あらすじ
「必ずパートナーをつくること」唯一それだけが入居の条件である、一風変わった老人ホーム・ニーシャシャン。
マダムと呼ばれる女性と横須賀という名の支配人が運営するそこには、元ヤクザや余命わずかの男、詐欺を働いてきた女など曲者ばかりが集まり、それぞれとペアになる犬たちも保健所から救われた犬や盲導犬になれなかった子など経緯は様々。
居場所を求める犬と人が支え合い暮らす様に、読んで幸せな気持ちになるストーリー。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
命とは、生きるとは。
それぞれの人間の人生、犬の人生を考える。
何度も涙してしまった。
著者の言葉運びがすごく好みで、てんぽ良く読み進められた。読み心地が最高の読書のひととき。
何もできない、としがらみに諦めるのではなく、やってやるという気持ちで生きてこそ。
ひとつだけ
230ページのセリフで、違和感を感じる箇所が。修正ミスかな。
Posted by ブクログ
面白かった。私が犬好きなのもあると思うけど、不幸だった犬が幸せになるのは嬉しい。
犬も人も幸せになれて良かった。
でも、この先ずっと経営を続けるには、資金繰りは難しいだろうななんて思ってしまった。
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施設の名前は「ニーシャシャン」(フランス語で「犬小屋」の意味)。それは、居場所のない人と犬がパートナーになって暮らす施設です。
様々な事情や過去を背負い、心に傷を負った人と犬が、ここでお互いに支え合って暮らす日々が描かれ、温もりを感じながら読み進めました。本のカバーのイラストも温かく、眺めているだけで涙が出てきます。
支配人の横須賀さんが、ニーシャシャンで働くまでに辿った経緯に胸が締め付けられる思いがしました。優しい人だからこそ苦しみも大きかったと思います。そして、ニーシャシャンに横須賀さんがいてくれて本当に良かったと心から思いました。
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お人好しだと自分が損をしたり心が壊れたりする、そこから逃げると弱虫、卑怯者のように思えてまた心が病む。そんな私でも手を差し伸べてくれる人が必ずいる。それに気がつけるか弱い自分を認め許し前に進めるかが大事、その事に気づかせてくれた本だった。
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若い人は働くけど年寄りはお金も要らなく食堂も部屋も全て無料で入れる施設ニーシャシャン、たったひとつの条件は犬と暮らすことだなんて幸せでしかない。余命わずかな人、騙してばかりの女、元ヤクザなどマダムがこの人は、と思う人たちが支配人の横須賀に連れて来られるのだけど、みんな一筋縄ではいかない人ばかり。どんなに嫌な人が出てきても犬と暮らすことによって変わっていく姿に、気持ちに、思わず涙が出てしまう。人の心も病気も変えてしまう犬って本当にすてきで愛おしい存在。マダムや横須賀にも悲しい過去があるからこその優しい施設。
Posted by ブクログ
2024/5/23
え、私ここに入る。入れてくれ。
最高の老人ホームじゃないの。
犬より先に死んでも心配しなくていい。
自分がボケたり寝たきりになってもおそらく大丈夫。
その時持ってる財産全額寄付するわ。
遺言も書くわ。
将来こういう施設ができてるといいね。
でも初代の尊い意志を二代目三代目に引き継ぐのが大変なんよなー
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「寄り添う」ってことをこんなにうまく表現してる物語ってないんじゃない?なんて思ってしまいました。ストーリーと、それを表現する文章もぴったり寄り添ってる。
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本当にこんな施設があったらいいのに!と思ってしまうような、夢の『犬小屋』のお話でした。
その建物は、マダムの夢の施設。
行き場をなくした人が安心して入れる『犬小屋』。
そこにいるのは、これまた行き場を無くした犬たち。
入居費用はかからない。
食事も、入浴も、光熱費もかからない。
素性の調査も、保証人の手配も必要ない。
そんな冗談みたいな施設に入るためにあるのは、たった一つの条件だけ。
パートナーとなる犬と、一緒に暮らすこと。
入居する人も、そこにいる犬も、みんな何かしらの『訳アリ』で、厳しい規則がないからこそゆるやかなつながりを持ってホーム・ニーシャシャンで生活をしています。
人と犬、そのどちらもの視点で進む話は、厳しい人生(犬生)を生きてきた彼らが、あたたかくて優しいものと出会う物語のようで、読後はほっこりとあたたかい気持ちになれます。
こんなホームが、本当に現実にあったらいいのに、と何度も思いました。
殺処分されてしまう犬や猫が、こんな優しい場所に引き取られていけたなら。どこにも行き場のなくなった人が、優しくて小さくて人の言葉を離せない生き物に触れて幸せを感じることができたなら。
人が犬を癒して、犬が人を癒す。そんな素敵な場所があったなら、私もそこに行ってみたい。そう思わせるような素敵なお話でした。
どのお話もとても素敵なお話でしたが、プロローグ前の最後の章、支配人の横須賀の視点で進むお話が一番好きです。
どこか人間離れした菩薩か何かのように見える横須賀の、人間らしい姿を見ることができたようでした。
人も、犬も、社会のコミュニティの中で生きていく動物だからこそ、一人で閉じこもるのではなく、こんな優しい場所があってもいいんじゃないかと、思います。
優しい気持ちになりたいときに、読み返したい一冊です。
Posted by ブクログ
犬と一緒に住めることができる犬のパートナーだけが住める老人ホームが舞台。理事長は巴原音(マダム)、施設の支配人は獣医の横須賀時生。連作5話。「サクラ」と「犬小屋」がお気に入りです。時生が子供の頃、可愛がっていたポチの話(遠足のバスをずっと追いかけて迷子になった)は、辛かったです。なぜ、バスから降りなかったか。その後悔が今の彼の犬を守る原動力になっているのだと思います。続編を期待します!
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いい話で心が温まった。特に「ピアノ犬」の章は泣けた。ピアニストとして成功を求めていた英理人が挫折し、ピアノから遠ざかっていた。音楽が「音が苦」になっていたが、ピアノ犬や岸がたどたどしく弾く「子犬のワルツ」をきっかけにピアノに触れる英理人。涙、涙の展開で、ピアノを弾ける喜びを感じたことで多くの人までが変え、しかも彼の人生まで変わっていく。多くの人にこの感動を味わってほしいと思った。おすすめです。
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猫弁もあずかりやさんもそうですが、ほのぼのだけでは終わらないのが魅力。人の抱えるしんどさを本当に上手に描かれますよね。しんどいんだけど、読み手はしんどくなりすぎないように工夫されている気がします。私は、しんどくなる本は自分に余力がないときには手を出すのをためらいますが、大山さんはそれも包んでくれるような。いい本ですね。個人的には3分の2くらいまでが最高に好きです。
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入居に掛かる費用は無料。各個室で犬をパートナーとして生活することが唯一の条件。
そんな不思議な老人ホームが舞台のヒューマンファンタジー。本編5章とプロローグ及びエピローグからなる。
* * * * *
大山淳子さんのうまさがよく出た作品でした。
丘の上に建つ瀟洒な建物。
ドッグランを備えた寛げる庭園。
清潔でゆったりした食堂や浴場などのパブリックスペース。
常駐する医師を含め、スタッフも揃っている。そして何より、入居費用が一切掛からない。
それがホーム・ニーシャシャン。まったくもって申し分ない施設です。
ただしホーム・ニーシャシャンに入居できるのは、身よりも行き場もない老人と犬。入居条件は人と犬がペアになり共同生活することのみ。
いくら慈善事業とはいえ現実にはありえない設定です。なのに読むにつれ気にならなくなります。ストーリー構成が巧みで惹きつけられてしまうからです。
入居者だけでなくマダムやスタッフたちの人生にも、つい寄り添いたくなります。できるものなら入居犬の犬生にまで寄り添ってやりたくもなります。猫派の自分でさえそんな気持ちにさせられました。
それにしても『猫弁』をはじめとして読者を大山淳子ワールドにいざなう巧みさは本当に見事だと思います。ストーリーテラー・大山淳子さんの才能を再認識した作品でした。
Posted by ブクログ
猫弁シリーズの大山淳子さんの作品。今度は猫でなく犬が主人公。傷ついた人と傷ついた犬のマッチングで、其々の再生を犬の目線で描いている。犬と人が暮らすニーシャシャンが舞台のオムニバス中編集。私はサクラが1番好きだった。
Posted by ブクログ
傷ついた犬と、傷ついた人をセットにして癒そう的な、高齢者を中心としたホーム?が舞台。人・犬のそれぞれに互いを支える役割を与える事で、互いが生かされる的な事かな。とても個性的、ドラマチックな人・犬の設定が面白い。言うまでもなく犬好きの人なら楽しめそう。自分は犬は特に好きではないが、興味深く読めました。
Posted by ブクログ
犬と共に暮らすことが条件のみの、風変わりな老人ホーム、「ニーシャシャン」。
日本語で「犬小屋」。
犬と人間、お互いに支え合いながら、生きて行く。
それぞれの過去を抱えた人間と犬。
支配人である横須賀にも、犬への過去の想いがあって…。
とても、ほんわかした気持ちで読めました。
犬目線の話もあった。
Posted by ブクログ
人に人生があるように、犬にも人生がある。ただ、悲しいのは、犬の幸せは飼い主による事。
動物愛護センターに連れ込まれた犬を引き取る横須賀。そんな犬と人生の荒波を超えた人達との暮らしが、ニーシャシャンで。
犬も人間も等身大で触れ合うって素晴らしい。
①ヤクザの息子を庇って服役後に出所したら、組は無くなっていた。ヤクザの息子は議員に。弟分は父に。72歳になって前科持ち何ができるとくさる正丸に犬のサクラや、ニーシャシャンのメンバーは受け入れてくれる。
②ブリーダーから生まれたが繁殖用にも販売にも向かない子犬は捨て置かれた。助かった時には、脳や骨に障害があり、歩けないし、口も閉じない。そんなチェルシーには、末期がんの七村が飼い主に。
感情も無くなったチェルシーは外部との交流を通して刺激をもらい成長していく。七村の明るさとチェルシーはいいコンビ!
③ピアノの前にずっとたたずむ犬は、まえの飼い主を思ってか?この犬と関わる事で、逃げていた感情に向き合うことが出来た、清掃員3人。娘を亡くした夫婦と、ピアノが弾けなくなったピアニスト。
ピアニストが最後海外留学できたのは良かった!
④闘犬として育てられた犬。人間に打たれて、傷つけられてきた。そんな飼い主は性格の悪いマダムの幼馴染。二人は、お似合いのコンビ。
⑤支配人の横須賀が、ニーシャシャンにたどり着いたのは、過去犬が行方不明になった公開や、医学部の挫折、動物愛護センターで動物を殺し続けて心を病んだ事がある。避けていた家族。でも、その家族の優しさに父が亡くなってから気づく。
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丘の上の白い建物、ニーシャシャン(犬小屋)は行き場を失った人が暮らすホーム。唯一の入居条件は犬とペアになること。
余命宣告を受けた男性や出所したての元ヤクザなど、人の人生も色々だけど、犬にも犬のドラマがある。ホームのマダムと支配人の横須賀にも飼い犬との悲しい過去がある。
飼い犬は家族の一員。毎日癒しを与えてくれる存在なので離れ離れになってしまうなんて考えられません。そして辛い過去を背負った犬たちがこのホームで生き生きと新しい生活を送っている姿はホットします。
長年家族として暮らしていても飼い主が高齢になり里親探しをする事もある中、実際に飼い犬と暮らせるホームがあるらしいですね。動物アレルギーの人もいると思うので、どこの施設でも同様に出来ないとは思いますが、人間にとってもわんこにとってもそんな施設はありがたいです。
私もわんこを飼い始めて1年ちょっと経ちましたが、こんなに癒やしを与えてくれる存在になるとは想像してませんでした。この小説を読んだら、ますます長く一緒に楽しい時間を過ごしたいなと思いました。
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さまざまな環境で苦労してきた人と犬がパートナーになって、ともに生きていく施設のお話。
「あずかりやさん」シリーズしか読んだことがないのですが、穏やかで品のよい印象を与えるところが似ていて好きでした。
サクッと動物虐待や悪徳ブリーダー、殺処分を書かれていて、途中からは
人間は何様なんだ!と思ってしまいました。
人間のせいで他の動物や植物、自然が犠牲になることまで深読みできる作品です
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老人ホームと思いきや、犬と人がペアになり穏やかに過ごせるユートピア。辛い目にあった犬も、上手くいかないことの多かった人間も、新しい出会いで心が満たされていく。ワンコの気持ちの描写が良かった。
Posted by ブクログ
こんなお話が大好きです。犬と人の絆で、犬も人も幸せに暮らせるお話。こんな施設があればいいのに。資産家だったら、こんなふうにお金を使ってみたいな。そして、最後まで犬と暮らしたい。
現代のお伽話。明日の暮らしもままならない、犬と人間が、オーナーのマダムと支配人横須賀と犬のベスに導かれ、ニーシャシャン(フランス語で犬小屋)で暮らし始める。お金もかからない、束縛もない、ひとつあるルールが、犬の世話をすることという、施設。そこに辿り着くまでのそれぞれの人生と犬生、そして、ニーシャシャンでの日常が、優しく綴られる。後悔に苦しむ人々が再生していくお話でもあるので、つい、ほろりとさせられてしまう、そんな物語。
Posted by ブクログ
どのような過去や人生の履歴を持っていようとも、金が余りなくても犬を家族の一員として面倒を見ることさえできれば、タダで老人ホームに入る事が出来、残りの人生を謳歌する事が出来る。 こんな素晴らしい老人ホームが全国各地にできて欲しいと 思いました。
Posted by ブクログ
全編を通して生より死をひしひしと感じる。犬好きとしては読んでいて辛い描写が何箇所か出てくる。悲しい、けどどうすることもできない。身近にいる命を大切にしていこうと思うお話でした。
Posted by ブクログ
よかったんだけど、よかったんだけど…!
お金の出所というか、ファンタジー部分が多くて素直に読めなかった。
近藤史恵の最後の毛布のほうが厳しくて好きかも
Posted by ブクログ
人生の最後に、自分を丸ごと肯定してくれるペットに寄り添ってもらって旅立つ。
すごく魅力的だけど、それはつまりペットの動物を一人ぼっちで遺して逝くということ。だから、ある程度の年齢になったなら、動物をパートナーとして生きていく事は諦めないといけないって思っていたけど、こんな施設であれば出来るな。と思ってしまった。
夢だな。でも、いい夢見たな。
もう少し見ていたかったな、という寂しさと、いい夢に出会えた嬉しさと、夢から醒めてしまった物悲しさと。
Posted by ブクログ
大山さんは表現力が凄い!さらりと軽く自然にこちらの心に染み込んでくる。だから、重めの中身でもさらりと読める。
これは、犬にとっては夢のような施設、シャーシャシャン(フランス語で犬小屋)のお話。でも同時に、人間にとっても夢のような施設。犬も人間も、様々な過去を過ごして、最終的にこのシャーシャシャンで穏やかな生活を送る。
ホントにこんな施設があればよいなぁ。
これ、シリーズにならないかな。
Posted by ブクログ
読んでいて、いつか本当にこんなホームに入りたいと思ってしまいます。
このホームに来るのは、みんな居場所のない者。人も犬も。
だからこそ、犬と人が寄り添う姿に引き込まれるのかもしれません。
ほんの少し、
この素敵なホームの運営資金が気になったけど…
最後にさらっと種明かし。
Posted by ブクログ
犬と暮らすことが条件のホーム「ニーシャシャン」は、フランス語で「犬小屋」という意味。人もわんこ訳ありな人ばかり。お互いの孤独や心の傷を補い癒していく様子はホッとする。5つの章に、プロローグとエピローグが加わった物語。「ピアノ犬」が特に良かった。
Posted by ブクログ
それぞれに辛い人生を過ごしてきた人たちが暮らす老人ホーム。このホームで暮らす条件は、それぞれが一匹の犬と共に暮らす事。そして、その犬たちも辛い経験をしてきた犬たちなのだ。入居者側から書かれる章と犬側から書かれる章、それぞれの人生(犬生)からなる。ホームのスーパーマンのような支配人の人生と、一匹の犬のこれまでで終わる。
初めて読む作家、ユニークな設定だった。
Posted by ブクログ
ニーシャシャン、フランス語で犬小屋、老人ホームのようなこの施設は、行くあてがなくなった老人を無料で引き受ける。
ただし、老人は犬と一緒に暮らさなければならない。
刑務所を出所して行き場がなくなった老人、子供の頃から病気で他の人のような人生を送れなかった老人、妹のために盗みを働いた老人など様々な事情をかかえた老人が集まる。
犬も虐待を受けたり、仕事を引退した犬など、犬と人が互いに支え合いながら生活しているように見えた。
様々な事情を抱えた人に壮絶な過去があるが、施設自体にはゆったりした時が流れ、入居者自身もそれを受け入れている。
物語の後半は、施設のオーナーや支配人の過去に触れ、それぞれがどのような思いでこの施設を立ち上げたかが語られる。