【感想・ネタバレ】夜明けの縁をさ迷う人々のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2023年08月23日

「曲芸と野球」「イービーのかなわぬ望み」
「パラソルチョコレート」「ラ・ヴェール嬢」が好き
小川洋子さんらしく野球に始まり野球で終わる9つの短編集だった
特別な寂しさの風が通りすぎてゆくような
心もちになる
月虹をみるひとたちの物語

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Posted by ブクログ 2023年08月10日

『女が死ぬ』松田青子さんや今村夏子さんが好きな人にはオススメできる作品。文章はお上手でいかにも純文学的な雰囲気なのだけど、けっこうシュールなお話が多くて思わずくすっと笑ってしまった。

一番笑ったのが『再試合』という作品。数十年ぶりに甲子園に出場することになったとある高校に通う女子高生が主人公で、彼...続きを読む女はレフトの選手に淡い恋心(というか崇拝に近い)を抱いている。順調に試合を勝ち進み、ついに決勝にいくのだが試合が再試合になってしまって……。
オチは完全にギャグで、思わず「なんでだよ」と言ってしまった。
面白かったです。

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Posted by ブクログ 2022年05月30日

丸い部屋で眠るのって、どんな気分なのかしら。 きっと深い安らぎに包まれて、小さな心配事なんて全部消え去ってゆくんでしょうね。
だって丸い部屋で眠る時の自分は、円の直径になるのよ。

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Posted by ブクログ 2020年07月11日

小川洋子さん「夜明けの縁をさ迷う人々」、2007.8発行、9つの短編小説が収録されています。どれも味わい深いです。興味深い話、怖い話、奇妙な話。興味深く強く印象に残ったのは、「ラ・ヴェール嬢」と「お探しの物件」。「涙売り」と「教授宅の留守番」は怖い恐い話でした。奇妙な話の中には、彼岸と此岸の交差する...続きを読む話が多いです。

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Posted by ブクログ 2019年01月09日

多感な時期に読んで一番心に染みたのが小川洋子の作品だった。
優しいのに残酷、綺麗なのに歪んでいて、何処か切なくて美しい。
ずっとこの世界に浸り続けていたかった。

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Posted by ブクログ 2018年08月15日

タイトルの「夜明けの縁をさ迷う人々」の場面を想像してみる…夜明け。眩しい光が差し込めるがそれを嫌い闇を求めてさ迷う人々。小説はその場面を切り取り彼らは永久に日の目を見ることがない。小川さんの作品から感じる世界にはどれも独特の時間軸が存在し時間がゆったりと流れるている事。人と人との微妙な距離感。見事な...続きを読むまでの五感の表現方。儚さ、切なさ、狂気、淫靡、孤独…といった感情を独特の時間の流れとともに読後に様々な想いを胸に抱かせてくれる。淫靡で狂気を伴っていてもそういう美しさもあるよなぁ…と感じさせながら。

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Posted by ブクログ 2017年02月20日

奇妙だけれど、圧倒的な存在感と不吉さを持った短編集。感動作ではないが、これもまた、何かの最高峰であることは間違いない。

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Posted by ブクログ 2016年09月14日

まるで夢の中にいるような浮遊感を持つと同時に、不思議な世界観に溺れてしまいそうでもある短編集。
どの短編も、読み進めていくほどに主人公のいる世界が歪み、輪郭がぼやけ、視界には靄がかかっていく。
ところどころで出てくる不気味で恍惚とした単語には、背中を指先で撫でられるような感覚を抱いてしまう。
小川洋...続きを読む子さんは想像や妄想のオールだけを持って遠い世界へどこまでも舟を漕いでいける人だと思う。そのまま本当に何処かに行ってしまわないように、小説がこの世界と小川洋子さんを繋ぐ役割を担っているのだろうか、と思わずにはいられない。
稀有な才能。出会えたことに感謝したい。

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Posted by ブクログ 2024年04月12日

奇妙で微笑ましくも少し怖い9つの短編。

狭い。小さい。無くなる。
待ってましたと言わんばかりの小川ワールド。

野球や甲子園の描写が魅力的。
生き生きとした人や風景と匂いが伝わる。

「夜明けの縁」とは何か。
しばらく思いにふける。

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Posted by ブクログ 2024年02月03日

何とも表し難い読後感であった。収録作はどれも、日常ありそうな風景の中に一抹のファンタジー要素を含んでおり、不穏な気配を漂わせている。
普段小川洋子さんの作品にはしっとりとして柔らかな静けさを感じるのだが、本書ではそれがあまり感じられず、ストーリーの運びは紛れもなく小川洋子作品であると思えるのだがどこ...続きを読むかにずっと違和感があり馴染めずにいた。
最後の「再試合」を読み終わった今は、私も同様に日常にありそうでなさそうなことが起こり引き伸ばされた世界で小川洋子を読んでいるのではないかという気持ちになっている。

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Posted by ブクログ 2023年09月23日

ブラック絵本といった感じで、結構短い、短編集であり、"教授宅の留守番"は小川洋子さんにしては珍しい堂々とした発言もあり。
"涙売り"の終わり方や、"お探しの物件"はそのまま、絵本にしても良さそう。
今作では、"教授宅の留守番&qu...続きを読むot;と、"パラソルチョコレート"が好みだった。チェスの駒をすすめる終わり方も好きだ。

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購入済み

不思議な話

2022年12月17日

短編だから一話一話がさらっと読めるふんわりとしたホラーです。
続きをめくるとストーリーが終わってるという感じですっきりとした終わりではないですが、何か胸の中にほんのりと残して終わる話です。

#切ない #深い #ダーク

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Posted by ブクログ 2022年02月14日

ファンタジー要素が強そうだったり、
ホラーっぽい展開だったり、
不思議な世界観の9つの短編集。

あり得ないような描写が
さもリアルに描かれているように感じた。

イービーのお話は、
どことなく猫を抱いて象と泳ぐの世界観に似ている気がした。

小川洋子さんの描く世界の人物は
小さな幸せをこれでもかと...続きを読む抱きしめて
大事に大事にしているイメージ

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Posted by ブクログ 2021年10月13日

9の短編、どれも良かったです。「世にも奇妙な物語」に出来そうな感じ。私は特に「涙売り」と「教授宅の留守番」が好きです。特に「涙売り」は愛する人の役に立てれば自分が痛い思いをしたって幸せなんだってことを短い話の中でも、すごく感じました。「涙売り」の彼女は実際にいたら変な人だけど、それぐらい人を愛するこ...続きを読むとができたら素敵でしょうね。

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Posted by ブクログ 2021年03月31日

ストーリーというよりも描写の残し方が全般的に秀逸。
ストーリーは「教授宅の留守番」と「銀山の狩猟小屋」が面白く、前者はテンポの良いコントから小説らしいオチにもっていく形がよかった。後者はいまだにサンバカツギがなんなのか謎で想像力を掻き立てられた。

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Posted by ブクログ 2018年05月10日

面白かったです。タイトルも良いです。
不思議でなんだか奇妙だな、と思いながら読んでいると、終盤になるにつれ狂気を帯びてくるお話たち。
特に、「教授宅の留守番」「涙売り」が好きです。「ラ・ヴェール嬢」の淫靡さも好き。
最初と最後の短編が野球のお話で、最後のお話は、小川洋子さんはこんな眼差しで野球の応援...続きを読むをされているのかな…というのが感じられました。

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Posted by ブクログ 2017年01月07日

まさにの題名買い。いかにも小川氏らしいのエロコワなナイン・ストーリーズ。本を開いて、夢のような旅が始まって、本を閉じたとしても、この耳が痛いほど静かな夢の世界にもう出られないような恍惚さが頭に漂う。

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Posted by ブクログ 2016年09月22日

・・・もしかしたらこんな人たちもどこかにいるかもしれない。人の心の片隅にひそかに息づくような人たち。中華料理店のエレベーターの中で生まれ、育った一人の男は閉店とともに消えてしまう。エレベーターという狭い狭い空間の中の一生。その一生を思う時、清らかさとペーソスとひんやりとした空気の存在を思う。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年03月04日

「曲芸と野球」少年野球チームでプレイをする小学生の主人公から遠く離れた原っぱで、椅子を積みあげ、逆立ちの練習をしている曲芸師の話。
「教授宅の留守番」
「イービーのかなわぬ望み」ティム・ロスの映画と同じ設定で、船のかわりにエレベーターから出ない青年の話。
「お探しの物件」
「涙売り」楽器の音を調整す...続きを読むる涙を持つ女性の話。
「パラソルチョコレート」
「ラ・ヴェール嬢」
「銀山の狩猟小屋」
「再試合」

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Posted by ブクログ 2016年03月02日

小川洋子の短編集。純文学と構えるほどでもなく、ちゃんとオチらしいオチがある。

9作のうち、やはり印象に残るのは、ちょっとホラーやファンタジーがかった「教授宅」「イービー」の話。小川洋子は、後ろからゆっくり迫ってくるような恐怖を描かせたらやはりいい。

さらに、他の本もだけれども、なんてことはない言...続きを読む葉にスポットを当てて、どんどん際立たせて盛り上げていくところが、小川洋子作品の醍醐味であって、この本においても、そういううまく際立って光る言葉がいくつも出てくる。

小川洋子というと「博士」から入る人が多そうだが、その次あたりにおすすめできるのは、この本や「海」だろうなあ。

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Posted by ブクログ 2023年04月14日

 久しぶりの小川洋子さんの作品。野球を舞台にした作品が、生き生きと躍動感たっぷりで素晴らしい。阪神タイガースのファンでしたっけ?

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Posted by ブクログ 2023年03月13日

題通り不思議な話が多かった。
結局なんなんだ?というものが多かった
短い割に意外と進まず….

パラソルチョコレートがすごく好き

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Posted by ブクログ 2023年03月12日

初手から小川節炸裂で大変よかった。精神的なグロテスクさというのかな。リアリティのある筆致ではないのに、その情景を鮮やかに想像させる文章が相変わらず好み。夜明けの縁はそう、あちらとこちら。ボーダーにいるのはこの物語の人々か、それとも私か。

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Posted by ブクログ 2022年06月16日

・曲芸と野球
・教授宅の留守番
小川さんにしては珍しいタイプのホラーだと思った!
・イービーのかなわぬ望み
E B(elevator boy)の話
どうしてこんなストーリーが思い浮かぶんだ‥
・お探しの物件
・涙売り
・パラソルチョコレート
わたしの裏側を生きるのはどんな人かな
・ラ・ヴェール嬢
...続きを読む銀山の狩猟小屋
・再試合
レフトの君のお話

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Posted by ブクログ 2021年06月26日

今日は待ち時間が多いから活字読もうと本棚から取った本。昨晩開いて読んでない本だよな?と思ったら、読んだら過去にも一通り読んだものだった。

現実と非現実、歪んだ世界なのに魂だけが透明でまるみを覚えている……そんな小川先生の世界を久しぶりに浸れて「私が好きなやつ~!」と思わず拍手。
一枚フィルターがか...続きを読むかったような映像が次々と脳を刺激してくるから、すっかり湿度を忘れて冷えた鈴を触っている気分になった。

イービーの話と最後の野球の話が好き。

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Posted by ブクログ 2021年06月14日

妄想、ホラー、人間ドラマ、官能、フェティシズム等など、様々なジャンルを持ちながらも、共通しているのは、風変わりながらも、愛すべき人たち。

たとえ、風変わりすぎて、周りから疎んじられたり、存在すら意識されなくても、たった一人の愛があるだけで、その人の生き様が報われたかのように思われたことには、読んで...続きを読むいて共感を覚えたが、哀愁も感じた。永久という言葉は、一見、素敵に思えるが、あくまで捉え方次第であるし、私だったら、相手の心の中ではなくて、せめて自分の心で報われたという実感が欲しい。まあ、たった一人の愛に出会えただけで、充分だと思えるのもありますがね。そのたった一人が、実はすごく難しい。

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Posted by ブクログ 2020年09月21日

捻れた恐怖を感じさせる短編集。
その怖さはあからさまなものではない。
真夜中に自分の部屋でふと目覚め、クローゼットの扉が細く空いているのに気がつく。きちんと締めなかったせいだ。大したことじゃない。なのになぜかそこから目が離せない。人の身体を借りた闇の獣が、息を殺してこちらをずっと覗いているのを感じる...続きを読む
そういった恐怖だ。

タイトルの『夜明けの縁』というのは、人間の正気と狂気の境目だとわたしは考える。
この9つの短編集に出てくる人たちは皆、その縁を覚束ない足取りでさ迷っている。そしてこちらに戻ってくる人もいれば、あちら側に落ちてしまう人もいる。
すべて現実味のない話のはずなのに、じわじわとその縁が自分に近づいてくる。離れようとすればするほど、足は勝手にそれに向かって動く。やがて死によって、あるいは絶対的な喪失によって、永遠から逃れることができた人の心にのみ平安をもたらす夜明けがやってくる。

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Posted by ブクログ 2018年04月04日

『小川洋子に見られている』

見ている。小川洋子が見ている。あなた自身も気がつけない些細な癖を。今も見ている。吸い込んだ空気があなたの小さな胸を上下させるのを。悩んでいるからって、小指を噛んだりしたらいけない。あっという間に小川洋子に見つかって、彼女が操る言葉に絡め取られ永遠に閉じ込められてしまう。...続きを読む

小川洋子は覗き見ている。夜明けの縁をさ迷う人々を。


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Posted by ブクログ 2018年01月29日

純粋なスリラーっぽい作品もあり、多少毛色が異なる短編集かもしれないけれど、やはりこの作家独特の死の気配とフェチ感が充満しています。小川洋子を説明するに簡単な作品集かもしれませぬ。

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Posted by ブクログ 2017年09月17日

小川洋子さんの世界観が惜しまなく詰まっている作品です。

とてもギリギリな所を一点だけを見てさ迷っている、そんな狂った様な痛みを持って、そのくせ麻薬的な心地よさを持った、そんな人たちの話。

「夜明けの縁をさ迷う人々」
しっくりくる題名です。

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Posted by ブクログ 2017年08月09日

ファンタジーのような、ホラーのような短編集。
最初に読んだときはこのファンタジー的な要素に全くついていけなかったが、フェチズムを表現した作品と捉えてやっと読むことができた。要は私のような、話に起承転結を求める人が前情報なしに読むとちんぷんかんぷんになるのでそこは注意。

個人的にはイービーの話が好み...続きを読む。どんなに語り手や読み手が悲しさや切なさを感じても、登場人物本人がそう思ってないなら、それは幸せなことだ。

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