あらすじ
殺人現場に犯人の生首?
首、手、足が切断された殺人事件を
“派遣さん”こと非正規捜査官が
たった一日で解決!?
鬼才・倉知淳が贈る
ブラックユーモア本格ミステリ!
超アクロバティックな推理に、
開いた口がふさがらない!?
フリーライターの折本光一は、浮世離れした友人の久世敬太郎とともに、一日の捜査体験でレポートを提出する「非正規雇用捜査官」に採用された。
今回の事件現場は凶悪な強盗殺人事件が起きた民家。事件の十日後には犯人と思われる“生首”がなぜか家の門柱に置かれていた。
〈正義の執行人〉の仕業か、愉快犯か、謎は深まるばかりだが、体験を終えた相棒の久世は、あっさりと「真相がわかった」と告げるのだった――
“派遣さん”捜査コンビが、猟奇事件の謎を“のほほん”と鮮やかに解くユーモア本格ミステリ!
〈収録作品〉
犯人は現場に(首だけ)戻る ~首ヲ切ル者~
かゆいところに手が(もう一本分)届く ~腕ヲ切ル者~
悪事千里を(片方の足で)走る ~足ヲ切ル者~
幽明境を(首も手足も)異にする ~ばらばら二切ル者~
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
たまたま書店で見かけた倉知淳さんの新刊。その内容は、約2年前に刊行された『死体で遊ぶな大人たち』を思い出す。固定ファン以外は思い出さないだろう。
フリーライターの折本と久世が「非正規雇用捜査官」に採用された。現実の事件について現職刑事から説明を受け、レポートにまとめるのが2人の仕事。現場も案内されるし関係者にも会うし、民間人にそこまでするのか? という疑問はさて置き。
『死体で遊ぶな大人たち』は、死体を有効活用した作品集という触れ込みだった。本作は、全4編とも被害者の死体が切断されているのだが、わざわざ切断した理由は不明。警察が悩む中、久世のひらめきが合理的に謎を解明するという趣向である。
最初の表題作で切られるのは首。殺人現場の家に、犯人の首が置かれていた。次に切られるのは腕。交通事故死した被害者の死体に、切られた腕が乗せられていた。次に切られるのは脚。切られた脚は、被害者のズボンの中に戻されていた。
そして最後は、遺体が10のパーツに切断されていた。ホワイダニットに重きを置いた作品集なのだが…タイトルを『死体で遊ぶな大人たち2』にした方がよかったのではないか? ある意味、本作の方が、お遊びが過ぎて被害者が浮かばれない。
死体切断の合理性というテーマは目新しくはないが、本格作家・倉知淳の作品としては、合理性・納得性は低いと言わざるを得ない。脚切断だけはやや異質な話だが。久世の長広舌と斜め上の発想を面白いと感じるかどうかで、評価は割れるだろう。
猟奇殺人を扱いながら、ユーモア本格ミステリなどと帯には書かれている。近年、ガチ本格よりバカミス寄りな傾向は感じるが、そういう路線だと東川篤哉さんとバッティングし、分が悪い気がする。どうしたら売れるかを模索しているのだろうけど。
前作『猫の耳に甘い唄を』でがっかりした分、そこそこ楽しめたとは思う。続編が出るかどうかは、本作の売り上げ次第か。どうか重版かかってくれ。