれない。
もちろんいっぱい良いところを知っていて、好きなのは大前提として、完璧な人とは関係を築かないかもなとこれを読んでて思った。
そうじゃないと自分を保てないのかな。
自分にコンプレックスがあるからこそ人に優劣をつけて劣部分がある事に安心してるのかなと思うとちょっとしんどい。