あらすじ
突然起こった原因不明の感染症は、いつしか中高生以下を除く全ての人がはげる平等な世界に変えた。
元々薄毛を気にしていた真智加は開放感を抱いていたのだが、ある日、思いがけない新たな悩みに直面し、そのことが長年友情を培ってきたテラとの関係にも影響が及ぼしそうで…。
同じく、予想外の悩みは、幼少期に髪を切られる被害にあった高校生の琢磨にもある。それは恋人の希春と行った占い師のお告げがきっかけだった…。
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Posted by ブクログ
こんなユーモラスなテーマでこんなに人間の感情をシリアスかつリアルに描けるんだと思った。でも、ユーモラスとか言ってるのもまだ禿げていなくて、当事者意識がないからなのかも。もし、自分が薄くなるとかではなく、一般的な「ハゲ」の状態になったら果たしてどうなるか。ユーモラスと言えるのだろうか。「倫理観」でいろいろな言論統制がされてきているこの時代、禿げいじりだけがそのタブーから取り残されている。いっそ、この作品の世界みたいにみんなで禿げてみる?でも、そうなった世界でもまだ分かり合えず、歪み合い、新たなコンプレックスがすれ違う。そんな人間のリアルが描かれている。凄い好きです。
Posted by ブクログ
高瀬隼子さんの作品3作目。
世界のみんながはげになる。
考えたこともない世界線。
でもきっかけが感染症。
コロナも誰も予測していなかった感染者。
世界が変わった。
髪があるのが普通。
髪がないのが普通。
どちらでも差別や劣等感はその世界によってある。
はげている人を当たり前に笑っていい
そんな世の中間違ってる。
今でもメディアでは心無い“はげ”が笑われてる。
お笑いは好きだけど今後、はげいじりを見て
私が笑うことはないだろう。
Posted by ブクログ
多数派と少数派が逆転した世界の数十年を描いた話。
「はげ」が当たり前になるとこうなるのかと目から鱗。
どんな事象でも例外=少数派が存在していて居心地の悪さを感じていたり少数派とばれないように気を使っていたりしているいうことを改めて認識させられた。
Posted by ブクログ
今回はハゲが題材。
凄いな高瀬さん
着目するところが本当に面白いし、どう話が纏まっていくのかも想像できないし、読み終わった後もいっぱい考えないといけない文章を書く方だなと思う。
人は自分よりも秀でて才能や環境が恵まれている人より環境が似た人ここでは、少し見下せる所がある人と付き合いがある。そして人を見下しながら安心し生きている。
最低だけど、わかるかもしれない。
もちろんいっぱい良いところを知っていて、好きなのは大前提として、完璧な人とは関係を築かないかもなとこれを読んでて思った。
そうじゃないと自分を保てないのかな。
自分にコンプレックスがあるからこそ人に優劣をつけて劣部分がある事に安心してるのかなと思うとちょっとしんどい。
Posted by ブクログ
人間社会はどんな状況にあろうと、マイノリティに厳しく当たる想像力がない悲しい動物なのかもしれない。またそれに対して少しでも秀でていることを探して相手を下げたり、心の中で優越感に浸る…それも人間の姿なのである。選ぶ側、選ばれる側のパワーバランスはいつの時代、どんな状況であっても変わらず存在にする。「ホラー的な人怖」で済ませられないほど世間に蔓延している物語なのだと感じた。どんな立場であってもその立場なりの悩みは必ずあると思うし、立場が違う者同士がわかりあうことはやはり難しい。だからと言って腫れ物に触るような接し方をしていないとしても、コンプレックスを持つ側の捉え方やその後の感情までもを理解できるわけではないところが考えさせられる。社会に対して考えが深まる作品だった。
世の中で言ういわゆるマイノリティが逆転した世界を想像したことがなかったが、マイノリティがあればマジョリティも必ずあるわけなのでこんな世界があったとしてもまあそんなものなのかもしれないと感じた。
自分にとっての「ハゲ」は、「学歴」?なのかな〜〜