【感想・ネタバレ】ミクロ経済学II<プログレッシブ経済学シリーズ>―効率化と格差是正のレビュー

あらすじ

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本書は、経済学を初めて学ぶ人が、さまざまな経済政策問題への対応策を自分自身で考えられるようになることを目的としたミクロ経済学の入門テキストです。
上巻(I)では,市場と政府の役割分担を明らかにしたうえで、市場の失敗と政府の失敗への対策を論じました。
本巻(II)では、労働・土地・資本市場をくわしく分析し、それを土台に、格差是正政策と効率化政策との関連を明確にします。さらに、その視点から現在日本の経済政策を評価します。

○本書で扱う課題
【格差是正】 家計が得る所得(賃金,地代,家賃など)が市場でどのように決まるかを分析し,所得格差の原因を探り,格差是正策を論じます。
【効率化】 まず,労働・土地・資本市場の余剰分析を行います。つぎに,社会的機会費用の概念を用いて,独占や外部不経済などの非効率を示します。さらに厚生経済学の基本定理を証明します。
【格差是正と効率化の両立】 格差是正政策が効率化政策と両立可能であることを示し,そのうえで,日本では効率化政策も格差是正政策も実行する余地がきわめて大きいことを示します。けでなく、経済学を独習したいと考えている社会人にも、大学で経済学を専攻するかどうか判断しようとしている高校生にも、役立つでしょう。
<I巻-市場の失敗と政府の失敗への対策>に続く
12章 フローとストック
13章 労働
14章 生産要素の総量市場と帰属所得
15章 供給者による自家消費
16章 混雑
17章 長期と最長期
18章 生産と消費の基礎理論
19章 厚生経済学の基本定理
20章 社会的厚生
21章 効率化政策
22章 格差是正政策
終 章 効率化政策と格差是正政策の両立

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Posted by ブクログ

必要あって再読したが、途中からは熱中してしまうほど著者の論理的鋭さには頭が下がるばかりである。第2巻ということもあって、基礎より応用中心であり、所得の再分配などについて論じられていた。多少イシューセレクションと論理の展開には既視感があったり著者の色が出ていたりした。しかしながら、最近の時事の反映すべき点や論理的に精緻にディフェンドできている点、そしてこれらの枠組みが今後の思考の枠組みとして汎用性が高い点などから本書は優れた教科書と言える。

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2012年03月31日

Posted by ブクログ

日本のジャーナリストや一部専門家が本書に書いてあるような政策を
「市場原理主義」と批判するのは完全なる誤りであり
むしろ現代の経済学は効率化政策と平等化政策は
両立しうる政策であることを明確に教えてくれる。

現政権が掲げる政策のほとんどが本書に書いてるような政策を
実現できていない。
これは日本人にとって悲劇であるが、まずは我々国民が
本書のような教科書を読んで理解を深めることが大事だと思う。

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2012年01月03日

Posted by ブクログ

 ミクロ経済学の入門書。経済学者にも評価が高い(「経済セミナー」2010年12月号他)。
 加減乗除以外の数式を用いず、厳密な証明はされていないが、グラフで説明されており、理解しやすい。
 また、日本の現実の経済政策問題を数多く分析しており、学生だけでなく、もしろ社会人に興味が持てるものとなっている。一方で、各々の応用経済学で分析されているものを、基礎理論のみで分析しており、結論に疑問のものもある。
 2巻のうち第二巻は、「格差是正と効率性の両立」に関してである(詳細なリーディング・リストも有り)。
 筆者は、社会的厚生を最大化する経済政策として、第一段階は効率化政策を、第二段階は選挙を通じて国民が表明した価値観に基づいて再分配を行うことを主張している。「市場原理主義=レーガン型構造改革」でも、「リベラル」でもなく、「カーター型構造改革」が望ましいとしている。

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2012年12月19日

Posted by ブクログ

この本は通読することはないだろうが、ぜひ欲しい一冊ではあった。
「本書で説明する市場価格を活用した政策分析は、近視眼的な世論―すなわちジャーナリズムーに惑わされたいために不可欠です。残念なことに、このような政策分析の考え方は、日本の知識人、特にジャーナリズムに最も欠けている教養です。日本において、今ほど経済学が必要とされている時はありません」
この前書きは思い切っているが、割と正しいと思う。
まあしかし、経済学者って経済学以外の教養をバカにし過ぎて痛い目を見ている感じもない事もないが・・・。

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2012年02月03日

Posted by ブクログ

基本的には上巻と同じで、数学を使わずに、ミクロ経済の概念を説明していル。特に政策の応用にどのように活かしていくかを解説。上巻よりも難易度はあがっているかも。上巻の内容を理解してから読み進める方が良いと思われる。かなり拾い読みになってしまった。

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2011年03月05日

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