あらすじ
突然起こった原因不明の感染症は、いつしか中高生以下を除く全ての人がはげる平等な世界に変えた。
元々薄毛を気にしていた真智加は開放感を抱いていたのだが、ある日、思いがけない新たな悩みに直面し、そのことが長年友情を培ってきたテラとの関係にも影響が及ぼしそうで…。
同じく、予想外の悩みは、幼少期に髪を切られる被害にあった高校生の琢磨にもある。それは恋人の希春と行った占い師のお告げがきっかけだった…。
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こんなユーモラスなテーマでこんなに人間の感情をシリアスかつリアルに描けるんだと思った。でも、ユーモラスとか言ってるのもまだ禿げていなくて、当事者意識がないからなのかも。もし、自分が薄くなるとかではなく、一般的な「ハゲ」の状態になったら果たしてどうなるか。ユーモラスと言えるのだろうか。「倫理観」でいろいろな言論統制がされてきているこの時代、禿げいじりだけがそのタブーから取り残されている。いっそ、この作品の世界みたいにみんなで禿げてみる?でも、そうなった世界でもまだ分かり合えず、歪み合い、新たなコンプレックスがすれ違う。そんな人間のリアルが描かれている。凄い好きです。
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突然日本中ではげる。
もんのすごく面白いです。高瀬隼子さんていつも意地の悪い話を書くなあと思っていますがこれは突出して意地が悪い。いくらコンプラだなんだ言ってもどうしようもない「はげ」をネタに、同調圧力とか捨てきれない未練とか世間への不満なんかの、人間がどうしても持ってしまう薄汚いがやめられない感情がすれすれに見え隠れしていく感じ。ほんと、意地悪に人間の内面を出すのが上手な人だなと感心しちゃいました。
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純文学読みたいなら高瀬隼子と教えてもらい、みんなが急にはげてしまうという突拍子もない設定が気になって読ませていただきました。
髪の毛があるのが普通で、はげていると恥ずかしいという世の中がみんなが剥げてしまうことで価値観が一変すると思いきや、みんながはげたらはげたで、その中でも剥げない人や髪の毛が生えてくるひとが逆に生きにくくなるという日本人特有の大衆性を皮肉った内容でかなり面白かったです。
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みんなが禿げていく世界になった、少し変わった物語。
主人公の、複雑な心情がとてもリアルで、人間関係の脆さだったり危うさを感じられた。
高瀬さんの作品としては珍しく歪なイヤ~な感じはしないけど、
ハッピー!というわけでもなくなんとなく重い読み心地。
髪の有無で人間関係が揺らぐ。
髪に関わらず、「こんなものが関係性を揺らがせるとは」という感じ、分かるな~と思った。
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高瀬さん初読みでした!
ハゲの話。
けど…世の中の人みんながハゲたら、逆に髪の毛がある自分が恥ずかしい。いかに、少数派が生きづらい世の中なのかって話。
作中にハゲハゲ出てきて、ふと笑いが込み上げてきてしまいます。しかし、少数派のしんどさなどがリアルに描かれていて、しんどさがこちらに伝わってきてしまうほどでした。
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状況が逆転した世界でも結局変わらない自意識。
マイノリティが浴びる悪意のない周りの目による生きづらさの話でもあるのかなと思った。
希春がこれからどういう気持ちの変化や決断をするのかも気になった。
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高瀬隼子さんの作品3作目。
世界のみんながはげになる。
考えたこともない世界線。
でもきっかけが感染症。
コロナも誰も予測していなかった感染者。
世界が変わった。
髪があるのが普通。
髪がないのが普通。
どちらでも差別や劣等感はその世界によってある。
はげている人を当たり前に笑っていい
そんな世の中間違ってる。
今でもメディアでは心無い“はげ”が笑われてる。
お笑いは好きだけど今後、はげいじりを見て
私が笑うことはないだろう。
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ほとんどの人の髪の毛がはげる世界のお話でした。これもまあ、なかなか斬新な世界観でビックリしました。読んでみたら主人公はもともとハゲだったけれどみんながはげる世界になり自分も禿げて安心していたらなんとまた髪の毛が生えてきた!
私も他の人となんとなく違うと恥ずかしくなったり嫌だと感じでしまうこともあるけどそれはそれで個性だから隠したりするのとか恥ずかしいと思うことは少し違うのかなと思えた。
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突然起こった原因不明の感染症は、いつしか中高生以下を除く全ての人がはげる平等な世界に変えた。
元々薄毛を気にしていた真智加という女性が主人公で、その友人のテラとの関係性を描いた作品です。
友人でありながら、どこか真智加の薄毛をかわいそうなものとして見ているテラの描写にザワザワしたものを感じました。
真智加が全ての人がはげた世界の中で、変化が及んだときに、少しの優越感を感じながらテラに対してマウントをとることなく、周囲を気にしてしまう心境も微妙にわかる気がする。
みんな平等になったとしても、外見のコンプレックスは消えるものではない…そんなことを痛感した作品でした。
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【ハゲだけでいいんだ、じゃないと平等じゃない】
中高生上は髪の毛が抜け落ちハゲが標準となった世界を舞台に、繰り広げられる人間模様と複雑な心理描写を描いた作品。外見コンプレックスへの葛藤、怪しい民間療法に傾倒していく心理、自分だけが髪が生えてきてしまうことに対する優越感とどこか釈然としない気持ちがひしひしと読み手に伝わってくる。結局、どんな世界になろうと「みんなと同じが安心」が大前提としてあり、差別や偏見はなくならないんだなぁ。高瀬さんは相変わらず主人公でも脇役でも女性の嫌な部分を描くのが上手だと思う。
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面白かった。 薄毛で悩んでいたら、国全体でハゲが広がっていってしまう話。その後、再び髪の毛が生えてきて、髪の毛のあるないで本当のことを言えずに友情関係を不安定なものにしていってしまった。最後にテラの元彼が登場して不平等だと言われてしまったけど、テラは分かってくれるのではないかなと思いました!表現の仕方とか現実では有り得ないハゲによる影響の言い回しが面白く何度か笑いました。
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高瀬隼子さん、2冊目にしてやっぱり好きだと確信しました。なんか…、刺さるのです。この「刺さり」が欲しくて読む感じ、最近の作家さんだと石田夏穂さんにも通じる。(おそらく)同性で、年代が近いからかななんて勝手に思ってます。
今作ははげのお話。ギャグ漫画みたいな設定なのに読んでみると全く笑えなくてウケる、という不可解な現象が起きている。みんなで平等にハゲれば怖くない!
この「ハゲ」は他の色んな要素に置き換えられると思う。どうやっても同じにはなれない社会。人間。まず見た目が違う。たかが見た目というけれど外見の与える影響力は凄まじい。
皆違うけれど、髪が生えてきたことを隠すことも、ハゲたから大学を辞めるのも、ふさふさの髪を切ってしまったことも、片方の髪の有無で人間関係が変わることも、それぞれ少しずつ「分かる」。
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生きていると「もう終わりだ」と感じる瞬間は何度もある。でも実際には人生は翌日も続いてしまう。
苦しみは無くなるものではなく、苦しみを抱えたまま生きていかなくてはならない。そのためには自分なりのはけ口や付き合い方が必要だと読み取った。
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みんながハゲた世界で、インフルエンサーたちが「髪がない自分も愛そう」みたいなことを言うの分かりすぎる。
ハゲじゃなくても、今後なにがマイノリティになるかわからないけど、こんな感じの世界になるんだろうなと思った。
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多数派と少数派が逆転した世界の数十年を描いた話。
「はげ」が当たり前になるとこうなるのかと目から鱗。
どんな事象でも例外=少数派が存在していて居心地の悪さを感じていたり少数派とばれないように気を使っていたりしているいうことを改めて認識させられた。
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原因不明の感染症で多くのおとな男女は髪が抜けてハゲになってしまっている世界で起こるちょっと怖い物語。ここでは髪のある方がひけめを感じて生きている。
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世の中の人が皆はげてしまった世界の話。主人公と琢磨くん、髪が生えている側の思い悩む心持ちが丁寧に描かれている。友人との付き合い方とか、世間の目線とか、じっとりした重く暗い人間関係を描くのが本当に上手な作家さんだと思います。主人公が最後吹っ切れたのは良かった。
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ハゲが原因不明の感染症となり広まって、髪の毛がある人がマイノリティになった世界。
みんながハゲて平等になったのに、地毛が再生して生えてきてしまい、人間関係が危うくなる。
見た目のコンプレックスが題材で、男女ともにハゲるのが斬新だった。
多数派による価値観で優劣が決まり、みんな他人と比較して生きている。同等にハゲになっても、価値観や感じ方は人それぞれだから、無自覚に他者を傷つけてしまうこともある。人間関係は難しい。
冊子のような変わった本で、サクッと読める長さだけど、後からじわじわくる話。
ハゲ、ハゲ…と、多いと見開きで10回以上出てくるので、髪のコンプレックスがある人には薦めにくい。
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●心に残った言葉
"みんな、自分を傷つけた者とどうやって折り合いをつけているのだろうか。"
"ばかばかしいこと抜きでどうやって人と関係を結んでいくのか。"
Posted by ブクログ
今回はハゲが題材。
凄いな高瀬さん
着目するところが本当に面白いし、どう話が纏まっていくのかも想像できないし、読み終わった後もいっぱい考えないといけない文章を書く方だなと思う。
人は自分よりも秀でて才能や環境が恵まれている人より環境が似た人ここでは、少し見下せる所がある人と付き合いがある。そして人を見下しながら安心し生きている。
最低だけど、わかるかもしれない。
もちろんいっぱい良いところを知っていて、好きなのは大前提として、完璧な人とは関係を築かないかもなとこれを読んでて思った。
そうじゃないと自分を保てないのかな。
自分にコンプレックスがあるからこそ人に優劣をつけて劣部分がある事に安心してるのかなと思うとちょっとしんどい。
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謎の感染症により、大人が全員ハゲになる世界を描いた物語。外見のコンプレックスや、周囲との関係の微妙なバランスがテーマになっている作品だった。
高瀬隼子さんの作品は『おいしいごはんが食べられますように』、『水たまりで息をする』に続いて読んだが、今回も終わり方には少し物足りなさを感じた。余韻を残すタイプの作風は好みが分かれそう。
ただ、「もし全員同じ外見になったら、自分はどう感じるだろう?」と考えさせられる設定は印象的。人は結局、違うところを見つけて比較してしまうのかもしれない、と少し怖くもなった。
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人々がみんなハゲていくという斬新なお話しだったけど、もしかしたらこういう未来もないとは言い切れないんじゃないかってくらいリアルな世界観だった。単純だけど、結局は多数派でないと人は安心して生活できないし、少数派な自分になってしまうと他人の視線が気になってしまうものだと思った。友達だけど、些細なきっかけで疎遠になりそうな、心の深くでは繋がってないテラが微妙に好きになれなかった。こういう距離感の友達の描き方が秀逸だった。
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なんとも言えない気持ちになりました笑
斬新な設定だなーと思って読み進め...
今まで少数派だった人が当たり前になっていく世界。
人間って結局 多いものに
流されていくよなーと思って読みました。
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理由なくみんなが禿げていく。ハゲが圧倒的多数を占め、髪の毛があることが逆に変だとされる世界。そんな世界になるとこれまで当たり前に身の回りにあったものが必要とされなくなり、新たに必要とされるものが出てくる。そんな発見もあったし、逆に怖いとも思った。
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高瀬さん作品1冊目。みんながハゲるという設定が絶妙で面白かった。
みんながハゲたらハゲたで、髪が生えている人のことを非難したがる。
差別って結局相対的なものなんだろうなぁと思いながら読み進めていた。
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はげが当たり前の時代。斬新な設定。いつもイジワルな設定の高瀬ワールド。今回はこの設定自体がとてもイジワル。しかしまぁ、作中に子を抱けはげという文字の多さはギネス級だね。
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う~ん……?
設定もテーマも、めちゃくちゃおもしろい!
のに、
どうにも読みづらかった。なぜだろう?
突然、思春期以上の人間の毛がまるっと抜ける疾患? が流行った世界のお話し。
まずは、時系列がなんの説明もなく、わりと飛ぶところに、ついていきにくさを感じた。
あとから整理すると、
1ハゲ化が出現し始めた時期
2過渡期
3ハゲが定着した時代
に分かれて書かれている、と分かるのだけれど、時の経過が分かりにくかったので、人間関係のつながりも(主人公が成長してたとか)つかみづらかった。
もう一点、気になったのは、主人公が2人も必要だったかなあ? ということ。
すでに大人の女性 と、幼稚園から高校生になった男子 が主人公なのだけれど、たとえば2の時期に被害を受けた男の子がもう一人の主人公なのだということが、かなり後半まで分かりにくい。いきなり男子高校生の独白が始まり、「この子誰?」となる。
物語の大半は、オトナ女子の主人公の複雑なコンプレックスとともに展開する。
主人公、この人だけでよかったんじゃ? と思った。
この世界観が巧い点は、
○コンプレックスを真正面から扱っているところは、たしかに純文学っぽい、
が、しかし、
○ハゲは身体的要素であり、個人の努力や資質でどうにかできる問題ではないのに、なぜかハゲだけはイジってもいい雰囲気がある
という特性を最大限生かしているところだと思う。
同じ髪の毛の有無でも、この時代になる前は、ハゲはからかわれるポイントだった。
が、世界中全員がハゲれば、今度はウイッグのセンス、オシャレな頭皮タトゥーが競い合われ、やっぱり毛についての悩みは減らない。
ここで感心したのは、そうはいっても、実はみんな、正直、毛があるほうがいい、と思っていること。だから、再度毛が生えてきた人を警戒し、探り合う(笑) 毛髪が再度生えてきた主人公は、友人にもいえなくて悩む、が、内心では「自分の方が上」と思って、ハゲていたときほどマイナスの感情が浮かばない。
結局のところ、この物語は、
コンプレックスとの葛藤と、
そもそも動物しての身体的上下ってあるよね、という生理的判断との
せめぎあいを描いているのだと、わたしは思った。
それなら、それだけ押しで物語ってもよかったのではないかなあ……。
せっかく「100min.NOVELLA」という魅力的なレーベルなのに、ほかの作品の1.5倍くらいのボリュームで、高瀬準子さんはページ数が足りなかったのかなあ、と、もったいない気持ちになった。
Posted by ブクログ
「個性」や「多様性」が叫ばれる今日この頃。
もし社会の前提がひっくり返っても、結局人間は自分と違う人間を区別したり差別したり下に見たりしてしまうものなんかなぁ。
人類みんなハゲになってしまうというちょっとコミカルな話かと思いきや、やっぱり高瀬ワールドで面白かった。
っていうかハゲ=コミカルっていう感覚こそ私の中にある差別感情だよなぁ...
Posted by ブクログ
人間社会はどんな状況にあろうと、マイノリティに厳しく当たる想像力がない悲しい動物なのかもしれない。またそれに対して少しでも秀でていることを探して相手を下げたり、心の中で優越感に浸る…それも人間の姿なのである。選ぶ側、選ばれる側のパワーバランスはいつの時代、どんな状況であっても変わらず存在にする。「ホラー的な人怖」で済ませられないほど世間に蔓延している物語なのだと感じた。どんな立場であってもその立場なりの悩みは必ずあると思うし、立場が違う者同士がわかりあうことはやはり難しい。だからと言って腫れ物に触るような接し方をしていないとしても、コンプレックスを持つ側の捉え方やその後の感情までもを理解できるわけではないところが考えさせられる。社会に対して考えが深まる作品だった。
世の中で言ういわゆるマイノリティが逆転した世界を想像したことがなかったが、マイノリティがあればマジョリティも必ずあるわけなのでこんな世界があったとしてもまあそんなものなのかもしれないと感じた。
自分にとっての「ハゲ」は、「学歴」?なのかな〜〜