【感想・ネタバレ】二日月のレビュー

あらすじ

幼年童話からYAまで幅広い対象年齢に向て児童書を執筆し、野間児童文芸賞、河合隼雄物語賞、坪田譲治文学賞、日本児童文学者協会賞など数々の受賞歴がある、いとうみく。
本作では、妹の誕生を待ち望んでいた小学生の杏(あん)が、障がいをもって生まれた妹の芽生(めい)を次第に受け入れていく成長の過程が瑞々しく描かれる。妹のことを他人から「かわいそう」と言われたり、からかれたりすることで怒りを感じる一方、姉の自分こそが妹のことを「恥ずかしい」と思っていたと自覚する……。少女の心模様と、妹の存在を正面から受け止める凜とした母の姿が、ふたつの柱となって読む者を引き込んでいく。
本作『二日月』は、夏の読書感想文全国コンクールの課題図書に選ばれたが、このたびの文庫化にあたり、小学生だった杏が成人し、結婚・出産を経て家庭をもった姿が描かれる『月立つ』を書きおろし。杏と芽生のその後が描かれる決定版。

文庫版解説は、『二日月』を舞台化した笹部博司氏(脚本家・演出家)。

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Posted by ブクログ

「ずーっと妹が欲しかった。」
「でも欲しかったのは、病気の妹じゃない。」

偏見やエゴは無知からくるもの。
妹が好奇な目で「見られたり」、酷い言葉を投げかけられたり、可哀想なんて思われたくない。
妹を見られたくない、恥ずかしいと思ってしまったことも……。

障害者と健常者の違いってなんだろう?街なかで見かけてもじっと見ないようにして、見て見ぬ振りをする。でもそれが、外見だけでなくいろいろなことを見なかったことにしようとしているような気がする。心のシャッターを閉じるように。

だからといって、100%理解をするのは無理ゲーだ。でも、少しだけ相手の立場になって考えることができれば、世の中の景色は少しずつ変わっていくのではないだろうか。

そのためには、親や大人が偏見の壁になってはいけない。
誰も傷つけたくないし、自分も傷つきたくない。

杏の「想いをすべて言葉にすることと、素直になることは同じじゃない」という言葉が心に残る。
自分の心を守るために、そして大切な誰かを傷つけないために、言葉を飲み込み、選び抜く。
そうすれば、きっと今日より優しい明日が来るのではないかと……。

この本は、前編が課題図書の『二日月』で、後編の『月立つ』は杏が大人になった物語。
杏と妹・芽生のその後が描かれた注目の一冊。
子供の葛藤から親のエゴの難しさまで描く大傑作だった。

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2026年07月18日

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