【感想・ネタバレ】いのちの現場から出生前診断を問う 子どもを選ばないことを選ぶのレビュー

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Posted by ブクログ

出生前診断について興味を持ったので関連本2冊目。
こちらは、実際に産婦人科で生の現場に立つ著者によるもので、色んな理論をかざすでなくリアルな暖かさが伝わってきた。
何より、著者が出産を担当して、その後も交流を続けるダウン症児とその親御さん達の声。本書に出てくる人々は、皆まだ子どもが小さいこともあり、成人後の自立などの問題に当たっていないと言う点でまだまだこれからが大変なのであろうと思ったが、その事を差し引いても非常に心打たれるものがあった。
何より、ダウン症児の親となった人達の人となりの立派さ、というと語弊があるかもしれないが、愛して育てていくことを決めた人の強さを見た気がした。
彼らはかわいそう、とかなんで、とか受け入れられない心の葛藤を越え、心から子どもを愛し育て、そして幸せをつかみ取っている。
そして、彼らの話から見られる子ども達がすくすく育っている様子。子ども達は、生まれてきたことは幸せだったに違いない。
読めば読むほど、きれい事を言っているように感じていた自分の考えへの違和感などが消えてしまった。
受け入れられがたい、という自らの心に真っ正面から向き合い、パートナーと手を取り合っていけば、困難は必ず乗り越えられるのだ。
そんな心強さを得られた気がする。

産婦人科の妊婦が出産した後のケアの重要性も非常に大切なものとして綴られているが、実際の現場をいくつも乗り越えてきた著者の言葉だからこそ、非常に説得力があった。
医療は体に働きかけるものであるが、やはり心のケアを同時にすることが大切なのだ。それをするには現在の日本のシステムはまだまだ未熟である。
しかし、心という漠然としたものについてのケアというものは、必要となったもの・実際経験したものにしかなかなか受け入れられがたいのであろう。
そう言った問題があるにしろ、やはり命を減らす医療ではなく、共に生きる医療、サポートを第1に目指せるようになれば良いのに。もっと、障害児の現状を本当の意味で多くの人が理解出来たらいいのに。そんな事を考えさせられた一冊だった。

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2010年10月22日

Posted by ブクログ

学校の「死生学」の授業の時に、先生から読むことを勧められた本です。子供がいる私には、涙があふれてとまらなくなりました。
生まれてくる自分の子供が障害児だったらどうしよう・・・育てられない・・・と思うのはしようがないことだと思います。そして、育てられないから、生まれてくる子供がかわいそうだから事前に検査をして(出生前診断)障害児になる可能性が高ければ中絶してしまおう、と思うのもしょうがないのかもしれません。でもこの本を読んで、この世に誕生したすべての子供が、母親のお腹の中で10ヶ月育ち、生まれてくる力を持っていた事実を感じることが出来ました。
子供が生まれるって、生まれるだけですごいことなんですよ。
子供を産んだことがない女性にも読んで欲しいし、もし自分の子供が障害児で悩んでいるお母さんにも読んで欲しい本です。
あと、男性にも子供が生まれるってことに目を向けて欲しいので読んでほしいなぁと思いました。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

15/100
超音波での性別鑑定も出生前診断だって考えに目からウロコ。また子供を授かることがあった時には、その考えを思い出したいと思う。

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2009年10月04日

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